「Windows 10へのアップグレード阻止がより困難に」との報道にMicrosoftが即反論、日本では国会議員が質問主意書提出へ
By CyberHades
ユーザーにWindows 10へのアップグレードを有無を言わせず強制しているとも報じられているMicrosoftについて、その強引さがさらに増大しているという内容が報じられました。しかしMicrosoftは明確に否定しており、両者は真っ向から対立する形となっています。
No way out: Microsoft is now making it even more difficult to block Windows 10 upgrades [Update]
http://www.neowin.net/news/no-way-out-microsoft-is-now-making-it-even-more-difficult-to-block-windows-10-upgrades
ニュースメディア「The Register」は2016年6月1日付の記事「Windows 10 nagware: You can't click X. Make a date OR ELSE」で、Microsoftによる「Windows 10へのアップグレードキャンペーン」が新たな段階に突入し、さらに攻撃性を増していると報じました。
同記事では、Windows 10へのアップグレード画面が変化している様子を以下の画面キャプチャを使って解説しています。「Schedule your upgrade (アップグレードの日時を選択してください)」というウィンドウには日時を選択するプルダウンメニューが配置され、右下には「確認して閉じる」と「今すぐアップデートを開始する」のボタンが並んでいます。
しかしこれだと最終的にどこかの時点でアップグレードするしか選択肢がありません。そこで、ウィンドウ右上の「×」をクリックして閉じようとすると、なんとそこには「×」ボタンがないという状況に陥ってしまいます。つまり、この画面が表示されたが最後、ユーザーは「後でアップグレードする」か「今すぐアップグレードする」のどちらかしか選ぶことができないことになるというわけです。
The Registerはこの状況をもとに「Microsoftはさらにギアを上げた(Now Microsoft is changing gears.)」と報じ、ユーザーに選択肢を与えないポリシーに疑問を投げかけています。
この報道に対し、All About Microsoftの記者であるMary Jo Foley氏は、The Registerの記事内容を「誤ったアラートである」とする記事を掲載しています。
Microsoft makes blocking Windows 10 'Recommended' update near impossible: Report | ZDNet
記事の中でFoley氏は、この画面が表れるのは「ユーザーがWindows Updateを開き、あらかじめアップグレードを承諾して『ソフトウェア利用承諾契約』に同意している場合に限られる」としており、あたかも無条件にWindows 10へのアップグレードが強制されるという印象を与える記事内容が誤りであると述べています。
ただしそんなFoley氏でも、相次いで騒ぎとなっているMicrosoftのあまりにも積極的すぎる押しつけに近いアップグレードキャンペーンに対し良い印象を持っていない、とのこと。
さらに、The Registerの記事に関してはMicrosoftからも反論が行われています。Microsoftの広報担当者はこの件を報じていたNeowinに対し、The Registerの記事内容は間違いであると明確に否定する声明を発表したとのこと。
声明の中でMicrosoftは、「The Registerの記事は不正確です。Windows 10へのアップグレードは選択が可能です。ユーザーは、アップグレードを承諾するか、スケジュールを変更するか、希望によってはキャンセルするという複数のお知らせを受けることができます」と、Windows 10へのアップグレードが強制されるものではなく、あくまでユーザーの意志に応じたものであると説明しています。
なお、日本でも国会議員が6月1日付けで「パソコンの基本ソフトウェアの半強制的アップグレードに関する質問主意書」ということで、Windows10強制アップデート問題に関する質問を提出しており、消費者問題化しそうな気配です。
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