【訃報】人間国宝の落語家・桂米朝さん死去

上方落語界を代表する落語家であり、人間国宝・文化勲章受章者の三代目桂米朝さんが亡くなりました。89歳でした。

桂米朝｜米朝事務所
http://www.beicho.co.jp/profile/beicho.html

米朝さんは大正14年(1925年)11月6日、満州・大連生まれ。昭和18年(1943年)5月に作家で寄席研究家の正岡容に師事し、昭和22年(1947年)9月、四代目桂米團治のもとに入門しました。落語家としては、大ネタの「地獄八景亡者戯」をはじめ、「高津の富」「住吉駕籠」「猫の忠信」「崇徳院」など数多くの噺を持ちネタとしており、多くのDVDやCDを残しました。また、落語研究家としての顔も持ち、すでに高座にかけられることのなくなっていた古い話を聞き取ったり構成し直すなどして、前述の「地獄八景亡者戯」や「算段の平兵衛」「風の神送り」「矢橋船」などの噺を甦らせました。

昭和42年(1967年)から関西テレビのワイドショー「ハイ！土曜日です」の司会を担当。このほかに「味の招待席」などのテレビ番組、「題名のない番組」「米朝よもやま噺」などのラジオ番組でも活躍。

平成8年(1996年)5月に重要無形文化財保持者(人間国宝)認定を受け、平成14年(2002年)11月には文化功労者顕彰、平成21年(2009年)11月には文化勲章を受章しています。

晩年まで長く活躍を見せていましたが、2013年8月に肺炎で入院して以降はあまり姿を見せることはなくなっていました。

「地獄八景亡者戯」には、古今東西の落語の名人が上がる地獄の寄席が登場。その小屋の前には「桂米朝 近日来演」の札が掲げられている、という自虐ネタを長らく演じていた米朝さんですが、その「来演」がずいぶんと先延ばしになった形です。