iPhone以外も「iPhone」と名乗ってよいというとんでもない判決を中国の裁判所が下す
Appleと中国の革製品メーカーが争っていた裁判で、Appleの主張が退けられ、ハンドバッグや財布、パスポートケースなどのブランド名として「IPHONE」を掲げることが許可されました。
Apple (AAPL) no longer has exclusive rights to the "iPhone" name in China — Quartz
http://qz.com/674813/apple-is-being-forced-to-share-the-iphone-name-in-china-with-a-handbag-maker/
スマートフォンとしてのiPhoneは2007年にデビューしましたが、Appleが中国において「iPhone」を「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」の分野で商標登録出願したのは2002年で、実際のデバイスの販売は2009年から行われました。一方で、中国のメーカー・新通天地(Xintong Tiandi)は2007年に「IPHONE」を「革及びその模造品、旅行用品並びに馬具」として商標登録し、財布やバッグといった革製品に「IPHONE」という文字を刻印してきました。
これがXintong Tiandiの製造するハンドバッグ。革にくっきりと「IPHONE」の文字が刻まれています。
スマートフォンケースや……
パスポートケースもIPHONEです。
Appleは商標の独占を求めて2012年に中国の商標当局に申し立てを行いましたが認められず、2013年に敗訴。その後、控訴していました。そして今回、日本の高等裁判所に相当する北京の高級人民法院によると、Appleは新通天地が商標登録を行った2007年に既に中国で「iPhone」が広く知られるところであったと証明できておらず、商標権侵害はなかったとの判断が下されました。
また、Appleは自社の製品に「i」という文字を冠していますが、高級人民法院は「i」と「I」の使用について区別しておらず、いずれも裁判においては「IPHONE」と認識されていました。
Appleは本裁判についてコメントしていませんが、新通天地は、裁判所の判断は「自由市場」を反映したものであり、「消費者の利益のため、我々はAppleと共に『iPhone』の商標で大きな達成を果たすでしょう!」とウェブサイトでコメントしています。
なお、Appleが中国における商標権について争ったのは今回が初めてではなく、2012年には中国での「iPad」での商標権を巡って台湾のProview Electronics(唯冠科技)と裁判を行い、最終的にAppleがProview Electronicsに6000万ドル(約66億円)を支払うことで商標権を確保しています。
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