取材

ガンジス川沿いのバラナシでバックパッカーが過ごす平凡な一日



インドを訪れるバックパッカーのほとんどが立ち寄る街といえば、ガンジス川沿いのバラナシでしょう。思いがけず忙しないバックパッカーの日常をお届けします。

こんにちは!世界新聞特命記者の雑色啓晴です。海外旅行保険の更新とパキスタンビザ取得のため一時帰国し、パキスタンに陸路で抜けるためインドに戻ってきました。今回はガンジス川で有名なバラナシでバックパッカーが送る普遍的な一日をご紹介します。

◆日本人宿とは?
まず、僕が今泊まっている宿・サンタナゲストハウスを紹介します。インドの有名な日本人宿グループの一つです。日本人宿とは日本人の長期旅行者が多く宿泊する安宿で、スタッフも日本人のことが多いです。ここも日本人スタッフが常駐しています。


メリットとしては日本語が使えることと、それによって情報がたくさん得られることです。もちろん旅人同士の交流からも得られますが、宿泊した旅人達が書き残した「情報ノート」と呼ばれる情報集が生きた情報を得るのに効果的です。


例えば、コルカタに宿泊した時に情報ノートから、つい最近バングラデシュへ陸路で入る際にもアライバルビザがとれるようになったことが判明しました。


ちなみにバラナシのサンタナゲストハウスはドミトリーが一泊200ルピー(約350円)で朝食付きと一般のゲストハウスと比べても激安です。写真は男子ドミトリ-の様子です。


◆午前5時:起床は日の出前
では、バラナシでの一日を時間とともに説明していきます。

この日起きたのは朝5時です。ここ、バラナシにはガンジス川と呼ばれるインド人にとっての聖なる河があります。Wikipediaの「ガンジス川」の記事によると、インド人はその川で沐浴することによって神のご加護をもらいますが、死体や糞も流すので近年この川の大腸菌レベルはインド政府の定める基準の100倍になっているそうです。

この川辺から見る日の出は異国情緒溢れるとのことで行ってみると、日の出前から熱心に沐浴している人を多く見かけました。


しかし、この日はあいにくの曇りでうっすらと赤色が見えただけでした。日の出は世界各地で見られるので、寝坊と思われがちなバックパッカーが睡魔と闘う日もしばしばあります。


◆午前6時:ガンジス川で沐浴
川辺でボーっとしていると、中学生たちが声をかけてきました。話をしていると、なんと……彼らは一度もガンジス川で沐浴したことがないとのこと。しかも、入ったらすぐシャワー浴びないといけないし……と、敬遠していました。そういった類のインド人もいることが驚きでした。


そんな中、僕は沐浴に挑戦しました。温度はぬるかったです。ちなみに同じ宿の旅人は沐浴後、39度の熱を出していましたし、この時期(雨季)は町中から汚物が溶け込んだ雨水が川に流れ込むのでインド人でも肌がかゆくなる人がいるそうです。僕はすぐに、持ってきた水で体を流しました。


◆午前8時半:朝食で安全な野菜を摂取
その後は宿に戻って朝食です。200ルピー(約350円)に含まれるものなのでトースト・野菜スープ・チャイ(インドの甘い紅茶)と質素です。しかし、生野菜が怖いインドにおいて、安心した野菜がしっかりとれる食事はごちそうになります。ちなみに、以前僕はネパールでジアルジアという寄生虫にやられました。この日は追加で15ルピー(約25円)のヨーグルトを付けました。


◆午前10時:周辺散策
ゆっくり朝食を摂った後は散歩に出かけました。晴れたインドはとにかく暑かったですが、滞在2日目にして新しい発見がありました。

まず、バラナシの小道はとにかく汚いです。インドはヒンドゥー教なので神聖なる牛と共生しています。したがって、特に小道は牛糞が散乱し、ごみと混ざって異臭を放っています。牛がごみを漁っている姿はインドの象徴だと思います。


そんな小道と格闘しながらも再びガンジス川沿いに出て、死体の火葬場に行きました。ここは全インドから遺体が集まり一日400人の火葬が行われます。残念ながら写真撮影は禁止でしたので川沿いのものを。


川沿いを歩いていると、必ずインド人に話しかけられます。川を渡るボートやお土産屋の客引きです。初めは「どこから来たの?」などと土産屋でないことを装って話かけてきます。今回は就寝時の虫の対策に長ズボンが欲しかったので、英語が喋れる彼についていきました。


お店は綺麗に陳列されており、心地よい空間でした。スタッフも英語が流暢に話せます。他に日本語が堪能な店もありました。


そこで買ったアリババというぶかぶかパンツ。550ルピーから300ルピー(約500円)に値切りました。


店を出ると、大きな通りは人でごった返していました。どうやら、この日はお祭りがあったようです。もちろん人だけではありません、牛、犬、ヤギ、ごみをかき分けながら進まなければなりません。


道の両側にはマンゴー、野菜、モモ(チベット発祥の伝統的な蒸し餃子)など様々な露店が軒を連ねます。マンゴー4つを50ルピー(約85円)で購入しました。宿に戻って食べるのが楽しみです。


◆午後1時:昼食は中国人とインド人と一緒に
宿で仲良くなった旅人が、中国人とインド人と一緒に昼食を食べるということで混ぜてもらいました。「ブルーラッシー」というこの界隈では有名なラッシー屋で待ち合わせです。奥にいる中国人女性はカウチサーフィン(旅人と宿主を繋ぐSNS)を利用して隣のインド人ホストの家に泊まっていました。


40ルピー(約70円)でバナナラッシーを注文しました。見てください、この溢れんばかりの量。ラッシーとバナナの甘さと酸味にナッツの食感がよく合い、大満足でした。


その後は、インド人ホストのバブーお勧めのインドカリーに連れて行ってもらいました。30ルピー(約50円)とまさに庶民の味です。チャパティと呼ばれるナンよりも小さい小麦粉を薄く焼き上げたものにベジタブルカレーと辛めのピクルス。


◆午後2時:インド人がガイドしてくれる観光へ
その後は引き続きインド人のバブーに連れられて、サールナートいうブッダが初めて説法をした場所に行きました。裸行を行う、インドの宗教であるジャイナ教というものを初めて知りました。


ここのおすすめは横になれるほどきれいな芝生があることです。町中が汚いバラナシでこのような場所があるなんて、ガンジス川よりもホーリープレイスだと思いました。


◆午後5時半:旅の計画はインド人スタッフと
宿に戻り、汗でびしょびしょになったTシャツとパンツを洗いながらシャワーを浴び、今後の計画を立てます。


次に行く予定の町はWi-Fi付の宿が少なく、インド人スタッフに尋ねてやっと見つけることができました。彼らは宿に電話までして確認してくれました。ちなみにインド人スタッフのバダルは日本語を話します。


◆午後7時半:夕食は宿で日本食をいただきます
ここサンタナではこのホワイトボードに17時半までに名前を書けば、120ルピー(約200円)で夕食を作ってもらえます。


今夜のメニューはかき揚げ丼とスパイシーな野菜スープです。お米も日本のようにふっくらとした具合に炊き上げていただいているので箸が進みます。少し焦げが目立つのはご愛嬌ですね。


午前中に買ったマンゴーも忘れずに。自ら切って食卓に華を添えます。


食後はそのままビールで乾杯します。こういう時はもちろん、旅の話で盛り上がります。行きたい場所が増えたり、共通の旅人の知り合いがいたりと有益で楽しい時間です。


◆午後10時:就寝と思いきや出発
さて、アルコールで気持ち良くなってきたところで就寝……となればいいのですが、夜行寝台列車で次の町に向かうため宿を出ます。インドでは、この寝台列車が安いため旅人の足となります。では、次の冒険へ行ってきます。


◆まとめ
この日はインド人バブーが観光に連れて行ってくれたので、思いがけず忙しい日になりました。普段はもう少しゆったりしています。でも、出会いは国籍を問わず、毎日新しい人との連続です。そんな出会いが自分のオリジナルな旅を形作って行きます。この記事を通して、バックパッカーを身近に感じていただき、旅の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

・一日にかかった費用
宿代:200ルピー
水代:30ルピー
食事代:290ルピー(ヨーグルト、ラッシー、マンゴー、昼飯、夜飯、間食)
移動費:110ルピー
入場料:100ルピー
酒代:200ルピー
買い物代:300ルピー
合計:1230ルピー(約2100円)

・旅の記録


文・取材:雑色啓晴
監修:世界新聞 sekaishinbun.net


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in 取材, Posted by logc_nt

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