映画に入り込んで主人公と一心同体の感覚に陥る全編一人称視点の映画「Hardcore Henry」
一人称視点と言うと真っ先に思い浮かべられるのはゲームのFPSというジャンルですが、何とその一人称視点の映像を全編に使用してしまった映画「Hardcore Henry」が公開されました。Hardcore Henryは全編を一人称視点だけの映像にすることで、今までに見たこともない映像体験をもたらす意欲的な作品になっています。
HARDCORE HENRY | STX Entertainment
http://stxmovies.com/hardcorehenry/
Hardcore Henryがどのような映画なのかは以下の予告編を見るとわかるはずです。
Hardcore Henry | Official Trailer 2 | STX Entertainment - YouTube
Hardcore Henryのあらすじは「近未来のモスクワで目覚めた主人公ヘンリー。記憶や声、足と手の感覚を失った状態で目覚めたヘンリーは、妻の治療を受けてサイボーグの体へと改造されますが、妻が何者かに誘拐されてしまい、ヘンリーは妻を奪い返す戦いへと身をささげることに……」というものです。
妻の治療を受けてサイボーグ人間へと変わっていくヘンリー。なお、一人称視点なので主人公の顔や表情は全くわかりません。
突如としてシーンが変わり、ヘンリーが何かを結んでいるところ。
結び終わるとヘンリーがビルから大ジャンプ!ワイヤをシュルシュルとつたいながら降りていきます。
地面にぶつかる!と思ったところで着地成功。一人称視点なので、普通の映画とは違う没入感を感じられるようになっています。
バイクにのってカーチェイスのシーンもある模様。
治療をしてくれていた妻は、なぜか傷ついています。
「愛しているわ」と言ってくれた妻を取り返すべく、ヘンリーは立ち上がるのです。
かなり高い鉄橋の上を爆走。
映像を見ていると、パルクールのような疾走感あるアクションを見るのではなく体験しているような感覚です。
エレベーターを滑り降りるヘンリー。なお、カメラは「GoPro HERO3: Black Edition」が使用されており、映像の画質は超高画質というわけではありません。また、ガクガクと画面揺れが起こるため、FPSに慣れていない人は酔ってしまう可能性がありますが、これもHardcore Henryの魅力のうちです。
格闘シーンももちろん一人称視点なので、思わずのけぞりそうになる場面もあります。
敵の顔に思いっきり蹴りを入れるヘンリー。
暴力描写以外にも、ドラッグや性的なシーンが登場するとのことで、アメリカでは17歳以下の鑑賞に保護者同伴が必要になる「R指定」の映画になっています。
自動車に引きずられてひかれそうになるシーン。
銃を装てんして……
C4で自動車を爆破!自分が爆破スイッチを押したような気分です。
ちょっと画像がぶれてしまっていますが、マトリックスのようなクールなワイヤアクションもあります。
ナイフを右手に持ち替えて……
左手の銃でバンバンバン!
目の前で自動車が大爆発。
敵の車両に飛び移り……
車内に手榴弾を投げ入れます。
「早く脱出して!」と思わず叫んでしまいそう。
自動車がボカーンと大爆発して吹っ飛ぶヘンリー。
このままだと地面にたたきつけられる!と思った瞬間……
仲間のバイクに着地する形で飛び乗って最悪の事態は免れました。
マシンガンを乱射しながら前を走る自動車に突っ込んでいきます。
車内にいる特殊部隊をマシンガンで一掃。
もう何が何だかわかりません。
時々、フレームレートが追いつかなくなり何が起こっているのか理解できないシーンもありますが、アクションの臨場感は一般的な映画よりもすさまじくなっています。
映画の世界に入り込んだような感覚を体験できるのが映画「Hardcore Henry」です。
なお、上述の予告編以外にもテレビCM用などさまざまな予告編が公開されています。
Hardcore Henry | Official Trailer | STX Entertainment - YouTube
Hardcore Henry | "Wild" TV Commercial | STX Entertainment - YouTube
Hardcore Henry | "Breakthrough" TV Commercial | STX Entertainment - YouTube
Hardcore Henry | "Not Here To Hurt You" Clip | STX Entertainment - YouTube
Hardcore Henry | "Living on the Edge" Clip | STX Entertainment - YouTube
「Hardcore Henry」はアメリカやイギリスで公開がスタートしており、批評サイトのRotten Tomatoでは50/100というスコアですが、IMDBでは7.2/10という好スコアをたたき出しています。以下のムービーには実際に映画を鑑賞した人が感想を語っている様子が収められていて、観客の興奮がこちらにも伝わってくるようです。
Hardcore Henry | Audience Reactions | STX Entertainment - YouTube
「映画の中に実際にいるかのような感覚だったよ」
「むちゃくちゃ刺激的な体験でした!」と大興奮の様子の男性。
「今まで見た映画の中で最もユニークで緊張感あふれる作品でした」
「おばあちゃんには合わない映画かな」と男性が語るように、「Hardcore Henry」は見る人を選ぶ作品のようです。
「今まで見た中で最高の映画だったね」と話す男性。映画を見た人の意見を参考にすると、「Hardcore Henry」は全く新しいタイプの映画であるのは間違いなさそう。日本での公開が未定となっているのが残念ですが、機会があれば一度は目を通しておきたい作品です。
なお、Hardcore Henryを手がけたイリヤ・ナイシュラー監督はBiting Elbowsというバンドのミュージックビデオを一人称視点の映像で作り上げたことがある監督で、このミュージックビデオも一見の価値があります。
Biting Elbows - The Stampede (Official Music Video) - YouTube
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