メモ

YouTubeのURLをコピペするとMP3に変換してダウンロードできるサイトが音楽著作権団体に訴えられる


音楽データの普及と共に爆発的に増加していった音楽データの違法コピー問題。さらには音楽聴き放題サービスなども登場してアーティストが受け取ることができる成果に対する報酬は徐々に減少していっています。この現状を打破するため、全米レコード協会(RIAA)や英国レコード産業協会(BPI)などの権利団体が、YouTubeムービーのURLを入力するとMP3ファイルでダウンロードできるサービス「Youtube-mp3.org」を相手に訴訟を起こしました。

IFPI: WORLD'S LARGEST MUSIC STREAM RIPPING SITE FACES INTERNATIONAL LEGAL ACTION - RIAA
http://www.riaa.com/ifpi-worlds-largest-music-stream-ripping-site-faces-international-legal-action/


RIAA takes on stream-ripping in copyright lawsuit targeting YouTube-mp3 | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2016/09/riaa-takes-on-stream-ripping-in-copyright-lawsuit-targeting-youtube-mp3/


Major labels sue YouTube ripping site - BBC News
http://www.bbc.com/news/entertainment-arts-37482570


RIAAとBPI、さらには音楽業界に関わる複数のロビー活動を行う人々が、世界最大級のウェブサイト「Youtube-mp3.org」を「ストリーミング動画のリッピングにより著作権侵害を助長するサービスだ」として訴えました。

その「Youtube-mp3.org」は、YouTube上のムービーのURLをテキストボックスに入力すると、ムービーをMP3ファイルに変換し、音楽ファイルとしてダウンロードできるようにするというサービスです。訴訟を起こした音楽業界側は、今回の訴訟でここ数年成長が鈍化してきたストリーミングサービスに活力を与えてテコ入れするのが目的、とArs Technicaは報じています。

By Riziki Nielsen

RIAAのケアリー・シャーマン議長は「Youtube-mp3.orgはレーベルやアーティストが公開している何百万という曲をあさっています。音楽業界に携わる全ての人々は、『アーティストはそれぞれの役割にかなった報酬を受け取るべき』と考えているかもしれません。もちろん我々はそうなるように努力していますが、これは簡単なことではありません。なぜなら、アーティストの作品を知ってもらうのは簡単なことではないからです。また、アプリストアなどではストリーミング動画のリッピングサービスがランキングのトップに並んでいる、という現状も関係しています」と、音楽業界の厳しい現状を語っています。

Ars TechnicaがYoutube-mp3.org側にコメントを求めたところ、回答は得られなかったとのこと。しかし、Youtube-mp3.orgのトップページには「我々のサービスが他と違うのは、変換処理を自身のサーバー上で行っている点です。また、(変換処理が自前のサーバーで行われるため、)ユーザーはオーディオファイルを我々のサーバーからダウンロードすることになります」と書かれています。


RIAAやBPIなどの音楽業界側がロサンゼルスの連邦裁判所に提出した(PDF)訴状には、「ストリーミング動画のリッピングによる著作権侵害は、音楽業界全体にとって大きな問題になっている。アメリカだけでみても、2013年から2015年にかけてストリーミング動画を無許可にリッピングする数が50%も増加している」と記述されています。

また、訴えが起こってから2週間後に公開された調査の内容によると、16歳から24歳までの約50%が「現在もストリーミング動画のリッピングを行っている」とのこと。

加えて、訴状には「Youtube-mp3.orgは何千万人というユーザーを抱えており、世界中で違法に流通する音楽データの40%はYouTubeが出所となっている」とも書かれています。訴訟を起こした音楽業界側は1件の権利侵害当たり15万ドル(約1500万円)の賠償を求めており、これはアメリカの著作権法が認める賠償金の最高額でもあります。また、連邦判事はYoutube-mp3.orgに対してサイトの閉鎖も求めているとのことです。

By Sebastien Wiertz

なお、音楽業界ではインターネット上での違法コピーが長らく問題視されており、名だたるミュージシャンたちが著作権法の見直しを求める事態にまで発展しています。

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in メモ, Posted by logu_ii

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