特殊印刷&おもしろ製本が家でできるアイデアてんこもりな「特殊印刷・加工DIYブック」でスゴ技をいろいろ試してみました


印刷会社に頼んでの自費出版はお金がかかるので凝った製本が難しく、そもそも少数しか刷らないので会社に頼むほどではないという時もあります。そこで家でも魅力的な印刷物を作れるアイデアや方法をまとめたのが「特殊印刷・加工DIYブック」です。低予算でもユニークな本が作れるようになっているとのことなので、実際に本に載っているスゴ技をいろいろ試してみました。

Amazon.co.jp: 特殊印刷・加工DIYブック: 大原健一郎, 野口尚子, グラフィック社編集部: 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4766123034

特殊印刷・加工DIYブックは印刷・加工DIYブックに続くシリーズ第2弾で、特殊印刷に焦点を当てたもの。サイズは23.3×18.5×1.8cmです。


全部で128ページ。


手作りの雰囲気を出すためにあえて上部裁断はされていません。


ペラッとページをめくってこれが目次。


目次は以下のような感じになっています。

◆基礎編 基本の「切る・折る」をマスターしよう
製本家・都筑晶絵さんに学ぶ折ると切る
「Craft ROBO」で細かい切り抜きを実現

◆実践編 I 印刷する
01 お手軽シルク印刷
02 シルク印刷で発泡プリント
03 シルク印刷で蓄光プリント
04 シルク印刷で様々な素材をつける
05 シルク印刷で写真にビーズプリント
06 オリジナル水貼りテープをつくる
07 バーコ印刷のような盛り上げ印刷
08 透かしインクを使って絵柄を透けさせる
09 感熱紙と透明インクで白抜き印刷
10 トナー転写する
11 カードの小口に色をつける
12 本の小口や紙の断裁面に印刷する
13 やわらかい樹脂板でローラースタンプ
14 樹脂板を日光にあてて手軽につくる
15 活字を組んでスタンプをつくる

◆実践編 II 加工する
01 ミシンでクリアファイルをつくる
02 ミシンで封緘(ワンタッチ開封)
03 ミシンで封緘(タグ付き)
04 ラミネーターでつくれる圧着ハガキ
05 ラミネーターでラミネート加工
06 アイロンを使ってラミネート
07 ラミネートフィルムでスポットラミネート
08 ブックコートフィルムでコーティング
09 ホットメルト紙で和紙ラミネート
10 ろう引きした紙で封筒をつくる
11 シールやシートのきれいな貼り方
12 活版キットでくっきりエンボス加工
13 クリップシーラーでヒートシール加工
14 透明な樹脂を盛ったポッティングシール
15 洗い流さない防染のりで型染め

◆実践編 II 綴じる
01 本を入れるスリープを作る
02 カラフルな芯のホッチキス留め
03 背に色をつけた色つき天糊製本
04 専用定規と普通のホッチキスで中綴じ
05 中綴じ本を使ってコデック装
06 平綴じ
07 いろいろな素材をはさんで中綴じ
08 こよりで綴じる
09 封筒や冊子にマルタックをつける
10 さまざまな止め金具を使って綴じる
11 くるみ表紙つきの蛇腹綴じをする
12 1枚の紙を折るだけ製本
13 折り方を工夫して書籍のカバーづくり
14 ストローを使って巻物をつくる
15 スピン(しおり紐)つき中綴じ製本

◆道具紹介

目次の次にはDIY作品紹介。これから作る本の参考にするもよし、見て楽しむのもよし、というユニークな作品が続きます。


紙を水でぬらして乾かすだけで古い封筒を演出できるという例や、はぎれを使った中綴じ製本、レーザープリンターで原稿用紙に出力した本など、創作意欲を刺激する作例がいっぱいです。


基本となる製本のきれいな切り方も載っていました。


ということで、本に掲載されている中から今回は「トナー転写する」「お手軽シルク印刷」「シルク印刷で様々な素材をつける」「透かしインクを使って絵柄を透けさせる」「背に色をつけた色つき天糊製本」方法を試してみます。

◆トナー転写する
まずは箱や板などプリンターが使えない立体物にでも好きな柄を印刷できてしまうというスゴ技に挑戦。必要なのは除光液とマスキングテープ・トナーのコピー機やレーザープリンターで出力した印刷物、そして図柄を転写する板など。


まずは板に転写したい印刷物をペタッと貼ります。


ティッシュに除光液を染みこませて……


絵柄の紙に除光液をつけていきます。


全体的に紙が透き通ったらOK。


ボールペンのフタなどで絵柄を軽くこすり、転写を行います。このときに除光液が乾いてしまったら追加で除光液で湿らせるといいとのこと。


ペリっと剥がすと板に絵柄が転写されました。


線画などはわりと簡単に転写できるのですが、インクが使われている面が多い写真などは板と紙がくっついてしまって転写が難しい一面も。紙が張り付いてしまうときは少々の水で湿らせながら剥がすといいとのことです。


カラー写真を転写してみました。一部うまく転写できないところもありましたが、これはこれで雰囲気があっていいかも。


文字などを使用する時は左右を反転するようにしましょう。


白黒写真の場合は比較的キレイに転写できました。


また、プラスチック製の石けんケースにも印刷してみます。


仕上がりはこんな感じ。板だろうが段ボールだろうがプラスチックだろうが簡単に転写できてしまうので、オリジナルグッズをおうちで作りたい、という時などにはかなり使えそうな技になっています。


◆お手軽シルク印刷
続いては「お手軽シルク印刷」と「シルク印刷で様々な素材をつける」にチャレンジ。


使用する「個人用スクリーンキットサン描画セット」はAmazonで税込2630円で購入できます。

Amazon.co.jp: 個人用スクリーンキットサン描画セット: おもちゃ
http://www.amazon.co.jp/dp/B0020V9K94



これが届いた個人用スクリーンキットサン描画セット。中にはスクリーンわく標準判2枚・紙製スクィジー・スクィジー樹脂製標準判用・サン描画乳剤・サン描画剤・面相筆・サン描画用洗い油・刷り台が入っていました。


そのほかに用意する物としては、マスキングテープ・鉛筆・布きれ・新聞紙・ドライヤー・インク・ヘラ・紙など。


シルクスクリーンは手描きのイラストでも可能なのですが、今回はPCで作成したものを出力。


まずは下絵の上にスクリーンを載せ、動かないようにテープで固定してから鉛筆でなぞって下絵を写します。


スクリーンの下にわりばしなど5mm程の厚みのものを挟んで浮かせます。


付属されているペンタイプの描画剤で下絵をなぞって描いていきます。


細かいところは付属の液状タイプの描画剤と筆で作業。


光にかざしてふさがっていない部分があればペンで塗って完全にふさぎます。ふさがっていないと図版がきれいに抜けないので、ここは慎重に作業を行いましょう。


図版をドライヤーで乾かします。


乾いたらスクリーンを裏返して乳剤を置き……


付属のスキージを60度くらいの角度であてて、上から下へゆっくり引いて1回で均一に繰り広げるのがポイント。


余った乳剤を拭き取ったらドライヤーで乾かします。


次は洗い油を筆に含ませ、スクリーンをこすって描画剤を洗い落とします。


布きれなどで描画剤の皮膜をきれいに拭き取って……


これでスクリーンは完成。


続いて、いよいよ印刷作業です。付属の刷り台にスクリーンと紙をセットし、専用のインクを付属のヘラでスクリーン上部に塗っていきます。


スキージでインクを伸ばせば……


印刷完了。この調子で何枚も同じ絵柄をプリントしていけるというわけです。


始めは力加減やスキージの角度が分からずうまく印刷するのはやや難しめ。


何度か繰り返していると「たっぷりインクをつけたい時はスキージの角度をやや低め」「うすく付けたいときはスキージをやや立ててインクを塗る」という感じでコツを掴んでいけるので、徐々に失敗は少なくなりました。


印刷が終わった後はインクが固まる前にしっかりスクリーンを洗います。インクが固まってしまうとせっかく作った図版がふさがってしまうので注意。


さらに、インクがない場合はポスターカラーや水彩絵の具をでんぷんのりと混ぜて使用することも可能。


こんな感じでカラフルな印刷が行えます。


◆シルク印刷で様々な素材をつける
ここからはさらに応用編。台所にある粉物を使っても特殊なプリントが可能とのことなので、小麦粉やカレー粉・食紅を使って印刷してみます。


インクの替わりに木工用ボンドを使ってプリントを行います。


図柄の上にさらさらとカレー粉を振りかけていき……


余計な粉を払うと絵柄が出現。


あとはドライヤーで乾かせばOK。もっこりと立体的なシルクスクリーンになるというわけです。カレー粉を使った場合、印刷物がカレーのいい匂いになっていたので、カレーの同人誌を作る時はぜひ使ってみたい技です。


小麦粉を使うとモコモコ感が出てこれもユニーク。


食紅の場合はボンドに溶けてしまい、怪しげな血痕っぽいプリントが完成しました。


さらに応用編としてモコモコした発泡プリントができる方法や……


暗がりで一定時間光る特殊なシルクスクリーン印刷の方法なども記載されています。


◆透かしインクを使って絵柄を透けさせる
次に行うのは絵柄を透けさせる方法。バーサマーク インクパッドを使っていきます。


バーサマーク インクパッドはAmazonで税込693円で購入可能。

Amazon.co.jp: バーサマーク インクパッド: おもちゃ
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パカッと開けてみると、インクパッドは真っ白。


今回は手描きイラストを携帯で撮影、メールで写真を送ればそのままスタンプになる「スタンプ工房」で作ったスタンプを使っていきます。


方法は簡単で、紙にペタペタとバーサマークのインクをつけたスタンプを押していくだけ。


これで完成。


光にかざしてみると、透かしがハッキリわかります。


ということで透かしを入れた紙で封筒を作ったり包装を行ったりした様子はこれ。


中に色の濃いものを入れると模様が浮き上がってくるというユニークな仕上がりになりました。何の変哲のない紙をプレゼント用の包装紙に変えてくれるというわけです。


なお、分厚い紙にスタンプすると透け感はあまりなく、色が濃くなりました。


さらに応用編としてFAXで使う感熱紙をアイロンやラミネーターで黒く変色させ、バーサマークインクで白抜き印刷をする方法なども載っています。


「加工する」編にはDMなどによくある圧着ハガキをラミネーターで作る方法。


シールやシートのきれいな貼り方。


「活字を組んでスタンプを作る」など。


◆背に色をつけた色つき天糊製本
「綴じる」編からは背に色をつけた天糊製本に挑戦。


まずは紙の束をクリップで挟んで固定します。


糊が不要部につかないように、背の下部分をぐるっと一周マスキングテープで巻いておきます。


木工用ボンドと食紅や粉末顔料を混ぜて……


本の背にボンドをぬりぬり。


しばらく乾かします。


ボンドが乾いたらマスキングテープを剥がせば……


こんな感じで本が完成。


背の真ん中をマスキングテープでマスクしておくとまた違った雰囲気の本ができるようなのですが、テープの貼り具合が甘かったのか、ちょっと失敗してしまいました。


そんな時は文房具店などで売っているラメ入り糊を使ってもOK。


こんな感じでアレンジ。


もう1冊もラメラメな本にしてみました。


ちゃんと冊子になっています。


作成した本は以下のムービーからでも確認できます。

DIYで天糊製本に挑戦してみた - YouTube


「中綴じ本を使ってコデック装」や……


「くるみ表紙つきの蛇腹綴じ」というちょっと変わった製本方法もありました。


この他にもミシンを使ったアイデアなど使える技や方法がてんこもりとなっており、写真付きで詳しい作り方を解説してくれているので初心者にも易しく、「凝った本や印刷物を作りたい」と思っている人ならば持っていて損はない1冊。また見ているだけでもワクワクした気分になれるので、観賞用としてもオススメです。


印刷・加工DIYブックはAmazonで税込2376円で販売されています。

Amazon.co.jp: 特殊印刷・加工DIYブック: 大原健一郎, 野口尚子, グラフィック社編集部: 本
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