サイエンス

コーヒーを飲んでいる人は死のリスクが低い、最も生存率が高くなる飲み方は?

by Magalie L'Abbé

コーヒーの摂取には不眠症の解消や脳の活性化など健康上のメリットがあることが既に分かっていますが、20万人を対象に行われた新しい研究によって、コーヒーを飲む人は飲まない人に比べて心血管疾患や神経性疾患、糖尿病などにかかりにくく、自殺のリスクも低いことが判明しました。

Association of Coffee Consumption with Total and Cause-Specific Mortality in Three Large Prospective Cohorts
http://circ.ahajournals.org/content/early/2015/11/10/CIRCULATIONAHA.115.017341.abstract

Coffee drinking linked to lower mortality risk—again | Ars Technica
http://arstechnica.com/science/2015/11/coffee-drinking-linked-to-lower-mortality-risk-again/

今回の調査は、過去に行われた3つの大規模な臨床試験の結果を分析したもの。臨床試験では被験者たちに食生活に関するアンケートが配布され、30年間にわたって生活が観察されました。現時点で、臨床試験の被験者のうち、既に約3万人が亡くなっているとのこと。

20万人の被験者のデータを調べたところ、総合的に見るとコーヒーを毎日1~5杯飲む人は、コーヒーを飲まない人に比べて5~9%も若年における死亡率が低いことが判明。研究を率いたHarvard T. H. Chan School of Public Healthのフランク・フー教授は、「これまでの研究や今回の研究によって、コーヒーを飲むことが健康的なライフスタイルにつながることが示されました」と語っています。

by raph.ae/

また、過去の研究で「適度なコーヒーの摂取は死亡率を下げる」というところまでは分かっていたのですが、コーヒーをたくさん飲むことが健康にどう関わってくるのかは明らかになっておらず、コーヒー愛好家は喫煙率が高いことも調査の障害になっていました。そこで、今回の研究は「コーヒーをたくさん飲むこと」と「喫煙」という点にも着目。

すると、非喫煙者が1日3~5杯のコーヒーを飲んだ場合は若年における死亡率が15%下がり、非喫煙者が5杯以上のコーヒーを飲んだ場合にも死亡率が12%低下することが分かりました。つまり、コーヒーによるメリットを最も受ける飲み方は「1日3~5杯のコーヒーを摂取すること」で、喫煙の影響を排除した場合、適度にコーヒーを飲む人よりは健康上のメリットが少し小さくなるものの、1日に5杯以上のたくさんのコーヒーを飲んでも健康に悪影響を及ぼすことはないということ。マイアミ大学のガードナー教授は、コーヒーをたくさん飲む人について「コーヒーを適度に飲む人と同じような健康上の利益を得られる」と語っています。

by Nic Taylor

さらに研究を進めた結果、コーヒーの摂取は心血管疾患や神経性疾患、自殺のリスクを低くすることも判明。ただし、「コーヒーは肝臓ガンにはつながりがある」という研究結果も存在しますが、今回の調査では関係が明らかにならなかったとのこと。

なお、「コーヒーが健康によい影響を与える」ということは分かっているのですが、コーヒーに含まれる何が人間の体に作用しているのかは不明で、今後の調査で明らかになっていくと見られています。

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in サイエンス,   , Posted by darkhorse_log

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