環境省_狩猟免許を取得する[狩猟の魅力まるわかりフォーラム]
http://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort8/hunter/license.html
大日本猟友会「山と森を愛するレンジャー達へ」 【ハンターになるには>①狩猟をするためには】 狩猟,レンジャー,銃,アウトドア,鳥獣,大日本猟友会
http://www.moriniikou.jp/index.php?itemid=39
◆4つの狩猟免許とは?
免許によって許可されている猟具が異なり、「網猟」はむそう網・はり網・つき網・なげ網、「わな猟」は、くくりわな・はこわな・はこおとし・囲いわな、「第一種銃猟」はライフル銃・散弾銃・空気銃、「第二種銃猟」は空気銃のみ、と定められています。「網猟」「わな猟」は免許を取得すれば猟具を購入して狩猟を行うことが可能ですが、「第一種銃猟」「第二種銃猟」に関しては、別途「銃の所持許可」を取得しなければ猟銃を購入・所持・使用することはできないので要注意。
◆狩猟免許を取得するには?
狩猟免許を取得するには各都道府県で年に2回実施される狩猟免許試験に合格する必要があります。「網猟」「わな猟」は18歳から、「第一種銃猟」「第二種銃猟」は20歳から試験を受けることが可能。試験は90分間の筆記試験である「知識試験」、視力・聴力・運動能力に問題ないか判断する「適性試験」、各猟具の判別、猟具の実技、狩猟鳥獣の判別を行う「技能試験」に分かれており、全ての試験に合格すると狩猟免許を取得することができます。「わな猟」と「第一種銃猟」の2種を同時受験する人が多いようです。
なお、試験日の少し前に各都道府県の猟友会が「狩猟免許試験予備講習会」を行っています。自動車の免許でいう「教習所」のようなもので、都道府県によって異なりますが、約1万円で参加することができます。予備講習会に参加すると、狩猟免許に関する基礎知識をまとめたテキスト「狩猟読本」や、過去の出題をまとめた「狩猟免許試験例問題集」をもらうことができ、実際に試験で行う実技のやり方を指導してもらえます。講習会に出ると8割方合格できるようになるので、よっぽどの事情でもない限り、必ず受けておくべきです。
◆受験にあたって必要な手続き・必要書類・費用
狩猟免許試験を受験するには、各都道府県の担当部署などで発行されている受験申請書を提出する必要があります。東京なら東京都環境局、大阪なら大阪猟友会が担当部署となり、ウェブサイト上で申込書をダウンロードできるところもあります。
初めて狩猟免許試験を申請するにあたっては、「住民票」「医師の診断書」「申請前6か月以内に撮影した本人写真」を同時に提出します。医師の診断書は受験資格を満たすことを証明する以下のようなもので、X線検査などは必要ないもの。かかりつけ医やよく行く病院に行けば、3000円~5000円ほどで作成できます。フォーマットや参考例はウェブサイト上でダウンロードできる場合があります。
試験手数料は、どの狩猟免許も持っていない初心者であれば一種につき5200円です。狩猟の魅力まるわかりフォーラムによると、1種のみを受験するときのもろもろの参考経費は約1万5000円ですが、今回手続きを行った大阪では1種で約2万円といったところです。
環境省_知っておくべきこと[狩猟の魅力まるわかりフォーラム]
都道府県によって異なりますが、狩猟免許の申請は郵送での申し込みを受け付けていないところも多いようです。大阪でも申請書は担当部署での配布のみだったので、必要書類と印鑑を持って、担当部署である大阪猟友会のオフィスへ直接提出に行きました。
入り口はこんな感じ。中に入って「狩猟免許受験と予備講習会に申し込みたい」と伝えると、必要な書類を用意してもらえます。
用意された受験申請書がコレ。必要事項を記入後、捺印して提出します。今回は「わな猟」と「第一種銃猟」の2種を同時に受験するので、予備講習会の受講料と合わせて2万2400円を支払いました。
試験の受験票は後日郵送となり、この日は予備講習会の受講票と、2冊のテキストブックを受け取って手続きは完了です。
◆「狩猟読本」と「狩猟免許試験例題集」とは?
講習会に申し込むと、狩猟試験に必要な2冊のテキストブックをもらいました。
「狩猟読本」は、狩猟に関する基礎知識、狩猟する鳥獣のイラスト入り判別方法、各猟具の扱い方などが書かれた教科書のようなもの。
狩猟鳥獣のイラストが最初のページに書かれており、2015年現在は48種類の鳥獣が狩猟鳥獣として定められています。「狩猟鳥獣と誤認されやすい鳥獣」のイラストもあり、狩猟を行うにあたって必要な知識が覚えられるようになっています。
予備講習会までにイラストの動物を全て覚えておくと分かりやすい、と言われていたので、動物名にふせんを貼って、時間があるときにクイズをするとほとんど覚えられました。
狩猟読本の目次はこんな感じ。
各地で異なる狩猟期間についてや……
猟具の詳細などがイラスト付きで説明されています。
実際に猟銃による人身事故が発生した現場で、撃たれた人がいた位置に人を立たせて撮影した写真も掲載されていました。人がいるかどうかはかなり見えづらく、銃を手にするには細心の注意が必要なことがわかります。
つづいて狩猟免許試験例題集。
目次はこうなっています。
左側に解答、右側に問題が載っています。試験までに問題に解答していけば、本試験の勉強になるわけです。
◆予備講習会はこんな感じ
予備講習会当日になり、指定の場所に到着。
受講票を渡すと部屋に案内されます。
部屋に入ると、予想外に大量の人が参加していました。狩猟免許を受験する人は年々増加傾向にあり、今回の大阪の予備講習会は過去最大の人数となる140人近くが集まったとのこと。
予備講習会の内容は以下の通り。午前中~午後にかけては、試験に出題される可能性の高いポイントを説明したり、2冊のテキストブックに印をつけていったりする座学講習が行われました。
続いて、イラストを使った鳥獣判別試験の例題。実際の出題形式でスライド上映されており、「100%ではないが、試験でも同じスライドを使用する」というビックリ情報も得られました。
最後は、講師を務めていた猟友会の熟練のハンターたちによる実技試験の説明と練習。写真は模擬銃を使った第一種銃猟の実技試験の様子。実技試験では「引き金に手をかけると減点」「銃口を人に向けると減点」といった注意点や、模擬銃の分解と結合を行います。実技は講習会でしか練習できないので、ぶっつけ受験ではなかなか難しいはずです。他にもわな猟の実技指導では、はこわなを実際にセットおよび解除するという講習が行われました。
◆狩猟免許試験を受験してきた
2015年の大阪では8月1日に予備講習会があり、8月6日が試験日という日程。予備講習会の内容を復習しておき、いよいよ試験当日。10時30分~12時30分まで「知識試験」で、終わったら退出可能で、一種につき30分もあれば終わる内容です。10時50分~12時40分が「適性試験」で、視力検査と、手を握ったり開いたりして運動に問題がないかを検査します。知識試験の結果は当日の13時30分に発表され、70%以上を得点していれば、13時40分から「技能試験」を受けられるというスケジュール。
知識試験では予備講習会で習った内容が多く出題された印象で、ひっかけ問題もなし。例題集を復習しておけば問題なくクリアできるレベル。結果が発表されると、ほとんどの人が無事合格していました。その後に「技能試験」として、「鳥獣判別試験」「猟具の実技試験」などを行って、17時ごろには全ての試験が終了。
なお、試験の合否については、都道府県によって異なりますが、約2週間ほどで掲示や発送が行われるとのこと。大阪は受験者全員に合否通知を発送するのみで、試験から約3週間後に以下のような封筒が届きます。
中を確認すると、わな猟・第一種銃猟ともに合格のお知らせを発見。
狩猟免許取得者であることを証明する「狩猟免状」については、郵送または担当部署で受け取りとのでした。
いち早く受け取るため、合格通知を持って担当部署に行き、さっそく免状を受け取りました。
というわけで、A4用紙の狩猟免状を2通ゲット。持ち運ぶには大きなサイズですが、自動車免許と違って狩猟免状を携帯する必要はありません。銃猟を行うにはさらに銃の所持許可を取得する必要がありますが、晴れて正式なハンターになることができた、というわけです。