ドローンが増水した川の濁流の中に取り残された少年2人の救助活動で大活躍
川が増水して2人の少年が岩場に取り残されてしまうという水難事故が発生しました。取り残されてしまった2人の少年を救助する際、消防隊は空撮用のドローンを使用しており、これが大活躍していたことが明らかになっています。
Drone helps with Mechanic Falls river rescue | Local News - WMTW Home
http://www.wmtw.com/news/androscoggin-river-rescues-keep-responders-busy/33868608
2015年6月30日(火)、アメリカ・メイン州のメカニックフォールズという町にあるアンドロスコギン川が増水し、川の中央付近にある岩場に12歳と18歳の少年が取り残されてしまうという水難事故が発生しました。事故当時、12歳の少年はライフジャケットを着用していたのですが、18歳の少年はライフジャケットを着用しておらず、増水で流れが非常に速くなった川を渡るには危険な状態でした。
画像の中央にある岩場に取り残された2人の少年。12歳の少年は赤色のライフジャケットを着用していますが、もうひとりは装着していません。
2人の少年を救助するため、オーバーン消防署から多くのレスキュー隊員が現場に集結したそうですが、その中で大きな役割を果たすことになったのが、フランク・ローマ署長と「DJI Phantom 3」という空撮用ドローン。「ドローンを使い、ライフジャケットを確実に届けるためのひもを川の中央にある岩場まで運びました」と、ローマ署長は事故当時のドローンの活躍について語ります。
ドローンが運んできたひもを18歳の少年が受け取る様子。
Untying haul line from the drone.
Posted by Auburn Fire Department on 2015年6月30日
川の中央にある岩場に取り残された2人がドローンが運んでくれたひもをたぐり寄せてライフジャケットを川岸から受け取る様子はムービーで公開されています。
Auburn Fire Department
The AFD responded to assist Mechanic Falls with a swift water rescue. Also on location was the Poland FD, Oxford FD, Maine Game Wardens, Mechanic Falls PD and Androscoggin County Sheriffs Dept. Two young people had become trapped on a rock in the middle the river while trying to tube in the high water. One had a life jacket, the other did not. As rescue lines were set up down stream and a haul system was configured to allow for an inflatable rescue boat to be placed into the water to effect rescue of the two trapped young men, the AFD utilized a drone to fly out a tag line to the young man with no life jacket. He was instructed in how to untie the line from the drone and then pull a life jacket to him. You can see him doing so in this video. This technical rescue went very well and is an excellent example of inter agency cooperation and the benefits of training for these demanding events.
Posted by Auburn Fire Department on 2015年6月30日
川の中央に取り残された2人の少年。
白いTシャツを着た少年がひもをたぐり寄せ、赤丸部分にある青色のライフジャケットを受け取ります。
無事ライフジャケットを入手することに成功。
ライフジャケットを着用したので、万が一救助中に川に流されてしまっても助かる確率はグンと上がったと言えそう。
続いて、ドローンが張ってくれたひもを使用せずに岩場の2人に何かを渡そうとして、赤色の何かが投げ込まれるのですが……
これは岩場のすぐ近くに落下。
懸命に手を伸ばしますが……
川に流されてしまいます。
このドローンを操縦したのが以下の画像右側に立ってコントローラーを手に持っているローマ署長。
救助活動時に大活躍した「DJI Phantom 3」はコレ。
「DJI Phantom 3」は撮影した映像を手元で速攻確認可能。
ローマ署長は「我々はドローンが非常事態でどのように役立つのかについて、ちょうど試行錯誤を始めた段階にいるのだと思います」と語ります。
また、「ドローンは遭難した人を探す捜索救助任務などに適しているかもしれない」とコメント。
ドローンに搭載された高性能カメラで救助活動の様子を撮影することにも成功しています。
2人の少年がライフジャケットを着用した後、消防隊員とMaine Warden Serviceのメンバーによる救助ボートを使っての救助活動がスタート。2人の隊員がボートに乗って岩場へ向かいます。
しかし、川の流れがとても激しくボートは転覆しかけます。
救助に向かった隊員がひとりボートから落下。
悪戦苦闘しながらなんとか岩場に到着。想像以上に命がけな救助活動であることがよく分かり、この川をライフジャケットを着用せずに渡ろうとするのはまさに命知らずな行動と言えそう。
まずは12歳の少年から救助するようです。
12歳の少年を救助ボートに乗せ、一端川岸に戻ろうとします。
が、川の流れが非常に激しくまたもや転覆しかけます。
あまりに激しくボートが揺れるため、救助に向かった隊員のひとりはボートから落ちてしまいました。
しかしライフジャケットを着用しているため川にプカプカ浮かぶこととなり、ボートにつかまったまま川岸まで移動することに成功。時間をかけてでも岩場の少年2人にライフジャケットを着用させた理由は、川に転落してしまった隊員を見れば明らかでした。
なお、救助活動で活躍した「DJI Phantom 3」がどんなドローンなのかは以下の記事を読むとよく分かります。
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