乗り物

自動車の上を走る中国の「またがりバス」は詐欺の可能性


中国で実用化に向けて開発が進められていた「Transit Elevated Bus(TEB)」、通称・またがりバスは「道路をまたぐようにして走ることで渋滞の影響を受けない」というアイデアの乗り物です。一時は日本のインターネット上でも話題となった近未来的な見た目の電気バスですが、これが「詐欺かもしれない」ということで中国の地方当局が捜査に乗り出していることが明らかになっています。

It’s official: China suspects its “car-eating,” traffic-straddling bus is a total scam — Quartz
https://qz.com/1020128/its-official-china-suspects-its-car-eating-traffic-straddling-bus-is-a-total-scam/


China is investigating that weird, traffic-straddling bus, which in retrospect was totally a scam - The Verge
https://www.theverge.com/2017/7/3/15916032/teb-elevated-bus-china-investigation-scam

中国で開発されていたTEBは、高速道路をまたぐようにして走る電気駆動のバスで、1度に300人程度の乗客を乗せることができます。中国に蔓延する交通渋滞や大気汚染の解決作として提案された画期的な乗り物で、2016年8月には北京港近くの道路で初の実走試験が行われることもアナウンスされていました。


以下の記事を見れば、TEBの外観や内装がどんなものになる予定だったのかがわかります。

渋滞回避を狙った中国の「またがりバス」がまさかの実車化、今後は実験走行も開始 - GIGAZINE


しかし、中国の地方当局は2017年7月2日に、突如TEBが走行予定であった300メートルの線路を撤去することを発表しています。これに加え、北京警察は不法資金調達の容疑でTEBのプロジェクトに携わっているオンラインファイナンシャルプラットフォームHuaying Kailaiの調査を開始したことも発表しました。北京の東城地区警察局は声明の中で、Huaying Kailaiから資金を回収するために動いていることを明らかにしており、TEB-1の投資家に対しては「地元の警察局に報告するように」とアドバイスしています。なお、TEB関連でHuaying Kailaiに投資していた投資家の数は30人を超えるそうです。


Huaying KailaiとTEBの開発を担当するTEB Technology DevelopmentでCEOを務めているBai Zhiming氏は、秦皇島政府からTEBの線路敷設計画の中止が発表されたのち、中国メディアに対して「TEBは中国の他の都市へ移るだろう」とコメントし、TEBの実用化計画が終わるわけではないとしています。しかし、中国のオンライン判決データベースを調べると、少なくとも72人の個人投資家がHuaying KailaiとZhiming氏に対して訴訟を起こしているそうです。なお、Huaying Kailaiとその子会社は2016年10月までに91億元(約1500億円)の資金を調達していたとのこと。

Quartzは中国では個人での投資が盛んであるものの、規制がほとんどないためオンラインのP2P投資を中心に怪しい資産運用商品に投資し、何度も失敗を繰り返していると指摘しています。

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in 乗り物, Posted by logu_ii

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