取材

フィギュア造形経験ゼロでもCGスキルの力で超絶クオリティを実現できる新デジタルモデリング革命「ワンダーショウケース」第31期選出作品まとめ


国内最大の造形イベントワンダーフェスティバルでは、次世代を担う若手造形作家の育成・繁栄のために「ワンダーショウケース」という専用レーベルが作られています。ワンフェス2016[夏]では、「空母ヲ級 ver.K」「『化猫陰陽師』月影」「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 中川凰蘭」の3作が、ワンダーショウケース第31期プレゼンテーション作品に選出されています。

Wonder Showcase Officail Web Site
http://www.wondershowcase.com/

ワンダーショウケースの展示ブースにやってきました。


「空母ヲ級 ver.K」は、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん-艦これ-」の敵キャラクターである空母ヲ級をフィギュア化したもの。


原型製作は「7144」のkuniさん。


「ヲ……ヲヲ……」と今にも話し出しそう。


帽子の目玉のような部分は半透明素材で造形。kuniさんはポリエステルパテやファンドなどを使ったアナログによるフィギュア造形の経験が一度もないまま、「空母ヲ級 ver.K」がガレージキット処女作にしていきなり『ワンダーショウケース』に選出されるという驚異の腕前。「CGを駆使した厳密な製作指示書を作成し、モデルフィニッシャーに依頼して自分の思い描いたとおりの作品に仕上げてもらう」という、造形作家では珍しいセルフプロデュース方式を採用しています。


サイドから。空母ヲ級の異形な姿が完全に再現されています。


後ろ姿。販売取り扱いはナシでワンフェス会場での展示のみでした。


創作キャラクターの「『化猫陰陽師』月影」は、うろこもんのChilmiruさんの作品。


ワンフェス会場販売分100個限定で税込1万5000円で販売されていました。一般小売価格は税抜1万9800円です。


ふわりとはためくスカート。


足元には、化猫陰陽師に踏みつけられて複雑な表情のテングがいます。


絶妙なバランスで体を支えています。


頭からつま先まであらゆる部位が緻密に設計されているのは見事の一言。


「悪霊退散」のお札。


コミック「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」の中川凰蘭は、スキマスキの隙間の人さんの作品。


ワンフェス会場販売分100個完全限定で、税込1万2000円で販売されていました。


手に持った無線機を空高く掲げています。


スキマの人さんの本業はフリーランスのCGデザイナーで、「自分がCGで描いた物を実際に手にとって触れることができるものにしてみたい」という思いからフィギュア制作をはじめたとのこと。ラッカー系模型用塗料を体が一切受け付けないという致命的な問題を、強力な防塵マスクを購入することで回避したそうです。


鳳蘭の背後には作品名を省略した「デデデデ」の文字。


原作の絵柄を的確にトレースしつつ、360度どこから見ても完ぺきな造形。


カーディガンの裾のシワやスカートの細かいひだに、こだわりを感じます。


背中にはリュックサック。


なお、kuniさんと隙間の人の両名はいずれもZBrushを使用しており、ワンフェス公式カタログの説明でも「簡潔に言えば、「いよいよ真意でのデジタルモデリング革命がワンフェスに押し寄せた」ということである」というようにして同じことを書かれてしまうほど。今までの常識から言えばまさに常識外れの存在であり、次のワンフェス2017[冬]では一体どのようなことになるのか、どのような新しい原型師が出現するのか、いろいろな意味で期待大です。

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in 取材, Posted by darkhorse_log

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