現地の人と部屋を貸し借りする「Airbnb」で部屋を借りたら隠しカメラで盗撮されていた

by Jon Senior

世界中の人と部屋を貸し借りするサービス「Airbnb」はホテルや宿泊施設に泊まることに比べて宿泊費を格安に抑えられることが人気で、日本国内でもサービスを展開しています。しかし、とあるAirbnbユーザーが「部屋の隠しカメラで裸の姿を盗撮されていた」として、Airbnbと部屋の貸主を訴えています。

Woman sues Airbnb after finding hidden camera in her rental | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2015/12/woman-sues-airbnb-after-finding-hidden-camera-in-her-rental/

Airbnbに登録されているカリフォルニア州のアパートの一室に宿泊したドイツ人女性のYvonne Schumacherさんは、部屋で裸の姿を隠しカメラに撮られたとしてAirbnbを提訴しました。Schumacherさんは裸姿だけでなく、パートナーのKevin Stocktonさんとの親密な会話も録画されていたと主張し、部屋の持ち主であるFariah HassimさんとJamil Jivaさんのことも訴えています。

Schumacherさんの弁護士は、「Schumacherさんは英語が達者ではなく、Airbnbの予約はStocktonさんが代わりに行なった」と語っています。申し立てによれば、SchumacherさんはAirbnbでレンタルした部屋に1カ月ほど滞在。宿泊中、Schumacherさんは夜眠る際に衣服を何も身につけずに過ごしていました。就寝前にドアや窓をしっかり施錠していたので、Schumacherさんはカメラを発見するまで、自分が盗撮されていることには全く気付かなかったそうです。

滞在中のある日、Stocktonさんはリビングの棚から謎の光が漏れていることに気付きました。棚をよく調べたところ、棚に置いてあるロウソクの間にリモートコントロール可能なカメラが設置してあったそうです。StocktonさんはIT技術に詳しかったため、カメラの様子を見て「カメラが起動中で、広角レンズでリビングの様子を広く捉えている」と分かったそうです。カメラが盗撮した映像を見てみると、Schumacherさんが部屋の中を裸で歩いている様子や、2人が話している会話の内容までもが撮影されていました。また、リモートでカメラを操作することが可能だということも実証されたとのこと。

by Jenavieve

盗撮されていたという事実を受けてSchumacherさんは、「部屋の中を裸で歩き回っていた様子が盗撮されていたことに深く屈辱を受けた」と怒りをあらわにしています。また、カメラがリモート操作可能だったため、Schumacherさんは盗撮された自身の映像がネット上で拡散することを恐れていて、「Airbnbが部屋や貸主に対する調査を怠り、貸主のHassimさんとJivaさんはプライバシー保護に関する法律を破って借り主に苦痛を与えた」として訴えを起こしました。告訴状には、「いくつかの証拠が示している通り、部屋の貸主がカメラを使ってSchumacherさんたちの姿や会話内容を傍受していた」と記されていますが、証拠の詳細に関しては触れられていません。

なお、Airbnbの広報担当は、「Airbnbはプライバシー問題を非常に真剣に受け止めています。Airbnbで部屋を貸し出したいユーザーは、部屋の状態が現地の法律に準じていることと、ゲストのプライバシーを尊重するという誓約を行う必要があります」とコメントしています。