テスラのSUVタイプの新型EV「モデルX」の年内発売が決定

テスラモーターズの新型EV「Model X(モデルX)」は、2012年に7人乗りのSUVタイプであることが発表され、2014年内の発売が予定されていましたが、さまざまな問題のために発売が大幅に遅れていました。いつ発売されるのかと市場をやきもきさせていたモデルXでしたが、テスラのイーロン・マスクCEOが年次株主総会で、「2015年9月リリース」を明言。ついにモデルXの市場投入が正式決定しました。

Model X | テスラモーターズジャパン
http://www.teslamotors.com/jp/modelx

2015 Shareholder Meeting | Tesla Motors
http://www.teslamotors.com/2015shareholdermeeting

これがテスラの3作目の電動自動車の「モデルX」。SUVタイプの電動自動車で、独立に制御されるデュアルモーターからなる全輪駆動システムを採用しており、最大乗車定員は7名。2012年に発表されたときは「BMW miniなみの小回りの良さで、ポルシェ911を上回る加速をもつ」というぶっ飛んだコンセプトが打ち出されました。

モデルX最大の特徴が後方のドア。「ファルコンウィング」と名付けられたドアは、邪魔にならないように上方向に開くので、狭いスペースでも簡単に3列目シートに乗り込むことが可能です。

後ろから見るとこんな感じ。なお、モデルXにはサイドミラーはなく、サイドビューカメラで後方を確認するシステムが採用されています。「サイドミラーがあることでエアロダイナミクスが低下し、燃費悪化をまねいている」とマスクCEOが主張してサイドミラーの取り付け免除を求めてきましたが、日本での発売までに法的な問題がクリアされるかどうかは不明です。

さらに、モデルXはアウディQ7と同等のラゲッジスペースである「Frunk」と呼ばれるフロントトランクを搭載。しかし、初めてのお披露目となる発表会ではトランクが開かないというトラブルに見舞われています。

Tesla ModelX Frunk - Musk copes with Live Demo Fail - YouTube


アメリカ・カリフォルニア州のマウンテンビューでテスト走行を重ねるモデルXをスパイショットしたのが以下のムービー。

Exklusiv: Das neue Tesla Model X unterwegs in Mountain View - YouTube


当初、2013年中に生産を開始して2014年に発売するとされた計画は、製造段階でファルコンウィングやシート形状などに改良すべき点が見つかったため、延期されることになりました。「ユーザーを喜ばせることのできない自動車を世に出すべきではない」というマスクCEOの決断で、販売計画は大幅に見直されたとのこと。そして、2015年の年次株主総会でマスクCEOはモデルXの納車が2015年9月から始まることが明らかにしました。

なお、日本のテスラ公式サイトでもモデルXの予約は受け付けており、新規予約分の納車は2016年後半が予定されています。記事作成時点では販売価格は明らかにされていませんが、5万5000ドル(約680万円)から7万5000ドル(約930万円)になると予想されています。

マスクCEOはガソリン価格の低下や中国の株式市場暴落による余波などさまざまな逆風に対しても、モデルXの販売状況は影響されないだろうと楽観視しており、モデルX発売によって「テスラの車両販売台数は倍増する」と"予言"しています。

2人乗りオープンスポーツカーの「ロードスター」、高級セダンタイプの「モデルS」に続いてSUVタイプのモデルXと、車種のバリエーションを着々と増やしてきたテスラ。モデルXの後には、モデルSの半額となる3万5000ドル(約420万円)の低価格モデル「モデル3」のリリースが2017年に予定されています。