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「退屈検知器」としてのスマホの使い方

by Sarah

スマートフォンのユーザーが最後にメールや電話を行ってからどれくらい時間を経過しているか、ということや、使用頻度・使用時間などから、「ユーザーが退屈しているか」を検知できるアルゴリズムが開発されました。

Smartphones Can Detect Boredom and Push Content to Relieve It | MIT Technology Review
http://www.technologyreview.com/news/540906/your-smartphone-can-tell-if-youre-bored/

このアルゴリズムはスペイン・バルセロナのTelefonica Research and Developmentの研究者らによって開発されたもの。アルゴリズムの開発に当たって、研究者らはまず「退屈とは何か」を定義することから始めました。独自のアプリを使って、1日に数回、2週間にわたって、被験者に「現在の退屈レベル」を評価してもらい、後にデータを各ユーザーの「何個のアプリを利用しているか」「どのくらいの頻度でスマートフォンを触っているか」といった情報と比較したところ、スマートフォンの使用頻度が高く、利用しているアプリの数が多いユーザーほど退屈度が高いことが判明します。

by Esther Vargas

そして、上記のデータを踏まえ、ユーザーが「退屈しているかどうか」「いつ退屈か」を判断し、「退屈アラート」としてユーザーにBuzzFeedの記事URLを送るAndroidアプリをさらに開発。被験者に対して退屈を検知するAndroidアプリを2週間使ってもらったところ、退屈であると見なされた人は、ランダムにアラートを送られた人よりもURLをクリックして実際に記事を読む傾向が高かったとのこと。

現在でもアプリがユーザーの好みを把握してオススメ情報を提供する、という試みは多方面で行われていますが、さらにここに「退屈検知器」としての機能が加われば、退屈を打開するのに最適なコンテンツをアプリやネットサービスがユーザーに教えられるようになります。なお、データ解析を行うtriggerhoodは既に似たような手法によって、「ユーザーに通知を送るのに最も適したタイミングはいつか」を分析するアプリを提供しているとのこと。

研究に参加した一人であるティルマン・ディングラーさんは「研究は現在、『退屈している人はどのようなコンテンツならより見るか』ということや『これらが学習活動を含んでいるか』ということを調査中です」と語っています。ただし、我々の潜在意識は表面的な意識と違うことがあり、今のところ、退屈検知器アプリは「ユーザーが本当に退屈か」ということを検知できるところまでは至っていません。その点は、より客観的な測定法を用いることで今後解決していく見通しのようです。研究者の一人であるエーサン・ハック教授は「退屈はうつの原因にもなりますが、退屈である人を見分けることが可能になれば、何とかすることもできるはずです」と語りました。

by Ed Suominen

なお、このアルゴリズムは9月7日から日本で開催されるUbicompで発表される予定です。

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in モバイル,   ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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