レビュー

9.7インチに生まれ変わった新型iPad Proは何がすごいのか実際にいろいろ使って確かめてみた


Apple新製品発表会で発表された新型「9.7インチiPad Pro」が、2016年3月31日から販売開始となりました。同iPadの開封の儀歴代iPadとの比較を行なったので、次は実際に使ってみるとどんなパフォーマンスを披露してくれるのかを確かめてみました。

iPad Pro - Apple(日本)
http://www.apple.com/jp/ipad-pro/

◆9.7インチiPad Pro
新しい9.7インチiPad Proは、本体カラーがシルバー・ゴールド・スペースグレイ・ローズゴールドの4色展開で、iPadの中では初めてローズゴールドが登場したモデルです。


9.7インチiPad ProにはWi-FiモデルとWi-Fi+Cellularモデルの2種類があり、ストレージ(ROM)容量は32GB・128GB・256GBの3種類。iPad Air 2などで存在した16GBモデルや64GBモデルがなくなっているので、iPhone 6/6 Plus登場時に32GBモデルがなくなったことを思い出してしまいます。


本体サイズは縦240mm×横169.5mm×薄さ6.1mmで、重量はWi-Fiモデルが437gでWi-Fi+Cellularモデルが444g。これはiPad Air 2と全くの同サイズ&同重量です。


外観の大きな変化は以下の3つ。背面にあるiSightカメラと……


天面と底面の4カ所に配置されたステレオスピーカー


そして、専用キーボードのSmart KeyboardとiPad ProをつなぐためのSmart Connector


9.7インチiPad Proの外観をくまなくチェックしたい、という場合は以下のフォトレビューを見ればどんなタブレットになっているのかよくわかります。

9.7インチ「iPad Pro」開封の儀&速攻フォトレビュー - GIGAZINE


◆実際にベンチマークテストしてみた
9.7インチiPad Proには、12.9インチiPad Proと同じ64ビットアーキテクチャ搭載のA9XチップとM9コプロセッサが積まれています。「A9Xチップと言われてもよくわからない」という人も多いと思うので、実際に9.7インチiPad Proのパフォーマンスがどの程度なのかを確かめるべく、ベンチマークアプリのAnTuTu Benchmarkを使用してベンチマークテストしてみました。

ベンチマークテストの結果は以下の通り。総合スコアは「155979」で、スコアの詳細は3D「46126」、UX「52048」、CPU「47560」、RAM「10245」。


9.7インチサイズのiPadとしてはひとつ前のモデルに当たるiPad Air 2でもベンチマークテストしてみたところ、結果は「104801」。9.7インチiPad Proのスコアがいかに高いかがよくわかります。


12.9インチiPad Proの総合スコアは「169450」で、わずかに9.7インチiPad Proよりもスコアが高め。詳細スコアを見てみると3Dのみ約1万ポイントほどスコアを離されており、それがそのまま総合スコアの差になっています。他のスコアはどれも同等で、UXに至っては9.7インチiPad Proがスコアで勝っているので、2つのiPad Proは「ほぼ同等のスペック」といっても差し支えなさそうです。


◆より美しくなったディスプレイ
9.7インチiPad Proは解像度こそ 新しいiPad(第三世代iPad)以降のiPadと同じ2048×1536ピクセル(264ppi)ですが、これまでのiPadや12.9インチiPad Proにはない色再現力と、どんな光の下でも最適な明度や色で画面を表示する「True Toneディスプレイ」という機能が搭載されています。

この機能を使用したい場合は「設定」→「画面表示と明るさ」から「True Tone」をオンにすればOK。


実際に以下のムービーでは「True Tone」のオン/オフを切替えているのですが、オフにすると画面が全体的に青みがかり、オンにするとその青みがスッと消えるのがわかります。

9.7インチiPad Proの「True Tone」をオンにしたりオフにしたりする - YouTube


実際にTrue Toneがオンのまま他のiPadと9.7インチiPad Pro(いちばん右)の画面を見比べてみると、デジタル端末のディスプレイ特有の青みがかった感じをかなり軽減してくれるのがわかります。


◆4スピーカーオーディオ
iPad Proは端末の四隅にスピーカーがひとつずつ配置されています。この威力を確かめるべく、音ゲーの「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」をプレイしてみました。

iPad Proで「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」をプレイ - YouTube


iPad Proを正面に置いてスピーカーから音を鳴らすと、確かに左右両側から音に包まれるような感覚で、音の臨場感はかなりアップしている印象です。

◆進化したiSightカメラ
9.7インチiPad Proでは、インカメラの「iSightカメラ」12メガピクセルに進化しています。12.9インチiPad Proは8メガピクセルなので、9.7インチiPad ProのカメラはiPad史上最高のカメラといって間違いなしのクオリティ。これまでiPhone 6s/6s Plusでしか撮影できなかったLive Photosや4Kムービー(3840×2160、30fps)の撮影も可能。

9.7インチiPad Proで4Kムービーを撮影したい場合は、「設定」→「写真とカメラ」→「ビデオ撮影」から「4K/30fps」を選択すればOK。


あとはカメラを起動してムービーを撮影するだけで、いつでも手軽に4Kムービーが撮れます。


進化したiSightカメラで撮影した4Kムービーは以下の通り。YouTube画面の右下にある歯車アイコンの「画質」から2160p(4K)を選択すれば4Kムービーを再生できます。

9.7インチiPad Proで4Kムービーを撮影 - YouTube


タブレット端末はカメラの画質が悪いものも多いですが、9.7インチiPad Proは最新のiPhone 6s/6s Plusと同等のカメラを搭載しているので、カメラを起動して映し出される映像の精細さに驚かされます。もちろんタブレットよりもコンパクトなスマートフォンの方が持ち運びも便利でカメラとして使い勝手が良いのは当たり前なのですが、9.7インチiPad Proのカメラなら「持ち歩いてこれで撮影するのもありかも……」と思わせてくれるレベルです。

◆専用アクセサリの「Apple Pencil」&「Smart Keyboard」
さらに、iPad Pro専用のアクセサリである「Apple Pencil」と「Smart Keyboard」も購入したので一緒に使ってみます。


まずはApple Pencilをとりだしてみました。


Apple Pencilは普通のペンよりも少し長めで、だいたい9.7インチiPadのディスプレイ長辺と同じくらいの長さがあります。


というわけでさっそくお絵かきを……と思ったのですが、このままでは使用できないのでiPad ProとApple Pencilをペアリングする必要があります。


まずはApple Pencilのペン先とは反対側にあるキャップを外してLightning端子を出します。


これをペアリングしたいiPad ProのLightningポートに挿入。


すると、iPad Proの画面上に以下のような表示が出るので「ペアリング」をタップ。これでペアリングは完了です。


ペアリング設定があまりにも簡単すぎるので「これ、本当につながっているのか……?」と心配になるのですが、そんな心配も余所に、本物のペンと同じくらい滑らかに文字を書くことに成功。


実際に使ってみると、本物の鉛筆やペンなどで書いているのかと思うくらいに滑らかに線を引くことが可能で、これならメモ帳やスケッチブック代わりに持ち歩いても全く問題なさそうです。ただし、紙の上に線を引く際の抵抗などは感じられず、ツルツル滑る台の上にペンで落書きしているようなイメージでした。


9.7インチiPad ProにApple Pencilでお絵かきしている様子は以下のムービーで見られます。反応はとてもよく、思い通りの線が引けるので気になる人は是非とも一度使ってみて欲しいところ。

9.7インチiPad ProにApple Pencilでお絵かき - YouTube


そしてこちらは専用キーボードのSmart Keyboard。


裏面はこんな感じで起毛しています。


Smart Keyboardの端っこにこんな端子があるので……


これをiPad ProのSmart Connectorとパチリと接続。


Smart Keyboardを接続し、全て広げた状態が以下。


iPad Proを持ち上げて……


キーボード上部とiPad Proの側面をくっつけると……


Smart Keyboardを使用する準備完了です。


カバー部分が以下の様になって、iPad Proを支えてくれます。


キーピッチは12.9インチiPad Pro用のSmartKey boardよりも狭いですが、キーの押し心地はよく、これがあれば文字入力作業も楽々こなせます。


Smart Keyboardの優れた点はなんといってもバッテリー不要かつ使用時にBluetoothやWi-FiでキーボードとiPad本体を接続する必要がない点です。データと電力はすべてSmart Connector部分でやり取りされるので、Smart Keyboardを使用する際はiPad ProにつなげるだけでOKという超絶お手軽仕様です。スタンドを立ててキーボードを使用するまでの手間がいかに少ないかは、以下のムービーを見るとよくわかります。

iPad ProでSmartKey boardを使ってみた - YouTube


実際に9.7インチiPad Proを使用してみたところ、目新しい機能などはほとんどありませんが、iPad ProのApple PencilとSmart Keyboardや、iPhone 6s/6s Plusの4Kムービー撮影など、他のApple製品のいいとこ取りをした端末といった印象。また、何度使っても「12.9インチiPad Proは大きすぎる……」と感じてしまっていたので、このコンパクトさでキーボードや専用スタイラスペンを使用できるという喜びはなかなかに大きいものです。スペック的にも現行のiOS端末の中ではトップレベルなので、新しいiPadが欲しいと考えていた人や、ハイスペックなタブレット端末を探している人にはぴったりかもしれません。

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in レビュー,   モバイル,   ハードウェア,   動画, Posted by logu_ii

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