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IntelがiPhone向けチップを製造か、1000人規模の人員を投入していることが判明

By Josh Bancroft

2016年に登場が予想されるAppleの次期iPhone「iPhone 7(仮称)」に、Intel製のLTE対応モデムチップ「XMM 7360」が搭載される可能性が高まってきました。Intelではこのチップの開発に1000人規模の開発チームを投入しており、状況次第ではさらに重要なSoCの製造を手がける可能性も浮上しています。

Intel has 1,000 people working on chips for the iPhone | VentureBeat | Mobile | by Mark Sullivan
http://venturebeat.com/2015/10/16/intel-has-1000-people-working-on-chips-for-the-iphone/

テクノロジー系のニュースメディアVentureBeatが業界関係者からの情報をもとに報じたところによると、Intelは2016年に登場するとみられるAppleの新型iPhone向けにLTE通信モデムチップを供給すべく、体制を整えているとのこと。すでに1000名規模の人員が投入されており、Intelからも重要な開発陣がAppleに移籍(出向)するなど、密接な体制がとられていることも判明しています。

iPhone 6s/6s Plusでは全ての端末でQualcomm製のモデムチップが搭載されていますが、Appleでは今後、複数のサプライヤーから供給を受ける方針を固めているとみられており、今回の報道はそれを裏付けるものとなりそう。新型iPhoneではQualcom製とInte製のLTEチップを搭載することになりそうですが、どの程度の比率で供給することになるのかは不明です。

Intelのブライアン・クルザニッチCEOは業績発表会の席で、年内には7360 LTEチップの出荷が開始され、同チップを搭載した製品が来年にも登場すると明らかにしています。


iPhoneへの採用が取り沙汰されているIntel XMM 7360は、LTE Cat.9とCat.10規格に対応し、最大で450Mbpsという下り方向通信速度に対応するというLTE通信モデムチップ。2015年3月にスペイン・バルセロナで開催された世界最大のモバイル技術展示会「Mobile World Congress 2015 (MWC 2015)」で発表されていたものです。

Intel® XMM™ 7360 Modem Platform Brief
http://www.intel.com/content/www/us/en/wireless-products/mobile-communications/xmm-7360-brief.html


2015年3月には既にIntel製チップの可能性が報じられており、今回の報道はこの動きが着実に進められていることを示していると見られています。

iPhones will ship with Intel LTE chips inside in 2016 | VentureBeat | Mobile | by Mark Sullivan
http://venturebeat.com/2015/03/10/iphones-will-ship-with-intel-lte-chips-inside-in-2016/

さらに業界関係者の話によると、Appleは、iPhoneのAxプロセッサとLTEモデムチップの両方を統合したSoCの導入をも視野に入れている模様。SoCの設計はAppleが自社で行い、LTEモデムの技術についてはIntelからライセンス供与を受けることを検討していると報じられています。

また、Intelでは同社が持つ14nm製造プロセスを用いてこのSoCの製造を担当するとも伝えられています。iPhone 6sシリーズではSamsungとTSMCの2社がA9チップの製造を担当していますが、いずれも20nmプロセスルールによるものとなっており、Intelの14nmプロセスルールはこれを上回る高い集積度を可能にするものとみられています。さらにIntelでは10nmプロセスルールでの製造をも視野に入れていることからも、Appleが高い関心を示している模様。

Intelの7360チップは、ドイツ・ミュンヘンにあるIntelの施設で開発されたもの。この施設はかつてモデムメーカーのInfineonが所有していたもので、2011年にIntelがInfineonを買収して以降もIntelの研究施設として使用されています。InfineonはIntelに買収される2011年まで、iPhoneに3Gモデムを供給していました。


両社の間では技術者の移動が活発化しているようで、Appleの技術者がミュンヘンを訪れて7360チップの最適化を進めたり、Intelからも重要な開発陣がAppleと密接に関わって開発を行っている模様。何名かの要職者はAppleの機密事項を取り扱う立場になるため、IntelからAppleに出向する形で作業にあたっているとも伝えられています。

iPhoneに搭載されるデバイスをめぐっては、Samsung製とTSMC製でA9チップの性能がわずかに異なるというニュースが報じられたばかりなので、Intelと同じ立場におかれるQualcommがどのようなデバイスを供給することになるのか、こちらにも注目が集まりそうです。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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