渋滞回避を狙った中国の「またがりバス」がまさかの実車化、今後は実験走行も開始
2016年春にはSNSなどで拡散されたこともあって、道路をまたぐように走って渋滞の車列をクリアする中国の「またがりバス」を目にしたことがある人も多いはず。そのエキセントリックなアイデアに度肝を抜かれた人も多いと思いますが、なんとそんなバスは単なるネタではなく大まじめに開発されており、なんと実車が一般に公開されました。さらに、今後は実車を使っての走行実験も行われる模様です。
China finally built an elevated bus that straddles traffic and it's totally bizarre | The Verge
http://www.theverge.com/2016/8/2/12360620/china-TEB-elevated-straddling-bus-unveiled
北京の東に位置する秦皇島(チンファンダオ)の市内で公開された「またがりバス」の実車がコレ。「Transit Elevated Bus」の頭文字をとって「TEB-1」と名付けられたバスは、モノレールの車体のような外観で、上半分が乗客スペースとなっています。
正面から見ると、車体の下部は高さ約2.1メートルのトンネル状になっていて、一般的な乗用車がすっぽり収まるような構造になっていることがわかります。
真横から見るとこんな感じ。車体を支える車輪は、まるで電車のような台車になっていることがわかります。
2016年になって話題になっていたこのバスですが、実は構想そのものは2010年に発表されていたもので、2016年に開催された「第19回 China Beijing International High-tech Expo」でモデルが公開されていました。
Highlights of the 19th China Beijing International High-tech Expo[4]- Chinadaily.com.cn
道路の2車線分の幅を持つボディということで、乗客スペースの幅は約7.6メートルもあります。室内長は約22メートルもあり、このスペースに300人の乗客をのせて1度に輸送することが可能。
前に人が立つと、全高は約4.9メートルという巨大さがわかるはず。車体を支える脚の部分には信号のような3色のランプが設置されており、走行状況に応じてドライバーに注意を促すようになっているのかも。近未来的な車体ですが、脚の内側にエアコンの室外機が鎮座しているのがクスッと笑えてきます。
実際に車体を作製している様子が以下のムービーに収められています。
Compartment of futuristic straddling bus comes into reality - YouTube
このTEB-1は今後、実際の路上でテスト走行を実施することになっています。あまりに奇抜な構想のため、自動車や歩行者が巻き込まれないかという安全性の問題が気になるところですが、テストの結果がどのようなものになるのか、関心が集まりそうです。
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