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MIT開発のチーター型ロボットは完全に自立走行可能で、障害物を飛び越えることも可能


MITのバイオミメティックロボット研究所では、2009年からチーター型ロボット「Cheetah」の開発が進められています。ワイヤーやアームを使って固定された状態ながら、研究所内を時速22kmで走る姿などを披露してきたCheetahですが、最新のアルゴリズムを搭載することで、ついに何のサポートもなしに自立走行できるようになりました。

Bound for robotic glory | MIT News Office
http://newsoffice.mit.edu/2014/mit-cheetah-robot-runs-jumps-0915

バイオミメティックロボット研究所により公開されているムービーを見れば「Cheetah」がどのように進化してきたかがよく分かります。


最初は垂直にジャンプするところから始まった模様。

MIT cheetah Vertical Jump - YouTube


次にゆっくりと歩けるようになり……

MIT cheetah robot walking 1.5m/s (specific resistance =1) - YouTube


2012年には4本の足で初めて自走することに成功しており、ムービーを見れば一発で分かるように動作は非常にスムーズです。ただし、Cheetahが転倒しないようにワイヤーやアームなどで本体が固定されていることもよく分かり、サポートなしの状態で動かすことがいかに困難であるかも実感できます。

MIT Cheetah's first run - YouTube


さらに、2013年には時速22kmで走ることもできるようになっていました。

MIT Cheetah runs at 22 km/h, Gait transition from trot to gallop - YouTube


そんなMITのCheetahは、最新のアルゴリズムにより4本足で滑らかに動作できるようになりました。MITの運動場内で行われた試運転では、Cheetahがサポート用の機具などを一切使わずに完全に自立して走行している様子が確認できます。また、ムービー内では屋内研究所にて、33センチメートルの障害物をジャンプして乗り越える様子も見られます。

MIT Robotic Cheetah - YouTube


MITの研究員は、新しいアルゴリズムによりCheetahの最高速度は30mph(時速約48km)にまで届くかもしれないと推測しています。これは新しいアルゴリズムにより、Cheetahの各足が地面に着地した際にしっかりと力を加えられるような工夫が施されたからです。

一般的に、より速く走行するにはロボットの推進力を高める必要があります。しかし、MITにて機械工学の助教授を務めるSangbae Kim氏は、一流のスプリンターの走行方法における力制御アプローチが、Cheetahの走行法とよく似ていることに気づき、これをCheetahのアルゴリズムに組み込むことに挑戦したそうです。Kim氏いわく、「ウサイン・ボルトを含む多くのスプリンターは、足の回転がものすごく速いというわけではありません。一流のスプリンターたちは足のスライドを長くし、より力強く地面を蹴るように走っています」とのこと。


ほとんどのロボットは動作が遅くて重量も重いので、高速で移動している際のコントロールが上手くいかない、とのこと。しかし、Cheetahは走りながら障害物を飛び越えることにも成功しており、「これが他のロボットと比べた際のCheetahの特殊な部分」とKim氏は語っています。

Cheetahがこれほどまでにさまざまな動作に優れているのは、MITにて電気工学の教授を務めるJeffrey Lang氏が開発した高トルク密度電気モーターのおかげとのこと。さらに、モーターが動きを伝えるCheetahの足パーツは、MITのResearch Laboratory of Electronicsにて主任を務めるDavid Otten氏が開発したものです。これらの特殊なモーターや足パーツにより、力制御に力覚センサーなどのデリケートな機器を使用する必要がなくなったそうです。


なお、Cheetahはアイスバケツチャレンジのお手伝いも行っており、その万能性には目を見張るばかりです。

MIT Cheetah robot helps with the Ice Bucket Challenge, by Sangbae Kim - YouTube

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in サイエンス,   動画, Posted by logu_ii

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