Twitterにはびこるボットアカウントネットワークの中心にいるものとは？

Twitter上にはボットにより自動でツイートをポンポンつぶやく、人間のふりをしたTwitterボットアカウントが存在します。人間の手で運用されているわけではなく、ツイート内容もリツイートや他人のツイートのコピーばかり、というTwitterボットアカウントのつながりを可視化したグラフが公開されています。

This is what a graph of 8,000 fake Twitter accounts looks like ← Terence Eden's Blog
https://shkspr.mobi/blog/2015/03/this-is-what-a-graph-of-8000-fake-twitter-accounts-looks-like/

イギリスの携帯電話会社「O2」にて上級プロダクトマネージャーを務めるテレンス・エデンさんは、見ず知らずのTwitterアカウントから「テレンスはロンドンでトレンドになっているよ」というツイートを複数つぶやかれて困っていたそう。

これらのTwitterアカウントは、無作為に他人のツイートと同じ内容のツイートを行い、人間が使用しているアカウントのふりをするTwitterボットアカウントでした。Twitterのアカウント名を見てみると、「@ekip_uhokoqeq」や「@utadaqusoxeh」のようなデタラメな文字列のアカウントばかりで、健全な目的で使用されているとは思えないものばかり。

また、以下のアカウントの場合は名前が「Susan Phillipsa(スーザン・フィリップサ)」となっていますが、アイコンに使用されている写真はどう見ても「スーザン」には見えない、とテレンスさん。

あるTwitterボットアカウントのプロフィールを開くと、他人の写真や情報を不正に利用していることが分かります。以下の画像のアカウントの場合、ツイート内容は他のTwitterユーザーのものをランダムに抽出してツイートしているものと思われます。

また、これらのアカウントがフォローしているTwitterアカウントを見ると、フォローしているアカウントもまたTwitterボットアカウントである疑いが濃厚であったそうです。

そこで、テレンスさんはTwitterボットアカウント間のつながりを可視化すべく、スクリプトを駆使してグラフを作成。以下のグラフはデタラメな文字列のアカウント名を持つTwitterアカウント間のつながり(相互フォロー)を可視化したもので、「この中には普通のTwitterアカウントは入っていないはず」とテレンスさん。グラフに記されている文字列がTwitterボットアカウントで、「@ekip_uhokoqeq」と相互フォローしている「TwitterボットアカウントA」、「TwitterボットアカウントA」と相互フォローし合っている「TwitterボットアカウントB」、といった具合に、「@ekip_uhokoqeq」から3つ先のアカウントまでがまとめられています。

さらに、以下のグラフは「@ekip_uhokoqeq」と相互フォローし合っているTwitterボットアカウントを、4つ先のものまでグラフにまとめたもの。「@ekip_uhokoqeq」から始まるTwitterボットアカウントネットワークに属するTwitterアカウントの総数は8000以上で、いかに多くのTwitterボットアカウントが存在するのかが分かります。

これをPythonのgraph-toolで可視化するとこうなります。

さらに、Twitterボットアカウントを5つ先のものまでまとめてグラフ化するとこう。大まかに分けると8つのネットワークが存在しています。

Twitterボットアカウントによるネットワークはそれぞれ閉じたネットワークで、ネットワークの中心にはボットではなく人間が使用しているアカウントが存在しているとのこと。これらの人々が、なぜ複数のボットを使用してフォロワー数を多く見せようとしているのかは不明、とテレンスさんは語りますが、Twitterボットアカウントネットワークの中心にいるアカウントの中には、フォロワー数が65万を超えるものもあるそうです。

なお、テレンスさんが調査したTwitterボットアカウントに関するメタデータはここから(ZIPファイル)ダウンロード可能です。