初代PlayStationのCPUを搭載したNASAの無人探査機が冥王星に到達
2006年に地球を出発した無人探査機「ニュー・ホライズンズ」が休眠状態から回復し、冥王星の観測が開始されます。太陽から約35億マイル(約56億km)離れて活動するニュー・ホライズンズには、なんと初代PlayStationと同じCPUが使用されているとのことです。
MIPS goes to Pluto - Imagination Blog
http://blog.imgtec.com/mips-processors/mips-goes-to-pluto
New Horizons Mission to Pluto | NASA
http://www.nasa.gov/mission_pages/newhorizons/main/
ニュー・ホライズンズは、2つのコンピュータ・システムによって太陽系を飛行しており、一方が誘導制御を行っている間に、もう一方はコマンドとデータハンドリングに使用されています。この2つのシステムを実行しているのが、ニュー・ホライズンズが搭載しているマイクロプロセッサである「Mongoose-V」。Synova製の10~15MHzのクロック数を持つ「R3000」の耐放射線バージョンとなっています。
MIPSアーキテクチャベースのMongoose-Vは、「位置情報の分析」「複数のサブシステムへ作動コマンドの分配」「計器データの収集と処理」「地球へバックアップデータの送信」や、問題発生時に自動修正を行って地球へ救助を求める、という高度な独立アルゴリズムも実行しています。
冥王星に到達したニュー・ホライズンズは今後、冥王星および冥王星の月を探査する予定で、NASAによると日本時間で2015年7月15日の20時50分ごろに冥王星をフライバイする予定。2015年8月後半に冥王星探査を終了する予定ですが、2016年後半にカイパーベルト天体の追加探査ミッションも計画されています。
そんなニュー・ホライズンズに搭載されている「Mongoose-V」のベースとなっている、同性能の「R3000」は32bitのマイクロプロセッサ。2015年現在も東芝のマイクロコントローラなどに使用されているほか、初代PlayStationにも同じものが使われています。プレイする機会も少なくなった初代PlayStationですが、冥王星の付近ではゲームではなく貴重な惑星探査データの収集に使われている、というわけです。
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