「パナマ文書」の一部データをデンマーク政府が約1億4000万円で購入
By Keith Cooper
租税回避行為に関する機密文章「パナマ文書」の一部データをデンマーク政府が買い取ったことが明らかになりました。
Panama Papers: Denmark to pay £1M for leaked data to probe tax evasion | Ars Technica UK
http://arstechnica.co.uk/tech-policy/2016/09/panama-papers-denmark-payout-data-tax-evasion-probe/
デンマークの税務署員が伝えるところによると、デンマーク政府は匿名の情報提供者から租税回避行為を行っていたとみられるデンマーク国民数百人分の財務情報を100万ポンド(約1億4000万円)で購入したとのこと。この「租税回避行為を行っていたとみられるデンマーク国民数百人」というのはパナマ文書に名前が記載されていた人物たち。
デンマークの新聞社・Politikenは、デンマークが「パナマ文書のリーク後、このデータを課税逃れを調査するために購入した最初の国」と記しています。また、デンマーク政府はパナマ文書のデータを購入したことを認めた最初の国でもあるそうです。デンマーク政府は購入したパナマ文書の一部情報から、国内の500~600人を対象とした約300件ほどの課税逃れを調査するとのこと。
デンマークの税務署で働く匿名の職員は、「デンマーク政府が買い取ったデータは本物であり、我々にとって非常に重要な情報を含んでいます。その情報というのは、(タックスヘイブンに関する)特定の個人に関するものや、(タックスヘイブンの)アドバイザーたちが使用していたと思われる非常に興味深い方法論などです。これらの情報は課税逃れを調査する際に大きな役割を担うでしょう」とコメントしています。
なお、Ars Technicaはデンマーク政府の動きが呼び水となり、今後他の国々でも同様の取引が行われる可能性を示唆しています。実際、2014年にはドイツの税務当局がパナマ文書とは異なる機密文書を、パナマ文書の流出元である法律事務所のモサック・フォンセカから約100万ユーロ(約1億1000万円)で購入していて、ドイツで2番目に大きな銀行であるコメルツ銀行を脱税容疑で摘発するという成果をあげています。
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