世界に1台しかない鍵盤数が3倍の「3倍高密ピアノ」で奏でる「運命(交響曲第5番)」
通常のピアノの鍵盤は88鍵ですが、1つの鍵盤の中に3鍵を詰め込んで、264鍵という通常の3倍の鍵盤数を持たせたピアノが「3倍高密ピアノ」です。世界に1台しか存在しないピアノとのことで、ベートーベンの「運命(交響曲第5番)」や、フランツ・リストの「ラ・カンパネラ」を弾くと一体どのような音色が生まれるのでしょうか。
3倍濃厚な「運命」 - Story - YouTube
しんと静まりかえった木造の薄暗い洋館。
長年放置されていることが見てとれる色あせた写真。
電球が不気味にチカチカと点滅します。
部屋の真ん中には1台のピアノが置かれています。
燭台が立てられた机の脇を……
「ギィ……ギィ……」という足音とともに通り過ぎる何者かの影。
すると突如として、ピアノが独りでに演奏を始めました。
クローズアップしてみるとおびただしい数の鍵盤のピアノであることがわかります。
間違いなくベートーベンの「運命」のメロディなのですが、聞いたことがないレベルの和音で奏でられています。鍵盤が3分割されたときに、おそらく鍵盤ごとの音程も3つに細かく分割するという荒技が行われている模様。
耳慣れたあの音楽が演奏されているピアノの席は無人。ただ鍵盤だけが見事に叩かれています。
唐突に表れた楽譜。
通常の5線譜の3倍ということで、専用の「15線譜」になっています。
無人のはずが、鍵盤蓋には何者かの手が映り込んでいます。
部屋の隅に置かれているのはベートーベンの胸像。
無人の部屋で鳴り響くピアノの席に……
気がつくと謎の男性が出現。
指よりも細い鍵盤を弾きこなしているのは、もしかするとベートーベン……?
壮絶に重なり合った不協和音ですが、不思議な危うさと美しさの響きを奏でてクライマックスに突入。
そして、終盤の演奏とともに消えてしまった男性。
「3倍には不思議な力がある。」
というわけで、なんとこの「3倍高密ピアノ」は、3倍以上高密なコーヒー「TRIPLESSO(トリプレッソ)」のキャンペーンの一環としてAGFが作り上げてしまったピアノだったのです。なんとも遠回しなキャンペーンですが、本当に演奏できる世界に1台だけの264鍵ピアノを作り上げてしまった、というわけです。
なお、運命はストーリー仕立てでしたが、真面目に機械演奏だけを聴かせてくれるムービーがいくつも用意されており、以下のムービーでは「ラ・カンパネラ」の演奏を聴くことができます。
3倍超絶技巧「ラ・カンパネラ」 - YouTube
カメラ視点が変わることはないため、勝手に鍵盤が動いて演奏されている様子をじっくり見ることができます。
ちなみに、TRIP LESSOのYouTube公式チャンネルでは、他にも「3倍高密ピアノ」で演奏する「きらきら星」「子犬のワルツ」「四季(春)」の演奏ムービーを見ることができます。
TRIP LESSO - YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC9kQND_xUKlCcPLmWlO3s6Q
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