取材

インドを自転車で旅したチャリダーマンの1日はこんな感じ


交通費はまったく必要なし。その代わり、自分の足で進んでいくのが自転車の旅。目的地を目指して少しずつ距離を詰めていきます。やっている事は1日で1マス進むすごろく、1日1打のゴルフみたいなもの。それでも、どんなに離れた場所だって諦めなければ必ず到達します。

こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。スリランカの旅を経て、世界一周の心残りだったインドに到達。レイプや詐欺など、嫌なニュースしか聞かないインドに不安でいっぱいだったのですが、走り出してみると何とかなるものです。安宿を繋げながら、距離を伸ばしていきます。

◆はじめに
世界新聞の旅人さんたちが書いた「もしバックパッカー世界一周すればこんな1日を送ることになる」「普通のアラサー女子が世界一周するとこんな1日を過ごすことになる」「ガンジス川沿いのバラナシでバックパッカーが過ごす平凡な一日」といった記事が面白かったので、「だったらチャリダーの1日も紹介したい」と私も記事を書いてみました。インドはムンバイから降り立って、タージ・マハルのあるアグラを目指すことに。4月3日にグナ(Guna)からシブプリ(Shivpuri)まで約96kmを走った1日は、このような感じでした。

◆07:30 起床
希望は6時、最低でも7時という目標も、腰を上げたのは7時30分。朝は早いに越したことはないのですが、なかなか起きられません。

たいていの国では、前日に買ったパンを朝食にしているのですが、インドでは見つからないのでクッキーを食べています。そこまでお腹は空かないのですが、朝からうんこは出しておきたい。走行途中に、トイレを探してヒヤヒヤしたくはありません。朝のトイレは調子のバロメーター。身も心もスッキリしての出発を心がけています。


散らかっていた部屋を片付けてパッキング完了。リアパニアバッグ、ダッフルバッグ、デイパック、テント、洗面器の5つの荷物にまとめます。


◆09:00 出発
宿泊した安宿の部屋はビルの2階だったので、2回に分けて荷物を降ろします。まずは、自転車を降ろして鍵。鍵をした自転車ごと盗難という危険もありますが、人通りがあれば大丈夫でしょう。部屋に戻って、バッグを降ろして、自転車に積みます。

昨年の一時帰国の際に組み上げたドッペルギャンガーの折り畳み自転車で旅行中。


最近は、このような走行スタイル。若かりし頃は半袖シャツでも大丈夫だったのですが、メキシコで日焼けした際、一気に肌がシミになったので、それ以来は長袖を着用しています。サングラスから伸びているミラーは後方確認に便利で、旅には欠かせないアイテムの一つ。


ジーッと出発作業を見守っていた男たち。写真を撮らせてもらうと、決まっています。イケメンでした。


この日はグナ(Guna)という町がスタート。インド人の朝は遅いので、市街の交通量は少なめ。分かっているので、もう少し早く出発したいんですけどね。


市街を抜けます。もしかして、高速道路と期待したのですが、市街を迂回するバイパスでした。


この日も2車線の細い道を進みます。こんな道にも関わらず、交通量は多いので一苦労。ダンプカーや大型トラックに、レトロゲームの効果音みたいな大音量のクラクションを鳴らされ、未舗装の路肩に弾かれます。反対車線をものすごいスピードで迫ってくる追い越しトラックは恐怖。アスファルトも穴が開いてたり、波打ったりするので、走っていて疲れます。


ムンバイから、約600km離れたインドールまではスイスイと進む高速道路。すごい時だと片側三車線ずつにサービス道路と、インドの経済発展を感じたのですが、その後は田舎道が続きました。アグラの手前で、ようやく高速道路が復活。National Highway 3をひたすら走りました。

◆11:00 小休憩
約30kmを走って、ちょっと休憩。安全運転を続けるには、気分転換も必要。


瓶ジュース200mlは、15ルピー(約30円)が相場。


◆11:15 再び走る
ただ、ひたすらに走るだけではなく、写真を撮る余裕くらいは持ちたいもの。

羊飼いと羊の群れ。


日本は桜の季節でしょうが、インドも鮮やかな花が魅せてくれます。


インドを走っていると、よく話しかけられるので、たまに立ち止まります。ただし、相手はヒンディー語しか話せないことが多く「私は日本人」「ムンバイから自転車で走っている」「アグラ、カトマンズに向かっている」くらいしか伝えられません。意思疎通ができないにも関わらず、インド人は押しが強いので苦手といえば苦手。子どもなら可愛いんですけどね。

スマホで写真を撮られたので、こちらも1枚お願いしました。警戒もするのですが、たいていはいい人です。


◆13:30 昼食
約60kmを走ったところで、昼食を取ります。辺りには何もない場所ですが、幹線道路なので、大型トラックの休憩所を兼ねる食堂がありました。


メニューがあればいいのですが、ない時は適当に頼んでいます。ご飯が食べたいので「ライス」、あとは「ダール(豆)」か「カリー」の組み合わせ。そして、値段を確認して、問題なければ注文。そうして出てきた40ルピー(約80円)のぶっかけ飯は、スパイスが効いたインドの味でした。


話しかけてきてくれた恰幅のいい男性。


「私も撮りなさい」とアピールしてくれたおじさん。


◆14:30 再び走る
インドでたまにみかける骨組みだけのトラック。どこかで組み立てられて、完成品となるのでしょうか。


水の補給。キンキンに冷えた水が手に入るのは助かります。


◆16:40 本日の町
本日の目的地であったシブプリ(Shivpuri)という町に突入。平坦だったので順調に進みました。この町はバイパスがあるので、大型車は中心街に入ってこられません。


大型車は居ないのですが、バス、乗用車、トゥクトゥク、トラクター、バイク、牛、豚、人、屋台が、ごった返す中心街。ぶつからないように、ぶつけないように、細心の注意を払いいつつ、本日の宿を探します。


◆17:00 本日の宿
友人のチャリダーから事前に「宿泊拒否に遭う」と聞いて憂鬱だったインドの宿探し。確かに私も「部屋はいっぱいだ」と言われて、何度か諦めています。インド人しか泊めないのでしょう。外国人の宿泊は手続きが多くて、面倒そうです。ただ、そうは言いながらも、宿泊拒否のケースは稀で、毎日安宿に泊まれています。パスポートの顔写真のページとインドビザと入国のスタンプのページは、宿がコピーを取るので、予め用意しておくとスムーズです。

市街でみかけた警官に「DELHI HOTEL」を勧められて到着したものの、この外観だと予算オーバーになりそう……。


恐る恐る値段を確認。インドの安宿は、エアコンのACと天井ファンのNon ACで値段が違います。値段の安いNon ACが1泊500ルピー(約1000円)だったので即決。インドではこの位の値段の安宿に泊まることが多いです。


部屋に自転車を入れても問題なし。広い部屋だったので、十分にくつろげました。


清潔感のないトイレ・シャワー。シャワーはバケツで、水浴びです。


部屋に着いたら、まずは自転車から荷物を降ろします。靴、ヘルメットはベッドの下に並べるマイルール。


充電関係は先にやっておくと、就寝前に片付けられるのでおすすめ。


ゴミ箱となるビニール袋を用意。


洗濯は、洗剤を入れて浸け置きすると、汚れがよく落ちます。持ち運びは面倒ですが、洗濯のための洗面器は私にとっては必需品。インドは暑い時期なのですが、安宿があって洗濯もできるので、毎日気持ちを入れ替えて走ることができています。


◆17:40 街歩き
明るいうちに写真を撮りたいので、街を散策。この時期だと18時30分頃に日が暮れます。

屋台で10ルピー(約20円)のアイスクリームを発見。


続いて、20ルピー(約40円)の手作りレモンスカッシュ。搾りたてのレモン汁に、香辛料や、調味料、ソーダ水を加えて、かき混ぜます。このときは甘さがイマイチ。甘味、酸味、塩味のバランスが取れていると、最高なんですけどね。


◆19:30 夕食
インドは、夜になっても人通りが絶えないので、19時過ぎくらいに夕食に出ています。


昼と同じ、ダール(豆)とライスの夕食。メニューがないと、これくらいしか注文できません。細長いお米は、そのままでは口がパサパサ。香辛料の効いたソースも、そのままでは味が濃すぎます。ソースとライスが合わさることで、ちょうどいい塩梅に。


食堂では瓶ジュースを頼むことが多いのですが、この時はなかったので店頭で営業していたサトウキビジュースを飲みました。食堂も水道水をコップに入れて、持ってきてくれるのですが、衛生環境が怖いので口につけることできません。


食後にミントのような香料と、ザラメ状の砂糖を口に入れるのがインド人の習慣のよう。何度か試してみたのですが、口内がグチャグチャになり、ムワッとした香りが迫ってくるので、慣れるには至りません。


◆20:30 部屋にて
パソコンを立ち上げて、走行や出費といった毎日のデータを入力。インドはプリペイドSIMを手に入れたので、スマホでテザリングすることで、インターネットもできます。


街でケーキ屋さんをみつけたので、食後のデザートにケーキを食べました。


パソコンの作業や、部屋の片付け、明日の準備を済ませて、23時ごろには就寝。

インドで走るときは、だいたいこのような毎日です。他の国でも、安宿がメインなら同じような感じでしょう。バックパッカーに比べて、移動が長くなりがちですが、知る人の少ない海外の町に立ち寄る無駄こそ、この旅の醍醐味だと思っています。


ムンバイから4+2+4+2と休憩を挟みつつ、12日で約1200kmを走り、タージ・マハルのあるアグラに到着。インドの旅も着々と進んでいます。同じようにして、次はガンジス川のあるバラナシまで走る予定です。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
)

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in 取材, Posted by logc_nt

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