サイエンス

なぜ羊は冬に興奮して繁殖期を迎えるのかを調査した研究結果

By James Bowe

動物は冬になると体を覆う毛が長くなることが知られていますが、羊がなぜ冬になると繁殖期を迎えるのかは、科学者の間で謎とされてきました。ノッティンガム大学らの研究チームは、そんな羊の生態を研究し、羊が冬になると興奮するメカニズムを突き止めたという研究結果を報告しています。

Scientists find missing link that makes sheep horny in winter - The University of Nottingham
http://www.nottingham.ac.uk/news/pressreleases/2017/march/scientists-find-missing-link-that-makes-sheep-horny-in-winter.aspx


Why do sheep get horny in winter? Because the light is baaad, says study | World news | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2017/mar/06/why-do-sheep-get-horny-in-winter-because-the-light-is-baaad-says-study

動物の繁殖能力の変化には、夜間に脳の松果腺から分泌されるホルモン「メラトニン」が関係していることが長く知られていました。メラトニンはさまざまな性ホルモンレベルに影響を及ぼす下垂体に作用するホルモンです。羊は典型的にメラトニンが長期的に分泌される冬に繁殖期を迎えるのですが、メラトニンを受容する脳下垂体の領域は性ホルモンを分泌する領域とは別の場所であるため、なぜメラトニンが羊の生殖能力に影響を与えるのかはわかっていなかったとのこと。

研究チームによると、このメカニズムのミッシングリンクは、血管内皮細胞増殖因子というメラトニンを受容する脳下垂体の領域で作られるたんぱく質にあることがわかったそうです。この領域では「血管の成長を阻害するタイプ」と「血管の成長を刺激するタイプ」という2種類の異なる作用を持つたんぱく質が作られており、メラトニンがどちらのタイプのたんぱく質を作るかをコントロールしているとのこと。

調査の結果、「血管の成長を阻害するタイプ」のたんぱく質には、下垂体のさまざまな領域間の接続を減少させる作用があり、このたんぱく質は冬の間にメラトニンが多くなることが引き金となって生産されることがわかりました。また、このタイプのたんぱく質は性ホルモンの分泌を刺激する作用もあり、羊が異性の羊に目を向けやすくなるという影響も確認されたとのこと。対照的に、「血管の成長を刺激するタイプ」のたんぱく質は、典型的にメラトニン分泌の期間が短くなる夏の時期に生産され、性欲抑制剤としての効果を発揮することがわかっています。

研究チームは「厳しい冬を越してから子羊が産まれるようにして子羊の生存率を上昇させるなど、農家が繁殖の時期をコントロールすることに応用できるかもしれない」と話しています。ただし、これは羊に限った話で、なぜ馬の繁殖期がメラトニンの分泌量が少なくなる夏に起こるのかは、謎のままだとのことです。

By Esther Hoogkamer

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in サイエンス,   生き物, Posted by darkhorse_log

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