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iPhone SEを分解、メモリ2GB&防水処理アリでディスプレイなどはiPhone 5sのパーツが多数流用されていると判明


iFixitが期待通りに4インチディスプレイの新型iPhone「iPhone SE」をバラバラにしています。カメラやバッテリーなどがグレードアップし、一部の部品には防水処理もされているなどの改良もあるものの、iPhone 5sと同じディスプレイを搭載するなど、流用パーツ満載であることも判明しています。

iPhone SE Teardown - iFixit
https://www.ifixit.com/Teardown/iPhone+SE+Teardown/60902

iPhone SEをバラバラに分解する様子は以下のムービーで確認できます。

iPhone SE Teardown Review! - YouTube


今回バラバラにされるのはiPhone SEのローズゴールドモデル。iPhone SEは4インチ(1136×640)のRetinaディスプレイを搭載しています。


型番は「A1662」


iPhone 5s(左)と並べるとこんな感じでそっくり。外寸などはまったく同一とのこと。


唯一の外観からの違いは、エッジの面取りが磨かれておらずマットなデザインに変更された点のみ。


iPhoneを分解して欲しくないのか、Appleは相変わらず特殊なネジ「Pentalobular」を採用。


iFixitはDIYでの修理を妨げるものとして「好きじゃない」と評価しています。


底面の特殊ネジを外したら、iFixitの「iSclack」でディスプレイ部分をパカリ。なお、iPhone SEのディスプレイ脱着はiPhone 6sに比べれば簡単だそうです。


Touch IDにつながるケーブルはブービートラップ。ディスプレイを一気に引き上げてケーブルを切らないように、慎重に取り外す必要があります。


無事、ディスプレイ部分を取り外せました。


左がiPhone 5sのディスプレイで右がiPhone SEのディスプレイ。なんと部品はまったく同じ。iFixitによってiPhone 5sのディスプレイをiPhone SEに取り付けても動作することが確認されています。


ディスプレイに続いてバッテリーの取り外し。コネクタを外しておいて……


接着剤を引っ張って除去。


バッテリーが外れました。バッテリーは3.82V、6.21WHRで容量は1624mAh。iPhone 5sの1560mAhから性能がアップしています。ちなみにiPhone 5sのバッテリーとはコネクタの形状が違うのでパーツを入れ替えることはできないそうです。


次に、iSightカメラ(リアカメラ)。


左がiPhone 5sで右がiPhone SEのリアカメラユニット。800万画素→1200万画素に性能アップしたリアカメラは、コネクタのピンが減っていることが確認できます。


左から順にiPhone 5、iPhone 5s、iPhone SEをX線で透視するとこんな感じ。部品のレイアウトはほとんど同じである事が分かります。


唯一と言ってよい違いはAppleロゴがバイメタルの素材に変更されたこと。


スピーカーや……


バイブレーターや……


SIMカードトレイはiPhone 5sとまったく同じもの。当然、相互に交換可能です。そして、驚くべき事にフロントカメラ、リアカメラ、ボリュームボタン、リアカメラのロジックボードとの接続用コネクタにはシリコーンシールが施されており防水処理されているとのこと。ただし、ディスプレイ、バッテリー、Lightningなどは防水処理されていないそうです。


さらにLightningコネクタアセンブリーを取り外します。


iPhone 5sのものと同じに見えますが、コネクタ形状がわずかに違うとのこと。そのためこのパーツは流用することはできなかったそうです。iFixitはUSB3.0との互換性を持たせるための部品変更ではないかとにらんでいます。


ロジックボードの取り外し。


赤枠がSoC・A9 APL1022。LPDDR4メモリはhynix製の2GBであることが分かっています。オレンジ枠がQualcommのLTEモデムチップ「MDM9625N」、黄枠がQualcommの「WTR1625L」、緑枠がQualcommの「QFE1100」、青枠がSkyworksの「SKY77611(PDFファイル)」


裏面の赤枠が東芝の「THGBX5G7D2KLDXG」NANDフラッシュ(ストレージ)、オレンジ枠がWi-Fiモジュール「339S00043」、緑枠が「66V10」、青枠が「3385S128S


物理ボタン用のケーブルは……


接続するクリップ形状が変更されているとのこと。


すべてのパーツを取り外したケース。


iPhone SEは大きく分けるとこんなパーツでできています。


iFixitによる分解難易度は、全10段階のうち6と比較的易しい部類とのこと。その理由として、ディスプレイアセンブリやバッテリーへのアクセスが簡単でパーツ交換が楽だということを挙げる一方で、相変わらず特殊ネジを使っていること、Touch IDコネクターがブービートラップになっていることを指摘しています。

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in モバイル,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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