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「ゼロ・グラビティ」を盗作として12億円を要求した作家の訴えが棄却される


アルフォンソ・キュアロン監督による2013年のSF映画「ゼロ・グラビティ」は第86回アカデミー賞で監督賞を含む全7部門を受賞し、日本でも興行収入が30億円を突破した作品です。そのゼロ・グラビティが自身の作品の盗作であるとして、ベストセラー作家のテス・ジェリッツェン氏が2014年4月に製作会社のワーナー・ブラザーズを提訴していましたが、裁判所は同氏の要求を棄却しました。

My GRAVITY lawsuit and how it affects every writer who sells to Hollywood - Tess Gerritsen
http://www.tessgerritsen.com/gravity-lawsuit-affects-every-writer-sells-hollywood/

Warner Bros. Knocks Down Best-Selling Author's $10 Million Lawsuit Over 'Gravity' (Exclusive) - The Hollywood Reporter
http://www.hollywoodreporter.com/thr-esq/warner-bros-knocks-down-best-768627

ジェリッツェン氏は医療スリラーやサスペンススリラーを主として手がけるアメリカの女性作家で、著書の「僕の心臓を盗まないで」がネロ・ウルフ賞エドガー賞長編賞といった権威ある賞を受賞したことがあるベストセラー作家です。元医師という視点から描いた著書は日本を含む40か国以上で翻訳されています。


ジェリッツェン氏の著書の中に「Gravity」という作品があり、同氏は「ゼロ・グラビティはGravityをベースにしている」としてワーナー・ブラザーズに対して損害賠償金1000万ドル(約11億8000万円)を求める裁判を起こしました。ジェリッツェン氏の「Gravity」は宇宙ステーションに派遣された女性医師が数々のトラブルに遭い、他のクルーが全員死亡した中、1人で地球に生還するという内容で、ジェリッツェン氏は「小説のストーリーが映画に酷似している」と主張しています。

また、ジェリッツェン氏の主張によると、映画冒頭で登場する「スペースデブリが宇宙ステーションに衝突する」というシーンも小説のあるシーンをもとにしているとのこと。ジェリッツェン氏はワーナー・ブラザーズを提訴する際に、小説「Gravity」の映画化権を後にニュー・ライン・シネマが所有するKatjaという製作会社に売却し、50万ドル(約5900万円)と映画の純利益の2.5%を受け取る契約を結んだことを明かしていました。


Katjaを所有していたニュー・ライン・シネマは2008年にワーナー・ブラザーズに買収されており、裁判ではワーナー・ブラザーズがKatjaとジェリッツェン氏の間で結ばれた契約および映画化権を買収時に引き継いでいたかどうかが争点になると見られていました。

しかしながら、裁判官は「Gravityの契約と映画化権がKatjaからニュー・ライン・シネマへ、ニュー・ライン・シネマからワーナー・ブラザーズへ適切に引き継がれていたことを示す証拠が不十分である」としてジェリッツェン氏の訴えを棄却。

ジェリッツェン氏は自身の公式ブログで「今回下された判決により、大企業が映画化権を持っている会社を買収した場合に、作家が結んでいた契約がむげにされる可能性があることが判明しました。また、企業は買収された会社が所有していた映画化権をもとに映画を製作することができ、その場合に作品を執筆した作家に補償金を支払う必要もないということです。つまり、ハリウッドとの契約は全く価値がありません」と、他の作家に警告しました。

By Angelo Amboldi

ただし、裁判官はジェリッツェン氏に新しい証拠を集めるために20日間を与えています。ジェリッツェン氏は「他の作家を守るためにも弁護士と共に証拠集めに全力を注ぐつもりです」と述べており、新証拠が提出されると判決が覆る可能性があります。

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in メモ,   映画, Posted by darkhorse_log

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