優れた写真を撮影するためのポイント「DIET」をプロの写真家が解説
プロの写真家であるクレイグ・セメッコ氏が、優れた写真を撮影するための4つのポイントをわかりやすく解説しているムービーが「The Photographer's DIET」です。ちょっと意識するだけで写真が良いものになりそうなコツから、ひたすら写真を撮影しまくった末に「こういうことだったのか!」と理解できそうなコツまでさまざまで、写真がうまくなりたいという人は見ておいて損のない内容になっています。
The Photographer's DIET - YouTube
「健康な体を手に入れるには優れた食事(diet)をとる必要がありますが、優れた写真を撮影する際にも写真家の『DIET』を意識する必要がある」と語るのが写真家のセメッコ氏。
そして、優れた写真を生み出すには4つの重要な要素が存在するそうです。
その「4つの重要な要素」が「DIET」の中に隠れています。
ひとつめは「DESIGN(デザイン)」。
以下の写真は構図の中に現実世界の幾何学模様を入れて撮影したもの。右端でふてくされ気味に座っているシスターから赤色の破線が伸びている通り、三角形が写真の中に散らばっています。
以下の写真はよりわかりやすく幾何学模様が入っているのがわかります。
「写真の中に絶対に幾何学模様が入っていなければいけない」というわけではなく、構図の中にいる人や物の関係性で幾何学模様を示してもOK。以下の写真の場合、カップルとそれを見つめるひとりの男性を結ぶと三角形ができており、これが「関係性で幾何学模様を示す」ということのようです。
写真は状況を伝える必要があるということで、2つ目のポイントは「INFORMATION(情報)」。
写真を通して見る側に十分な情報を伝えられたら、見る側の中でその写真を通して伝わってくる物語が完成することとなります。パトカーの中の警察官と意味ありげに話しをする女性。
バーのカウンターでひとりたたずむ巨漢の男性。
セール中のバスタブの中で洋服を着たままたたずむ女性。どの写真も正確にその場の状況を理解できなくても、頭の中で物語が膨らむのに十分な情報量を持っています。
写真は見る側の感情に訴えかける必要がある、ということで3つ目のポイントは「EMOTION(感情)」。
写真の中の被写体が何かしらの感情を強く示している場合、見ている側の喜びや悲しみ、楽しさなどの感情を引き起こすきっかけになることがあります。
また、風景は見る側の穏静やのどかさといった感情を引き起こし、内容がどのようなものでも見ている側に何らかの感情をもたらすそうです。
優れた写真は「ほんの一瞬で撮影されたもののはずがない」という強い印象を見る側に与えるそうで、そのために必要なポイントが「TIMING(タイミング)」だそうです。
ユニークな瞬間を切り出したポートレートや……
ここしかないという瞬間を写真に収めたものなど、ごく普通の風景にドラマチックな光を当てることで優れた写真が生まれるというわけです。
この「DIET」の1つか2つの要素を写真の中に取り入れることは比較的容易ですが、3つ取り入れるのは非常に困難で、4つ入ればもはや「君の勝ちだ」とセメッコ氏。
セメッコ氏は4つの中で「EMOTION(感情)」が最も強い要素であると考えているそうで、喜怒哀楽のさまざまな感情が飛び込んできそうな写真がズラリと公開されています。
なお、クレイグ・セメッコ氏は写真撮影にライカを使用しており、その縁からかライカの公式ムービーの中でレンジファインダーの使い方を解説しています。
How to use a Leica M Rangefinder: Craig Semetko - YouTube
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