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【訃報】「火垂るの墓」「アメリカひじき」の直木賞作家・野坂昭如さん死去


戦中・敗戦直後の自身の経験を題材とした小説「火垂るの墓」「アメリカひじき」で直木賞を受賞した作家であり、童謡「おもちゃのチャチャチャ」で日本レコード大賞童謡賞を受賞した作詞家でもある野坂昭如さんが亡くなりました。85歳でした。

野坂昭如オフィシャルホームページ
http://nosakaakiyuki.com/index.html


直木賞作家の野坂昭如さんが死去 85歳| ytv 読売テレビ ニュース&ウェザー
http://www.ytv.co.jp/press/mainnews/TI20194295.html

「作家の野坂昭如さん死去、「火垂るの墓」で直木賞」 News i - TBSの動画ニュースサイト
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2655333.html

野坂さんは1930年(昭和5年)10月10日、鎌倉市生まれ。神戸に養子に出されますが、1945年の神戸大空襲で養父が亡くなり上京。1947年に、窃盗で少年院に送られたところを実父に引き取られて旧制新潟高校に入りました。


1950年に早稲田大学第一文学部仏文科に入学。7年間在籍していたこの時期にやったアルバイトの中で、CMソングやコント、テレビの台本などを書くようになり、CMソングの作詞家として活躍するように。作曲・いずみたくとのコンビで、パルナス製菓のピロシキ「パルピロ」などが知られています。

パルナス - YouTube


野坂さんの作詞で知られるものの1つが「おもちゃのチャチャチャ」(作曲:越部信義)。もともとは1959年に音楽バラエティ番組のために作ったものですが、アレンジされてNHKの幼児向け音楽番組「うたのえほん」で流れたところ大ヒット。1963年の第5回日本レコード大賞で童謡賞を受賞する作品となりました。

1967年には、戦中・戦後の自身の経験をもととして書いた小説「火垂るの墓」「アメリカひじき」で第58回直木賞を受賞。「火垂るの墓」は、のちにスタジオジブリの高畑勲監督によってアニメ映画化され、宮崎駿監督の「となりのトトロ」と同時上映されました。現在でこそ巨匠として知られる高畑監督・宮崎監督も当時は一般的な知名度がそこまで高くなく、成績は芳しくありませんでしたが、評判は良くキネマ旬報の日本映画ベストテンで6位に選ばれました。

アメリカひじき・火垂るの墓 (新潮文庫) | 野坂 昭如 | 本 | Amazon.co.jp


野坂さんは「火垂るの墓」で得た印税を、現代日本文学・絵画・音楽などを紹介する「東西南北縦横斜めの会」発足に使用。会には詩人の田村隆一、芥川賞作家の丸谷才一、直木賞作家の司馬遼太郎、紫綬褒章受章者で芥川賞作家の田辺聖子らが参加し、「幻の雑誌」と言われる「Zasshi」を発行しました。

Zasshi | 野坂 昭如, 東西南北縦横斜めの会 | 本 | Amazon.co.jp


1999年に「同心円」で吉川英治文学賞を、2002年に「文壇」で泉鏡花文学賞を受賞。2003年に脳梗塞で倒れてからはリハビリ生活を送っていました。

作家・作詞家だけではなく政治家・歌手・タレントなど幅広い活躍で知られる野坂さんですが、よく知られるエピソードの1つが2013年に亡くなった映画監督・大島渚さんとの「殴り合い」。これは大島さんの結婚30年目(真珠婚)パーティーで野坂さんの祝辞の順番が飛ばされてしまい、後半になって酩酊して登壇した野坂さんが祝辞を読み終えると同時に大島さんに殴りかかり、大島さんも応戦したという事件。原因は、大島さんが野坂さんの名前を読み上げるのを忘れた、あるいは野坂さんが帰ったと勘違いしたなどと言われていますが、後日、お互いに謝罪して和解したとのこと。

野坂昭如と殴り合う大島渚 - YouTube


もう1つは「作家はどういう気持ちでこの作品を書いたか?」という国語の問題が出たとき、作家に向かって娘が聞いたところ「締切に追われてヒィヒィ言いながら書いた」と答えたエピソードで、「火垂るの墓」を書いた当時の多忙な野坂さんのことであるというものです。実際、野坂さんはこのエピソードを語ることがあったそうですが、この「作家」は小林秀雄であるという説もあり、確かなところは不明です。

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in メモ, Posted by logc_nt

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