ガンバ大阪の募金約140億円で作ったサッカー専用スタジアムがどれだけ凄いかよく分かる写真いろいろ
ガンバ大阪が2015年までホームスタジアムとして使用してきた「万博記念競技場」は、老朽化が進んでおり、FIFAの定める国際規格も満たしていません。そこで、ガンバ大阪は2008年から新スタジアム建設に向けて動き出しており、最終的にスタジアム建設募金として集まった140億8566万5393円を使って新スタジアム「市立吹田サッカースタジアム」が建設されました。
2015年10月10日に竣工イベントが開催されたばかりでまだサッカーの試合が開催されたことはないのですが、既に「ヨーロッパのサッカースタジアムみたいにスゴイ!」ということでネット上やサッカーファンの間で話題になっています。そんな新スタジアムの見学会が2015年11月14日・15日にあり、無料で誰でもスタジアム内の3階コンコースとスタンドの一部に入れるようになっていたので、実際に国内最新のスタジアムの凄さを体感し、パシャパシャ写真を撮りまくってきました。
新スタジアムのスタンドからの眺めがどれくらい圧倒的なのかは以下のムービーを見れば分かります。
スタンド最前列から見たガンバ大阪の新スタジアム - YouTube
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http://www.field-of-smile.jp/
吹田市|市立吹田サッカースタジアム
http://www.city.suita.osaka.jp/home/soshiki/div-chiikikyoiku/sports/_65048.html
◆外観
これが市立吹田サッカースタジアム。万博記念競技場の側にある「公園東口」駅から南に1kmほどの場所にあります。
駅から南下していくとこんな感じで木々の中から新スタジアムが顔を出します。
スタジアムに到着する前に先日オープンしたばかりのEXPOCITY(エキスポシティ)を通過。
そしてスタジアムの北側からコンニチハ。
新スタジアムの北側面はこんな感じで無機質な大階段やスロープらしきものがズラズラっと伸びまくり。直線的なデザインがとても印象的です。
その下に「TICKET」と書かれた当日券売り場らしき場所を発見。
北側にある大階段は封鎖されていました。この大階段を上がると3階エリアにアクセスでき、折り返してさらに上に行くことも可能。
スラーっとのびるスロープらしきもの。北側にはスタジアムの中が見えるような窓はとても少ないです。
北側からはスタジアム内に入れないようになっていたので、案内に従ってぐるっとスタジアム南側に回ります。
スタジアムの西側面にも階段アリ。ただし、これは北側にあったものの半分以下のサイズでした。
この階段の下に臨時の駐輪場が設けられており……
自転車の隙間からスタジアム内がチラリ。ピッチレベルは外の地面と同じ高さのようで、それよりも少しだけ高い位置に観客席があるようですが、これは実際に中に入ってみないとはっきりとは分からなさそう。
スタジアム南側に回ると北側にあったものと同じくらいのサイズの大階段がお目見え。見学当日はここからスタジアム内に入れるようになっていました。
スタジアムの南側を正面からみるとこんな感じで、北側とは打って変わって階段やスロープはほとんど見えないようになっています。どうやら新スタジアムの「正面」は南側になるようで、この南側に階段が伸びないように設計されている模様。なお、見学した段階ではスタジアムの外壁にはスタジアム名のプレートなどは飾られておらず、どこか物足りない雰囲気になっていました。
新スタジアムと万博競技場の全景を比べてみるとこんな感じ。新スタジアムは外からみてもサッカースタジアムっぽい見た目であることがよく分かります。
新スタジアム正面の右手(東側)にも大階段。スタジアムの東側にはビジター自由席(アウェイ自由席)があるので、ガンバサポーターは西側の階段、アウェイサポーターは東側の階段からスタジアムに入場する、ということになるのでしょうか。
大階段正面はこんな感じ。ここが1番多くのサポーターが出入りする階段になりそう。
対して、万博競技場のスタジアム内へ続く階段がコレ。新スタジアムの大階段がいかに巨大化し、一気に大人数をさばけるようになったかが一目瞭然。
というわけでレッツ見学会。
大階段は地上から一気に3階まで上がる必要アリ。
階段はコンクリートではなく金属製。出来たてほやほやなのでテラテラ光り輝いています。
階段を上りきったところからスタジアム前の広場を見るとこんな感じ。広場はかないのスペースが確保されており、奥には万博記念公園南駐車場も広がっています。
大階段を上ったところにあるスタジアムへの入り口がコレ。これは階数で言うと「3階」になり、「GATE1」と名前が割り振られていました。GATE1にはガラスの扉が大量に並んでいるので大人数が一気に入ることも可能そうですが、扉ひとつひとつは人がひとり通れるくらいの通常サイズのもの。
奥には3階よりも上の階に行くための階段がありますが、見学当日は3階コンコースのみ見学可能でした。
ここからスタジアム内へ潜入!
◆内観
ようやくスタジアム内に入れるわけですが、スタジアム内のどこがどんな風になっているのか分かりやすいように、まずはスタジアム内のマップをチェック。入り口はスタジアムの四隅にGATE1~4の4つがありますが、見学時に開放されていたのはGATE1のみ。GATE1は以下の地図左上にあり、紫色に塗られている部分がメインスタンド(南)、水色部分がホーム側のゴール裏(西)、黄色部分がバックスタンド(北)、オレンジ色部分がアウェー側のゴール裏(東)。地図を見ると分かる通り、スタジアム3階のコンコース(大通路)には大量のトイレが配置されているのも特徴です。
・GATE1前にあるカテゴリー3シート(A1A2)
というわけで、GATE1を入ったところにあるカテゴリー3(A1A2)シートから見ていきます。
GATE1を入ってすぐのところに人だかりができており、「スゴイ!」という歓声があちこちから耳に飛び込んできます。
その先には新スタジアムのピッチがどーんと待ち構えていました。サッカー専用スタジアムだけあって観客席とピッチがべらぼうに近いのが一目瞭然。このエリアはちょうどメインスタンドとゴール裏の間にあるので、ピッチを斜め45度から眺められ、かつガンバ大阪のコアサポーターが陣取るであろうホーム側ゴール裏のすぐ側なので応援時は白熱すること間違いなし。タッチラインが描かれていないので実際のところスタンドからピッチまでどれくらいの距離なのかは目視では分かりませんが、ピッチからスタンドまでの距離は国際基準ギリギリのメイン・バックスタンドから7メートル、ゴール裏から10メートル。なお、収容可能人数は4万人です。
万博競技場のピッチの眺めはこうでした。ピッチまでの距離感がいかに違うかよく分かります。
シートはこんな感じ。もちろんドリンクホルダー完備です。
GATE1をくぐったところが人だかりのできている3階入り口部分。その上に4、5、6階席があるわけですが、ここにはスタジアム外にある階段でアクセスする模様。5階と6階はスタジアム内に小さな階段が設けられていますが、4階と5階の間に階段はなさそうです。
GATE1の側にはエレベーターもあるので「階段で上るのは大変」という子ども連れやお年寄りでも安心して観戦できます。
・ゴール裏(ホーム自由席)
続いてホーム側のゴール裏。
ゴール裏からピッチを背景にして記念撮影している人を発見。確かにゴール裏は試合観戦時はアウェーゴール側が見にくいものの、記念撮影などではピッチ全体とメインスタンドやバックスタンドも入って良い感じの写真が撮れそう。そんなわけでゴール裏からの眺めをさっそくチェック。
ゴール裏ど真ん中。
ゴールを見下ろすとこんな感じ。陸上トラック付きのスタジアムとは比較にならないくらいにピッチまでの距離が近いです。
斜めから。シートの勾配はなかなか急で、ピッチまで近いのに視点は想像以上に高め。
ホーム側のゴール裏ということで、たくさんの人たちがここからピッチをじっくり眺めていました。「来シーズンはここから応援するのか……」と感慨にふけっているのでしょうか……?
とにかくゴールまでの距離が近いので、最前列での観戦はトンデモなくど迫力なものになりそう。
反対側からホーム側のゴール裏を見るとこんな感じ。スタジアム内で3階から4階に上がれるのは恐らくここだけ。
階段はこんな感じで見学時は封鎖されていました。
万博競技場ではメインスタンドにしか屋根がなかったのですが……
ゴール裏の周りには風や雨を遮るものが何もありませんでした。
しかし、新スタジアムはすべてのスタンドに屋根がついており、加えてピッチと観客席をぐるっと囲むように壁もあるので、「万博競技場のように吹きざらしになって風の強い日は異様に寒い」といったこともなさそうです。
別アングルから見てみると1番上の5、6階席には2つをつなぐ階段が設置されていることが分かります。
さらに別アングルから。1番上の席とピッチではかなり高低差があるのですが、ピッチからの距離はそれほど開いておらず、その眺めがどんなものになるのか非常に気になるところ。
3階シートがずらー。試合中もガンバ大阪を応援し続けるコアサポたちが大量にやってくるであろうエリアなので、ガッツリ応援に参加しながら試合を観戦したい、という人はここに陣取ると良さそう。
そして、ホーム側のゴール裏にある大型ビジョンはもちろんPanasonic製。
ゴール裏のコンコースはこんな感じ。
天井はぶち抜かれているのですが、他のコンコースにはしっかり天井がはられていました。
シャッターが降りている場所多数。ここに飲食店などが入るのでしょうか?
対して万博競技場内の飲食店はこんな感じでした。人だかりで通路がふさがれてしまい移動にはとても不便。新スタジアムのコンコースはとにかく広い作りになっているので、この辺りの問題が解決されることを祈ります。
ホーム側のゴール裏左右両端にはスタジアム建設募金への寄付者の名前が彫られたレリーフ。多くのガンバサポーターやガバ女さんたちが自分の名前を探していました。
・バックスタンド
最もたくさんの観客席がありそうなバックスタンド側をチェック。
バックスタンドの全景はこんな感じ。
角にあるシート(カテゴリー3)。
角からピッチを見るとこんなかんじ。ゴール裏とバックスタンドの間に位置するので、ゴール裏の熱い応援を側で感じながら試合観戦できます。
3階コンコースには車いす用のスペースが設けられており……
これはバックスタンド・アウェー側ゴール裏・メインスタンドへと伸びており、ホーム側のゴール裏以外はすべて車いす用のスペースになります。これだけ大量に車いす用のスペースを設けているスタジアムはなかなかなさそう。
また、新スタジアムの角部分には入り口&階段があるので、上層エリアに向かう際や下に降りる際はスタジアムの角を目指せばOK。
バックスタンド真ん中からピッチを眺めるとこんな感じ。
バックスタンドの端からだとこう。
バックスタンドとピッチの間は7メートル。
ピッチ脇の色が薄くなっている部分が人工芝で、中の濃い緑色部分が天然芝。タッチラインが描かれていないので実際のところスタンドからピッチまでどれくらいの距離なのかは目視では分かりませんが、ピッチは天然芝なので「天然芝エリアよりも少し小さいくらい」と考えておけば良さそう。
3階エリアで最も多くのシートが詰め込まれているのがバックスタンド。4階シートだけ独立しており、5、6階はスタジアム内に階段があります。
3階エリアから階段を降りてピッチ脇へ行きたいところですが、今回は封鎖されているので我慢我慢。
さらに別アングルから。1番上の席ともなるとかなり高さがありそう。シートの勾配も強めでメインスタンドやバックスタンドから試合を観戦するとTV中継のように見やすい視点になりそう。
5、6階はスタジアム内の階段でテクテク上る感じ。
もちろんバックスタンドにも屋根があります。
バックスタンド側のコンコースはとても広くて開放感抜群。
対して万博競技場のコンコースはこんな感じで、スタジアム内のコンコースから上層エリアにアクセスできるようになっていました。新スタジアムではそれとは対照的に、スタジアム内から上層エリアにはアクセスできないようになっています。
新スタジアムのコンコースにはいろんなインフォグラフィックが掲示されており……
車いす用のトイレ
授乳室
救護室など、ゴール裏側のコンコースにはない設備も複数あります。
天井はこんな感じ。
柱の陰に消火器もありました。
・ゴール裏(ビジター自由席&ファミリーシート)
次はアウェー側のゴール裏。ここにはファミリーシートもあるので、親子でまったりサッカー観戦したい人はこの辺りをチェックしておくと良さそう。
全景はこんな感じ。他のエリアと同じく3、4、5、6階にシートがあります。
アウェー側ゴール裏からの眺め。「ホームスタジアムがサッカー専用スタジアムではない」というアウェーチームのサポーターは、ここからの眺めに何を思うのでしょうか……。
シート
南側(メインスタンド側)には柵があります。
4階部分にはガラス張りのエリアがあり、ここは「Vシート60」というVIPフロアになっています。
アウェー側ゴール裏のみ屋根がガラス素材になっており空が見えるようになっています。
屋根がシートをすっぽり覆っているので、雨の日でも大部分のサポーターがかっぱを着用しなくてすむかも。
コンコースは他と同じく広々としていますが……
他よりもたくさんトイレがあるのが特徴です。
コンコースからピッチを見るとこう。
アウェー側のゴール裏にも車いす用のスペースがあります。
アウェー側の出入り口となるであろうGATE2。奥にはエキスポシティがちら見えしています。
このGATE2上部にも大型ビジョンがあるので、スタジアム内には2つ大型ビジョンがあるというわけ。
・メインスタンド
控えの選手や監督が陣取るベンチの真後ろから試合が観戦できる「エキサイティングシート」があるメインスタンド。
メインスタンド全景はこんな感じで、見学当日に唯一下層エリアに降りてピッチすぐ側のシートに座ることができるようになっていました。
メインスタンド側コンコースからピッチを見るとこんな感じ。
というわけでさっそく下に降りてみることに。
一般のシートはこんな感じ。シートの後ろにドリンクホルダー付き。
万博競技場のシートは背もたれがありませんでした。
シートの間隔は狭め。
下層エリア中段あたりからの眺めはこんな感じ。
ここはメインスタンド中央最前列にある「エキサイティングシート」。
何と目の前に選手ベンチがあるので、選手や監督とほぼ同じ視点から試合を観戦できるようになっています。
万博競技場では選手ベンチとスタンドの距離がこれくらい離れていたので、これも衝撃。
別アングルで選手ベンチ付近を見るとこう。選手や監督が座るベンチといかに近い距離で試合を観戦できるかがよく分かります。
エキサイティングシートのシートにはクッションが張られており、他のシートよりもワンランク上であるようです。
エキサイティングシートからの眺めはこう。とにかくピッチとの距離が近く、目の前の選手ベンチが視界に入ってくるので、試合観戦中にはもしかすると監督の指示なんかも聞こえてくるかも。
メインスタンドの最前列はエキサイティングシートよりも2、3シート分だけピッチに近いです。
そこからピッチを眺めるとこんな感じ。「ゴールバーより目線が低いのでは?」と思っていたのですが、アウェーゴール裏のゴールバーが最前列のシートよりも高い位置にあることが分かるので「まさに選手と同じ目線」で試合観戦ができそう。
実際にムービーで最前列からの眺めを撮影するとこんな感じになりました。
スタンド最前列から見たガンバ大阪の新スタジアム - YouTube
メインスタンドの中央には選手ベンチがあり、真横で試合観戦することも可能。
ベンチの屋根は透明な素材が使用されているので、ベンチの中が丸見え。
ピッチとのこの距離間がとにかく近くてガンバサポーターの皆さんも興奮気味。
メインスタンド中央には「GAMBA」の文字。
3階シートがズラリ。
上層エリアには実況席やテーブル席があります。
もちろんメインスタンドにも屋根。
屋根に付いているのはLED投光器。Panasonic製のものだそうで、点灯消灯が非常に素早く話題になりました。
メインスタンド側のコンコースはこんな感じ。
ここで人だかりを発見。
何かと思って見てみると、新スタジアムの模型が展示されていました。
コンコースからの眺めも抜群。もちろん車いす用のスペースも完備。
見学当日はメインスタンド側のコンコースにあるトイレだけ開放されていました。
できたてほやほやなのできれい。
そんなわけで新スタジアム内をぐるりと一周堪能しまくってみたわけですが、「とにかく新しい!」「ピッチが近い!」「早くここで試合を観戦したい!」というのが率直な感想。ピッチとスタンドの距離感やコンパクトさも目を見張るところで、さらにスタジアム3階をぐるりと一周できるようになっている巨大なコンコースや、そのコンコースからもピッチが見えるような開放的な設計など見どころは盛りだくさん。「トイレに行ってる間に試合始まっちゃったよ!」となってもコンコースからチラチラ試合をチェックすることができそう。また、コンコースに多数設置された車いす用のスペースや授乳室、救護室、エレベーターなど、さまざまな観客層を意識したユニバーサルデザインにも目を引かれます。
といった具合に、文字で伝えたいことは山ほどあるのですが、とにかく「実際にその目で確かめて欲しい」というのが正直なところ。どこのスタンドから見てもこれまでにないアングルからの試合観戦になること間違いなしで、ここでガンバ大阪の試合だけでなく国際試合が行われることになると思うと本当に胸が高鳴ります。そんなガンバ大阪の新スタジアム「市立吹田サッカースタジアム」ですが、2016年2月にこけら落とし試合を開催予定なので、気になる人はこちらも要チェックです。
・つづき
サッカー観が一変するガンバ大阪の募金140億円で作った新スタジアム観戦ガイド - GIGAZINE
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