サイエンス

息を吐くだけで胃ガンを簡単に分析できる研究が進行中

by alli

ナノダイヤモンドを使ったガン治療音波でガン細胞を血中から安全に分離する新技術などガンに関連するさまざまな技術が開発されていますが、新たにイスラエル工科大学のHossam Haick氏が率いる研究チームが、息を吐くだけで胃ガンを分析できる方法の研究結果を発表しました。

Diagnosis of Gastric Lesions With Na-nose - Full Text View - ClinicalTrials.gov
https://clinicaltrials.gov/show/NCT01420588

Scientists are working on a breath test to diagnose stomach cancer | The Verge
http://www.theverge.com/2015/4/14/8410317/stomach-cancer-breath-test-nanoarray-analysis


現在、胃がんを検査する方法はX線検査や胃カメラを使った内視鏡検査などがありますが、いずれも簡単に検査ができるわけではありません。また、胃ガンで死亡する割合が多い日本や韓国では胃ガンの検査が一般的に行われていますが、胃ガンの死亡率が少ないヨーロッパでは人々があまり胃ガンに注目しないため、発病が見落とされやすく、3人に2人は発見が遅れています。

そこで研究チームは人の吐く息を分析してガンを発見する方法の開発に着手。当初は化学物質を正確に分析できる質量分析法を使っていましたが、費用が高く時間も掛かるため断念し、代わりに、化学物質を分析せずに分子のパターンで胃ガンと非胃ガンを分析するナノアレイ分析に切替えました。分析器具は、分子を検知する有機フィルムと、検知した反応を電気信号に変換させる層で構成されてるとのこと。


胃がん治療前の患者99人を含めた484人対象に検査が行われたところ、92%の確率で胃ガンと非胃ガンの人を区別することに成功。誤検知は2%と非常に精度が高いものでした。

ただし、今回の研究ではサンプル数が少ないため、検査人数を増やしたときでも、高い精度で胃ガンを分析できるかは不明。もし息を吐くだけで胃ガンを検査できるようになれば、数分の手軽な検査が可能になり、ガンの早期発見につながると考えられており、今後は患者のサンプル数を増やして少なくとも2・3年掛けて研究を続けていくとのことです。

by jpalinsad360

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in メモ,   サイエンス, Posted by darkhorse_log

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