ハードウェア

TSMCが3nmプロセスによる量産体制に入ったという報道、2nmプロセスは2025年頃に展開か


Appleと提携して「Apple Silicon」シリーズを生産するTSMCが、2022年後半に3nmプロセスであるN3ノードでチップを量産できる体制を整えたと報じられています。またTSMCが2nmプロセスであるN2ノードによる大量生産を2026年までに行うことを明らかにしたとのことです。

TSMC on track to move 3nm process to volume production in 2H22
https://www.digitimes.com/news/a20220415PD212.html

TSMC on Track to Start 3nm Chip Production in Second Half of This Year - MacRumors
https://www.macrumors.com/2022/04/15/tsmc-to-start-3nm-chip-production-2h22/

TSMC: 2nm Chips Arriving in 2026 | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/news/tsmc-2nm-chips-to-be-available-in-2026

ハードウェア関連ニュースサイトのDigiTimes Asiaによると、TSMCはN3ノードで毎月3万~3万5000枚のチップを生産する予定だとのこと。また、TSMCのC・C・ウェイCEOは2022年4月14日に行われた電話会議の中で「N3ノードは、ハイパフォーマンス・コンピューティングとスマートフォンの両方に牽引されると考えています」と発言したと、DigiTimes Asiaは伝えています。

ウェイCEOは2021年4月に「3nmプロセスの大量生産を2022年に行う」と宣言しており、半導体不足やコロナ禍の中でTSMCは予定通りに大量生産体制を整えたことになります。

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また、ウェイCEOは、N2ノードがFinFETではなくゲートオールアラウンド(GAA)技術に依存する技術であることを明らかにしました。ウェイCEOによると、2024年末にN2ノードのリスク生産を行い、2025年末に向けてN2ノードの量産体制を整えるとのこと。つまり、N2ノードによるチップが市場に出回るのは2026年頃になります。

ハードウェア関連ニュースサイトのTom's Hardwareは「TSMCはN3ノードとN2ノードの進捗(しんちょく)について、かなり慎重なアプローチを取っています」と指摘。TSMCがGAA技術を採用したN2ノードを展開するのが2025年としている一方で、TSMCの競合企業であるSamsungは3nmプロセスでGAA技術を採用した「3GAEノード」によるチップの生産を2022年に行う予定としています。また、Intelは2024年にGAA FETを実装した「Intel 20Aノード」による大量生産を行うと発表しました。

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GAA技術は開発途上の技術であるため、技術開発が進んでいるFinFETと比較するとリスクが高いといえます。Tom's Hardwareは、「2025年はTSMCが使っているEUVリソグラフィー装置を使い続けてちょうど6年目です。つまり、TSMCは2025年までFinFETがあと数年通用すると考えていて、リスクを冒してGAA技術を採用しようとはしないでしょう」と述べています。

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in ハードウェア, Posted by log1i_yk

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