サイエンス

地球外生命体の探査などを行う世界最大の電波望遠鏡「FAST」が中国で完成


中国・貴州省で建設が進められていた、直径500mで世界最大の電波望遠鏡「FAST」の最後のパネルが設置されて、主要な工事が完了しました。FASTはこれから調整作業に入り、9月から運用が始まる予定です。

Xinhua Insight: Installation complete on world's largest radio telescope - Xinhua | English.news.cn
http://news.xinhuanet.com/english/2016-07/03/c_135485389.htm


China puts finishing touches to world's biggest radio telescope | World news | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2016/jul/03/china-puts-finishing-touches-to-worlds-biggest-radio-telescope

China puts final touches to world's largest telescope - News from Al Jazeera
http://www.aljazeera.com/news/2016/07/china-puts-final-touches-world-largest-telescope-160703080236077.html

FASTの建設が最初に提案されたのは1994年のこと。2007年に国家発展改革委員会が計画を承認、2011年から建設が始まりました。建設の様子は以下のムービーで見られます。



巨大な反射鏡にパネルがどう設置されていったのか、タイムラプス映像で見られます。ちなみに、この三角形のパネルの枚数は4450枚。


最後の1枚の取り付けはこんな感じ。


完成を祝った祝典の様子も報じられています。


ちなみに、これまで世界最大だったアレシボ電波望遠鏡の直径は約305m。

なお、FASTの完成が見えてきた2016年2月には、周辺5kmに住む住民9110名に対して立ち退きが求められています。立ち退きの補償金は1人あたり1万2000元(約21万円)。望遠鏡が位置するのは黔南プイ族ミャオ族自治州という少数民族の自治州で、経済的に困っている少数民族には上積みもありますが、補償額の少なさに住民からの不満の声もあるとのことです。

宇宙人捜索のため中国政府が約9000人を居住地から立ち退きへ - GIGAZINE

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in サイエンス,   動画, Posted by logc_nt

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