セリフなしの美麗グラフィック＆細かな動きだけで全て伝えるショートフィルム「A Tale of Momentum ＆ Inertia」

わずか1分10秒という長さ＆登場するキャラクターは一切しゃべらないという少ない情報量にも関わらず、美麗なCGによる細かい表情の変化と丁寧なカメラワークで、言葉がなくてもストーリーが伝わってくるシュートフィルムが「A Tale of Momentum ＆ Inertia」です。アメリカ・ポートランドのアニメーション製作会社HouseSpecialが製作したオリジナル作品で、1分映画の祭典FilmOneFestの2015年度ベストアニメーション賞も受賞しています。

A Tale of Momentum ＆ Inertia on Vimeo


「A Tale of Momentum ＆ Inertia」

森の奥にひっそりたたずむ岩山……

と思ったら、岩山のそばに巨大なゴーレムがいました。

自分の体よりも大きな岩を持ち上げて、山の上に積み上げているようです。

岩やゴーレムの質感は非常にリアルで、岩肌だけ見ていると写真なのかCGなのか区別がつかなくなりそう。

大仕事を終えてゴーレムはホッと一息。

しかしその後ろで山のてっぺんに積んだばかりの大岩がゆっくりと傾いており……

このままだとゴロゴローっと山の斜面を転がり落ちて……

山の麓にある小さな町をペシャンコにしてしまいそう。

岩が転がり落ちたことにゴーレムは気づき……

キリッと締まった表情で大岩を追いかけます。自分の責任で岩が転がり落ちているので「何としても止めねば！」といわんばかりの表情です。

ゴーレムと大岩が豪快に斜面を下っていき……

無事追いつくことに成功。

と思ったのもつかの間、速攻でゴーレムがつかんだ部分だけ砕けてしまい、大岩の勢いを止めることはできません。

大岩は徐々に町に迫っていきます。

巨大なゴーレムすらしのぐサイズなので、大岩に踏みつぶされればどんな頑丈なものでもひとたまりもなさそう。

「こりゃイカン！」といわんばかりのポーズをとるゴーレム。

気を取り直して走って追いかけるのかと思いきや、グッと脚に力をためて……

ダイナミックにジャンプ。

ゴロゴロ転がってくる大岩の先回りに成功です。

ゴーレムと迫り来る大岩。ちょうど森からゴーレムと大岩を見上げるとこれくらいのアングルになりそう。

横から見るとこんな感じでサイズ感がよく分かります。

そしてついに激突。グワッと手を出して……

大岩をがっちりホールド。

しかし勢いを殺しきることができず、徐々に町の方に後退していきます。

「もうダメだ……！」というところまで来て……

塔のてっぺんにある鐘がゴーレムのかかとにぶつかったようで、「ゴーン」と鳴り響きますがギリギリのところで大岩を止めることに成功。町の中では大歓声があがっていたりするのでしょうか……？

無傷で町を救うことに成功、と思ったらかかとがぶつかった塔がボロリ。

その瞬間、町の防衛システムが作動して大砲やら弩弓やらの大型兵器がいたるところからぴょんぴょん跳びはねるように顔を出して……

ゴーレムを攻撃。

これにはゴーレムも驚きの表情。

しばらく何か考えていたのですが……

町からしつこく攻撃され続けていることに腹を立てたかのように、岩が変形してむっとした表情に変わります。

何をするのかと思ったらパッと大岩から手を離して……

町がペシャンコに。

しばらく町があった場所を眺めた後は……

何事もなかったかのように立ち去ってしまいました。

HouseSpecialの公式ページ上には「A Tale of Momentum ＆ Inertia」のアートワークが多数公開されていました。

森の中にたたずむゴーレムの影。

ゴーレムは思ったよりも表情豊かな模様。

ゴーレムのイメージ。

これをCGで作成するわけ。

イラストやCGだけではイメージしづらいのか、実際に粘土か何かでゴーレムを立体化したようです。

ラストシーンのイメージ図。

山の麓にある町の鐘つきの塔のイメージ。

町全体でゴーレムを攻撃する際のイメージ。

なお、求人情報検索サイト「Indeed.com」のCMで「A Tale of Momentum ＆ Inertia」が使われており、超高精細な映像が出来上がる前の段階を垣間見ることができます。

Indeed.com - How Animation Works on Vimeo


HouseSpecialの製作した作品リストは以下の通りで、M＆M'Sやブーム・ビーチのCMも手がけています。

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