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ついに出た「シン・ゴジラ Blu-ray」レビュー、「ジ・アート・オブ シン・ゴジラ」で描いていなかったメイキングが全部ここにある


本日3月22日(水)から「映画『シン・ゴジラ』」のBlu-rayがリリースされたわけですが、ちょうどうまい具合にAmazonで事前予約した「Blu-ray特別版 4K Ultra HD Blu-ray同梱4枚組」が届いたので開封し、中に何が入っているのか確認してみました。

これが届いた直後の状態


左にあるのが一般的な「Blu-ray特別版3枚組」で、右にあるのが4K版。今回の4枚組はこの2つを1つにパッケージングしたものになります。なので、ビニールのシュリンクを破ると、この2種類を1つの入れ物に入れておく、というようなのは無理な状態に。あくまでも3枚組+1枚、というカタチ。


3枚組の方はゴジラの体表をイメージさせるかのような加工が施されており、赤いロゴ部分はエンボス加工で少しへこんでおり、非常に雰囲気があります。


こっちは4Kのパッケージ


中身は紫色


カバーとなっているアウターケースから中身を取り出すと、赤いブックレット状態で登場。


本編3枚組の方に戻ります。3枚組デジパックは観音開きのようになっているので、さらに開けて中身を見てみることに。


このような感じで、左から順に、解説書など、赤い本編ディスク、黒い特典その1ディスク、白い特典その2ディスクとなっています。


本編ディスクのメニューはこんな感じ。極めてシンプル。


解説書などをバラすとこんな感じで、左から順に解説書、S.H.MonsterArtsのゴジラ・ストア限定カラーVer.となるゴジラ(2016)第4形態と第2形態&第3形態セットの優先購入券(一般販売はない、と裏面に明記。裏面に書かれている「ご注文コード」が必要とのこと)、「ゴジラのアニメ映画「GODZILLA」2017年全国公開が決定 - GIGAZINE」の記事でも触れていたアニメ版のゴジラのポストカード(「怪獣惑星」と書いてある)、ゴジラシリーズ旧作全30タイトルのチラシ、「シン・ゴジラ劇伴音楽集」(ハイレゾ配信限定のサウンドトラック版をCD化したもの)「Welcome to the stage!「東宝円谷プロ効果音大全集(仮)」の案内、そしてブルーレイディスクの再生方法などの注意書き、となっています。なにげに、「東宝円谷プロ効果音大全集」が出るというのはビッグな情報。


解説書はこのように折りたたまれており、両面仕様になっています


解説書冒頭には、今回のBlu-rayが「Ver 2.0」となっていることが明記されており、劇場公開版とは一部変えていることがわかります。


特典ディスク1枚目のイベント記録映像集はかなり楽しいものが多め。発声可能上映も3本入っています。必見なのは最初にある「現場メイキング」で、2015年8月17日東宝スタジオで行われた安全祈願・お祓いから同年11月4日東京都青梅市で行われた立川災害対策本部予備施設・巨大不明生物対策本部シーン撮了まで、撮影現場を追い続けたメイキングカメラ映像をもとに構成されたドキュメンタリーとなっており、見応えありまくり。庵野監督が全員を最初に集めた顔合わせで、このシン・ゴジラをどのように作るのかというのを宣言するシーンは短いものの、「「シン・ゴジラ」公式記録集「ジ・アート・オブ シン・ゴジラ」レビュー、圧倒的ボリュームで1万円を超える価値あり - GIGAZINE」で書いているもろもろのことを思い起こすと、やはりあれはかなり覚悟を決めた決意表明だったのだということがよくわかります。


特典ディスク1枚目のメニューはこうなっており、盛りだくさんだというのがわかるはず。


これがその「オールスタッフ打ち合わせ」の様子、ドキュメンタリーは臨場感抜群で、「あのシーンを撮影していた現場はこんな雰囲気だったのか」というのが手に取るようにわかります。


今回のBlu-ray最大の目玉と言っても過言ではないのが特典ディスク2枚目。メイキング、未使用テイク集、NGテイク集、現場出しニュース、プリヴィズリール、VFXメイキングなどとなっており、どれもこれもすさまじい内容。


メイキングやテイク集をよく見ると、公式記録集でも書いてあった「実はiPhoneで撮影した」というシーンがどれなのかがよく分かります。画面左下にどの種類のカメラで撮影したのかが明記されているためです。例えばこのシーンの場合、「iphone6PL」と書いてあるので、なんとなく「iPhone 6 Plusで撮影したのだな」というのがわかります。


場合によっては左上に露骨に明記してある場合もあり。


特に公式記録集「ジ・アート・オブ シン・ゴジラ」でも触れられていたプリヴィズの部分は「この段階でここまでできていたのか!」というレベル。このプリヴィズについては奇しくもGIGAZINEで取材した「デジタル・フロンティアに「GANTZ:O」をどう作ったのか徹底的に聞いてきた その4・アニメーション編 - GIGAZINE」の中で初めて明確にその存在を意識し、「GANTZ:Oの完成度が高い最大の理由の一つはプリヴィズだったのか!」というのを当時、やっとこさ理解したばかりだったので、公式記録集「ジ・アート・オブ シン・ゴジラ」でもプリヴィズについて触れられていた箇所を読んで、「やはり同じ結論に達したのだな、この作り方は正解なのだな」と思わざるを得ませんでした。


実際に映画を見た人であれば、以下のプリヴィズがいわば映像版絵コンテとして、かなり機能したのだなということがわかるはず。特典ディスクの内容を見ると、公式記録集「ジ・アート・オブ シン・ゴジラ」で書かれていたプリヴィズの話がよく分かります。この映像制作手法は確実にこの先の日本映画の作り方を変えるだろう、という内容です。

シン・ゴジラ Blu-ray特別版 映像特典 「プリヴィズリール集」より - YouTube


白組によるVFXメイキングもYouTubeで公開されたものをさらにグレードアップさせた内容。以前にYouTubeで公開されたものどころの話ではなく、「ここまでできるのか!?」とうならざるを得ないような映像のオンパレード。どういう経緯で完成に至ったのかがぱっと目で見て分かるように編集されており、「VFXのすごさ」がよくわかります。これだけのクオリティのものができるのであれば、やはり邦画でもやろうと思えば、予算と人材さえそろえば、やはりかなりのものができるのでは?と感じるはず。


『シン・ゴジラ』白組によるCGメイキング映像 - YouTube


本編はもはや言わずもがなの名作なわけですが、その名作が一体どのようにして生み出されたのか?という最大の謎をひもとくために「シン・ゴジラ」公式記録集「ジ・アート・オブ シン・ゴジラ」はその舞台裏を理解するための「資料集」という名のツールであると同時に、関係者の「証言集」にもなっていました。しかし、役者の部分であるとか実際の撮影であるとか、そういう「本当の映像の部分」が公式記録集ではごっそり抜けており、「Blu-rayの特典に回します」みたいなことが時々書いてあったのですが、まさにそのときに感じた期待を、今回の特典映像は大幅に上回る内容でした。この映像特典だけでも「こうやって作ったのか!」というのがよくわかりますが、「あ!「ジ・アート・オブ シン・ゴジラ」で書いてあったのはコレか!!」ということで、公式記録集を読んだ後だと、同じメイキングでもその理解度が天と地ほど違ってきます。本編が面白い映画はメイキングもかなり面白いことが多いのですが、シン・ゴジラは映像特典を見るためだけに買う価値ありです。

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in レビュー,   動画,   映画,   ピックアップ, Posted by darkhorse

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