サイエンス

数学的には存在しないはずの雨粒はどうやってできるのかを科学的に解説


空から降ってくる雨粒は数学的に見れば実はあり得ない存在で、本来は地上に雨が降ることはあり得ない現象だそうです。一体、どうして雨粒が数学的には存在し得ないのか、それなのになぜ現実には雨粒が存在するのかを科学的に考察するとこうなります。

Why Raindrops Are Mathematically Impossible - YouTube


雨粒に関係する物理現象はたくさんあります。例えば、水分子が集まる「凝縮」や……


「粘性」や……


「空気抵抗」など。


厳密に言えば、落下する水である雨粒は空気抵抗によってクラゲのような形をしており、右端のイラストのような形ではありません。


数学的、物理的に雨粒の作り方を考えてみましょう。


一般的には「雨粒ができるのなんて簡単。はじめに気温が下がると水蒸気が液体の水になり、次にその水が集まって水滴になるだけ」と思いがち。


しかし、「水が集まって水滴になる」という現象は、実は数学的には起こり得ません。


水には表面積を小さくしようとする性質があり、水分子が互いに引っ張り合って広がることなく球状に集まる性質があります。 


このおかげで小さな水滴は球状をしており……


小さなコインに水滴がのるわけです。


もう少し詳しく言うと、水は「表面積を大きくするとき」にエネルギーを吸収し、「体積を大きくするとき」にはエネルギーを放出する性質があります。


水滴が十分な大きさを持つ場合、体積が増えることで放出されるエネルギーの量は、表面積を増やすことで吸収されるエネルギーよりも十分に大きくなります。これは、体積が半径の3乗に比例し、表面積は半径の2乗に比例するということに関連があります。つまり、体積は増えやすいということ。


これは、体積を増やして得られるエネルギー(10の3乗)>表面積を増やして失うエネルギー(10の2乗)という状態。


しかし、水滴が小さくなると話は別で、0.1の3乗<0.1の2乗というまったく逆の状態になります。


つまり、水滴はある大きさを境として体積を増やすよりも、小さく分割されることで表面積を増やす方が都合がよいということ。


ある大きさを境に、水滴にはより小さくなりやすい場合と、より大きくなりやすい場合という正反対の世界があるというわけです。


y=x²-x³のグラフを描くと、x=2/3で極大値を持ちます。


この極大値こそが「ある大きさ」で、これよりも小さな水滴は集まるどころか小さくなりやすいというわけです。


数学的には1よりも小さな範囲では、2乗のグラフが3乗のグラフよりも常に大きくなるので当然と言えば当然です。つまり、極小サイズの水分子が集まって大きな水滴になることはないということです。


けれども実際には雨は降ります。


5個の水分子が10個の水分子になることは極めて希で、さらにこれが50個、そして数百万個の「ある大きさ」になる確率は限りなくゼロに等しい、あり得ないことです。


それなのに、なぜ雨が降るのかを知りたい人は、ムービー「Rain's Dirty Little Secret」を見れば分かります。


ということで、以下のムービーがその答え。

Rain's Dirty Little Secret - YouTube


数学的には地球上に雨粒が降ってくることはありません。


空中をただよう「小さな」水分子が自然に集まって水滴になることはないからです。


もっとも、水分子同士は非常に結びつきやすい性質を持ってます。


だからこそ、水はこんな形をしているのです。


空中の水分子はくっついて塊になることもあれば……


熱(エネルギー)が加わることで結束が切られて、離ればなれになることもあります。


空中の水分子は「Dew Point(露点)」と呼ばれる温度を境に水滴になります。


しかし、これは多くの水分子が集まって巨大な塊になっている場合に通用する話。


小さな水分子の塊の場合、カーブが急なため水分子の周辺にある中間の水分子の数が小さく結束が弱いので……


エネルギーが加わると結束が切れて、水分子が飛び出すことが多くなります。


つまり、飛び出す水分子の方が加わる水分子よりも多い状態で、水分子の塊は大きくなるどころか小さくなってしまいます。


先ほどのムービーにもあった「ある大きさ」を境に、水分子はより小さくなりやすい状態と、より大きくなりやすいという2種類の状態をとるというわけです。


この「ある大きさ」がどれくらいかということ、水分子1億5000万個の塊。


確率論で言えば合体して大きくなる水分子の塊もあり得ます。しかし、例えば、ゴルフボールくらいの大きさの範囲の中に水分子5個の塊が数百万個存在するとして、その中から水分子10個の塊に大きくなれるのはわずかに1つだけ。


さらに50個の水分子の塊の場合、直径1600万キロメートルの範囲の中にわずかに1つあるだけ。


このような限りなくゼロに等しい確率をくぐり抜けて、水分子150万個の「ある大きさ」が自然に誕生することは数億年待っても起こり得ません。


しかし、空中には小さなホコリやちりのような異物が漂っています。そして中には「ある大きさ」程度のものもアリ。


この小さなホコリやちりに水分子がまとわりつけば……


空中には「ある大きさ」以上の水の塊が登場したのも同然で……


ある大きさ以上の大きさなので、水が集まってさらに大きくなります。


そして、大きくなった水分子の塊は……


雲として集まり……


雨を降らすことになります。


つまり、地球に水滴が誕生して雨が降り、生命が育まれたのは、空中をただよう小さなゴミのおかげだったというわけです。

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in サイエンス,   動画, Posted by darkhorse_log

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