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「Windows 10」のUI改良と通じるデザインの「Windows 8.2 プロトタイプ」


Microsoftの次期Windows OS「Windows 10」のテクニカルプレビュー版が2014年10月2日からダウンロード・インストール可能になりました。現行の最新OS・Windows 8(8.1)でユーザーに不評だった部分がうまく解消されていますが、実はこれに似たUI改良案を、2013年の時点でフリーのデザイナーが「Windows 8.2 プロトタイプ」として公開していました。

Fixing Windows 8 — jay machalani
http://jaymachalani.com/blog/2013/12/12/fixing-windows-8

フリーのユーザーエクスペリエンスデザイナーであるJay Machalani氏はWindows 8を愛するデザイナー。かつてはOS X Mavericksを1年半使ったものの、デザインは良くても生産性に欠けることとWindowsと異なる操作性が気になって使用を中止、Linuxも新しいGUIによって使い勝手が悪くなったため、Windows 8.1搭載のSurface Pro 2に戻ってきました。しかし、Windows 8を気に入ったというMachalani氏でも、他のユーザーと同じように、タッチシステムに寄りすぎたWindows 8には不満を感じる部分があったため、Microsoftへの提案として私家版「Windows 8.2 プロトタイプ」を作ることにしました。


Machalani氏はWindows 8が持つUIの欠点を追求した結果、プロトタイプを製作するための以下の5つの条件にたどり着きました。

1:MicrosoftはWindows Storeを使ってWindowsだけで簡単に使えるエコシステムを作りたい
2:Microsoftは会社をあげてModern UIとライブタイルを採用している
3:Windows 8は「タッチ入力デバイス」と、「キーボードベースのPC」の両方で動作する必要がある
4:マウスとキーボードを使うユーザーはタッチ操作の最適化を望んでいない
5:タッチパネルを使うユーザーはデスクトップUIを通じた操作を望んでいない

どういうものを作るべきなのか調査を行う中で、Machalani氏はWindows 8のアプリを、従来からのWindowsソフトウェアである「Classic」、Windows Storeからダウンロードするアプリ「Modern(Metro)」、ClassicとModernの両方をリリースしているSkypeのような「Hybrid」の3種類に分類しました。Windows 8は作業環境を「Modern(Metro)」「Desktop」の2つに切り替えられますが、Modern UIからはModernアプリとHybridアプリだけが使えて、DesktopからはClassicアプリとHybridアプリだけが使えるという、不便なUIになっていました。


そんな問題点をクリアしつつ5つのルールを守ってUIを改善したWindows 8.2 プロトタイプは、Modern UI/Desktop UIのいずれからも、Classic/Modernの両方のアプリが使えるようになっており、わずらわしい操作は必要ナシ。


Windows 8にはなかった従来のスタートメニューが実装されており、Modern UI/Desktop UIのどちらにも簡単にアクセスできるハイブリッドデザイン。


フレキシブルなスタートメニューのデザインによって、アプリのピン留め数が上限に達すると、水平に変形して表示することも可能。


Modern UIはModernアプリをカスタマイズ配置できるほか、接続しているデバイスなどが一目でわかる「コンピュータ」の項目が右端に追加されています。


また、アプリの分類を問わずにマルチタスクで起動することができます。もちろんウィンドウの右上には縮小/拡大/閉じるのボタンが配置されているのがわかります。


アプリの分割表示にも対応。もはや「Windows 8の改良版」とは思えません。


そしてこちらが、Microsoftが次期Windows OSとして発表した「Windows 10」の新しいUI。スタートメニューが実装され、従来の項目とモダンアプリが並んだ2ペイン方式になっており、デザインこそ違うものの、Machalani氏の1年前のアイデアと同じ機能を持っています。


この類似に気付いたThe Vergeの記者によると、MicrosoftがMachalani氏のコンセプトに影響を受けたかどうかは明言されていませんが、2014年初頭にMicrosoftはMachalani氏を自社キャンパスに招待したという経緯があったとのこと。Microsoftのデザイン&コンセプト部門のAlbert Shumマネージャーは、「Jayに会ってデザインの考え方を聞けたのは素晴らしいことです」とThe Vergeに伝えています。


なお、Machalani氏はMicrosoftのアプローチを歓迎しており、「私のアイデアがWindowsのデザインに良い影響を与えられたなら満足です」と話しています。

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in メモ,   ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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