「幻の世界」や「ユートピア」など太古に思い描かれた架空の世界のイラストを集めた本「The Book of Legendary Lands」

人は古来から伝説上の大陸や世界、幻の理想郷などの存在しない世界に想像を巡らせてきました。そんな架空の世界を描いた貴重なインキュナブラなどのカラーイラストが集結したウンベルト・エーコの著作本が「The Book of Legendary Lands(伝説の土地の本)」です。

Legendary Lands: Umberto Eco on the Greatest Maps of Imaginary Places and Why They Appeal to Us | Brain Pickings
http://www.brainpickings.org/2014/02/17/legendary-lands-umberto-eco/

◆Saint-Sever Beatus(サン・セーバー・ビータス)
フランス国立図書館に蔵書されている「Saint-Sever Beatus」は1086年に描かれた架空の世界地図。

◆Tabula Peutingeriana(ポイティンガー図)
ポイティンガー図とは、ローマ帝国の駅逓制度クルスス・プブリクスを表す図解による道程表、つまりは実質的な道路地図のこと。この写真は12世紀に複製されたポイティンガー図の一部だそうです。東西が著しくゆがめられているため、実際の地図とは異なります。

◆Le livre des propriétés des choses(物事の性質の本)
1392年に描かれた「Le livre des propriétés des choses」に挿入されているTO図。経験的世界を表す地図で、通常の世界地図とは違った地図製作法で描かれています。

◆Liber chronicarum(ニュルンベルク年代記)
「ニュルンベルク年代記」は1493年に出版されたインキュナブラ。その中の世界地図がコレ。

◆Map of Iceland(アイスランドの地図)
16世紀にアブラハム・オルテリウスが制作したアイスランドの地図。実際のアイスランドの形とは異なり、どこかモンスターのような形になっています。

◆Utopia(ユートピア)
トマス・モアによって1516年に出版された「Utopia」初版に掲載されている木版画の島の地図。

◆Civitates Orbis Terrarum
1572年～1617年にかけてゲオルク・ブラウンとフランツ・ホーヘンベルフによって制作された「Civitates Orbis Terrarum」は、鳥の目線、つまりは上空から見た都市を描いたもの。

◆En Enquiry into the Nature and Place of Hell(地獄の場所と本質の調査)
1659年～1719年にイギリスで制作された「En Enquiry into the Nature and Place of Hell」の挿絵。原本はインターネットアーカイブでも公開されています。

◆Carte du monde d'Homère(ホメロスの世界地図)
1849年の「Carte du monde d'Homère」は、ギリシャの吟遊詩人ホメロスが生きたとされる古代の世界を描いたもので、小説「ユリシーズ」の元になった本でもあります。

◆Jain Cosmological Map(ジャイナ宇宙論の地図)
ジャイナ教が説いていた「ジャイナ宇宙論」で考えられた宇宙の中間に位置する大陸「マディヤ・ローカ」の1つである「ジャンブードヴィーパ」を描いた地図。1890年ごろのもので、制作者は不明とのこと。

◆Twenty Thousand Leagues Under the Sea(海底二万里)
1870年に発刊された古典SF小説「海底二万里」の挿絵。

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