サイエンス

なぜGoogleは人工合成皮膚を開発しているのか?


Googleでは多くの研究者を雇い、多額の研究費をつぎ込んでさまざまな分野の研究を行われていますが、現在人工合成皮膚の開発も進められているそうで、その理由をThe Atlanticが明かしています。

Why Is Google Making Human Skin? - The Atlantic
http://www.theatlantic.com/video/index/384922/why-is-google-making-human-skin/

Why Is Google Making Human Skin? - YouTube


過去3年間に渡り、Googleはひそかに健康に関する研究を行うための最先端の施設を建設し、100人以上の医者や科学者を雇用してきました。そんなGoogleが健康分野で一体どんなことを行おうとしているのか、をThe Atlanticが探っています。


今回The Atlanticの取材に応じてくれたのは、Google Life Sciencesの代表を務めるアンドリュー・コンラッド博士。


コンラッド博士が率いる研究チームが現在開発を進めているのは「リストバンド」です。しかし、ただのリストバンドではなく、人間の血中からガン細胞を検知し、ガンを初期段階の内に発見してしまうというもの。


このリストバンドを巻き、ナノ粒子カプセルを飲むことでガンの検知が可能になります。


白色の小さな丸がナノ粒子。これは赤血球の1/2000程度のサイズです。


これがガン細胞に吸着します。


ナノ粒子はガン細胞と共に血中に混じり、人間の体内を循環。図の白い点が血中のガン細胞とナノ粒子というわけ。


Googleが現在開発中のリストバンドは、このナノ粒子を磁力でリストバンド下の血管に集めることが可能。


それにより、体内を循環してきたナノ粒子が収集した情報をリストバンドで確認できるようになります。


ナノ粒子が体内で集めた情報は、リストバンドと血中のナノ粒子が光を使って通信してデータのやり取りを行います。このデータを得るには、体内のナノ粒子が発する光を正確に検知する必要があり、そのためには人間の皮膚を光がどのように通過するのかを詳細に知る必要があります。そのため、人工合成皮膚の開発が進められている、というわけです。


人工合成皮膚は本物に人間の皮膚と同様の成分で構成されます。しかし、皮膚の厚みには個人差があるので、異なる皮膚の特徴を持つ人ごとに、光がどのように通過するのかを詳細に知る必要がある、とコンラッド博士。


インタビュー後、The Atlanticのジェームズ・ハンブリンさんは白衣をまとい研究所内を見学しています。


Googleでは現在175人のボランティアの健康状態をモニタリングし、頻繁に生理的データを収集しています。研究の目標は「健康な人」とはどのような状態の人であるのか、を定義づけることだそうです。


現在行われている実験の被験者になるハンブリンさん。


現在行われている研究では、血中のナノ粒子が発する光をリストバンドが検知できるようにするため、どのように光が皮膚を通過するのかを、さまざまな被験者の皮膚で測定しています。


コンラッド博士たちの研究チームが開発を進めているリストバンド型のデバイスについては以下の記事でも取りあげており、ガンのみならず心臓麻痺や脳卒中などさまざまな病状を早期発見できるデバイスになるようです。

Googleがナノ粒子でガン・心臓麻痺・脳卒中などを超早期発見するデバイスを開発中 - GIGAZINE

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in サイエンス,   動画, Posted by logu_ii

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