レトロな雰囲気の活版印刷がおうちで可能になる大人の科学マガジン「小さな活版印刷機」を実際に使ってみました


文字の部分が凸型になっている活字にインキを塗り、紙に押しつけて印刷する活版印刷は、デジタルにない独特の温かみがあるなつかしい文字を印刷できます。2017年12月15日(金)にリリースされた「大人の科学マガジン」には組み立てて使う「小さな活版印刷機」が付録になっていたので、実際に購入して組み立て&使ってみました。

小さな活版印刷機 | 大人の科学マガジン | 大人の科学.net
http://otonanokagaku.net/magazine/vol45/index.html

小さな活版印刷機を実際に使っている様子は以下のムービーから見ることができます。

大人の科学マガジンふろくの「小さな活版印刷機」で遊んでみた - YouTube


目次
◆小さな活版印刷機を組み立ててみた
◆実際に使ってみた
◆さらに遊んでみた

◆小さな活版印刷機を組み立ててみた
これが到着した大人の科学。サイズは 28.8×21.6cmで……


付録の箱が大きいので、厚さは6.5cm。


さっそく付録の箱を開けてみるとこんな感じ。


入っているパーツは、圧盤アーム・土台・ハンドル・把手(とって)・シャフト(短・中・長)・アームユニット・ストッパー・プラスドライバー・活字(ひらがな&英数字)・マット・吸収紙・インキ台・版盤・シャフトボード・圧盤・インキローラー・ローラーホイール・留め具(短・長)・なべネジ・スポイト・黒インキ。


大人の科学の冊子の方には……


以下のような感じで組み立て方がイラスト付で解説されているので、組み立て作業に慣れていない人でもサクサク作れるようになっていました。なお、本体組立時間は30分で、専用ドライバーもついているので大人の科学が届いたらすぐに作業に入ることが可能です。


ということで、さっそく組み立て開始。まずは圧盤アームのサイドの穴になべネジを入れて……


付属のドライバーを使って左右のアームをネジで固定していきます。


土台についても同じく、左右の土台を合わせ、サイドに開いている3箇所の穴にネジをねじこんでいきます。


先ほど作った圧盤アームの突起を土台の穴に差し込んで、ここもネジ止め。こんな感じで多くの作業が「組み合わせる」→「ネジで固定」するで完了するので、非常にシンプル。


版盤を取り付けていきます。


版盤のツメを土台の突起に合わせてネジ止め。


シャフト(中)とシャフト(短)を本体の前後に通します。


シャフトに左右のアームユニットを取り付け……


留め具で固定。


だんだん機械っぽい見た目になってきました。シャフトとアームユニットの両端をなべネジで留めます。


こんな感じで、ネジは2mmくらい浮いていてOK。


ハンドルを取り付けます。


横から見るとこんな感じ。


シャフトボード・アームユニット・ハンドルに、シャフト(長)を通します。


シャフトの左右に留め具を装着。


1つだけ入っていたつば付きネジはハンドルをシャフトボードにつけるものでした。


続いて、インキ台にストッパーをつけて、なべネジで留めます。


いよいよインキ台の取り付け。


インキ台がセットできたハンドルを前に倒して、アームユニットのカギ状の部分を本体上部に持ってきます。


インキローラーを取り付けます。


マットを取り付けた圧盤を……


本体にセット。圧盤の裏にある5つのカギ状の部分をシャフトにはめていきます。


活字盤を取り付けたら……


完成です。


143.6×70.9mmのiPhone Xと比較した時のサイズはこんな感じ。


フットプリント。


横から。


後ろから見た様子。


冊子をめくったところには小さな活版印刷機のモデルになった手動式の平圧印刷機「手フート(テキン)」の写真がありますが、確かに手フートを縮小したようなレトロな見た目になっていました。


◆実際に使ってみた
小さな活版印刷機にはひらがな・数字・アルファベットなど計162個の活字がついています。ということでまずは活字を1つ1つのピースに切り離していくところから。


こんな感じで切り離した際にバリが残っていると、活字台に差し込んだ時に文字ごとに高低差が生まれてうまくインキが乗らなくなるので、バリはきれいに取る必要があります。これがなかなか細かい作業で、かなり時間を取られます。爪切りを利用するとバリとりがしやすいのでオススメとのこと


切り取ったら活字台に文字をのせます。


一方の本体では、いったんインキ台を離し、吸取紙をセット。


再びインキ台を取り付けたら、付属のスポイトを使って吸取紙を湿らせます。


こんな感じでうっすら濡らす程度でOK。


インキをのせ……


インキローラー全体にインキがのるまで練ります。


さきほど準備した活字台をセット。


ハンドルを前後に動かして活字台にもインキをのせていきます。


冊子の中には印刷用紙としてキャピタルラップ120g/㎡とハーフエア・コットン209.4g/㎡が2枚とじられているので、試し刷り用紙としてハーフエア・コットンを使ってみます。


カットした用紙をセット。


ハンドルを……


ぐっと手前に引くと、文字が紙に押しつけられます。


……ということでこれが記念すべき最初のプリント。かすかに「?」だけが認識できます。


うまく印刷ができない理由としては「活字の高さがそろっていない」「インキが文字全体にのっていない」「紙の凹凸が強すぎる」などの理由が考えられるとのことなので、文字を確認してみると、確かに押し込みが甘く高さがそろっていない部分がありました。なので文字をぐっと押し込んで高さを調整。


さらに、インキローラーのインキも足りなかったのだろうということで、ローラーをインキ台で転がします。インキののりが悪い時はローラーの両端を持ち、インキ台に押しつけるとうまくいきやすいとのこと。


何度か試していると、ついに文字の印刷に成功。活字台に文字を置くときは左右逆にしなければいけないので、微妙に文字の向きを間違ってしまいましたが、それすらもオシャレに見える風合いです。


さらに、ひらがなも使えるとのことなので、試してみます。


印刷したものはこんな感じ。アルファベットは基本的に1種類ずつで使用頻度の高い小文字については2つ、ひらがなはすべて1種類ずつなので、同じ文字を何度も使うような文書は印刷できませんが、大文字と小文字の両方を駆使するなどすれば、ある程度の内容は書けそうです。


使い終わったら付属の活字外し器を使って活字台から活字を外し……


インキ台・インキローラー・使った活字などをぬるま湯で洗います。


なお、冊子では、プロの活版印刷屋さんや大日本タイポ組合のメンバーなどが小さな活版印刷機を使って作品作りをしているページもあり、同じ文字を2つ使いたい時に「あえて1文字あけた状態で2版刷る」という方法も公開されていて、「なるほど!」と活用のヒントを得ることができます。


消しゴムハンコを活字台にくっつけることで、イラストと文字を組み合わせたり……


描いたものを樹脂板にしてくれる真映社の活用方法なども記載されていました。


◆さらに遊んでみた
大人の科学マガジンに含まれるセットだけではなく、100均で買えるような材料でも代用がきくとのことなので、実験してみました。


例えばインキローラーは表面のフェルトを剥がして……


100均で売られている「シール付フェルト」を巻き付ければOK。


こんな感じ。


吸取紙はキッチンペーパーで代用可能。


先ほどと同じくスポイトでぬらすと、インキ台にしっかりと紙がひっつきました。真映社によると「キッチンペーパーを使う場合はロールの方向を縦にすればシワもなくピンと貼ることができる」とのこと。


インキは水彩絵の具でもOK。


インキローラーでインキを練ってみたところ、キッチンペーパーが少しめくれやすいのが難点でした。


活字にインキをのせることは難なくできました。


実際に刷ってみたところ、こんな感じに。


文字のかすれ具合といい、なかなか雰囲気があります。


さらに、活字を袋に入れるなどして保存すると、いざ使おうとした時に目的の字を探すのに手間取る……ということこで、そんな時にはのり付パネルを利用。


パネルに等間隔に穴を開けていき……


のりの上に活字を並べれば、欲しい文字をさくっと取り出せます。これは活字を切り離すのと並行してやると後々便利そうでした。


ということで、本体を作るのは非常に簡単で、20~30分で完了しますが、活字の切り離しや保存にちょっと時間がかかるという印象。また、慣れるまでは手にインクを付けながら行う必要があるので、実際に小さな活版印刷機が必要になる前に練習していた方がよさそうでした。ただ、慣れるといい感じに風合いのある文字がサクサク印刷でき、メッセージカード作りなどに役立つはず。家にあるものや100均で購入できるもので代用可能となっているのも使い勝手がいいと言えます。

なお、大人の科学マガジン 小さな活版印刷機は記事作成現在Amazonで3780円で購入可能。ただし次の入荷予定は2018年2月28日となっています。

大人の科学マガジン 小さな活版印刷機 (学研ムック 大人の科学マガジンシリーズ) | 大人の科学マガジン編集部 |本 | 通販 | Amazon


・2017年12月23日(土)追記:
なお、活字とローラーは定額小為替を送ることで追加注文可能となっています。

・関連記事
40ページのコピー本が簡単に製本できる多機能定規「ナカトジール」を使ってみた - GIGAZINE

14秒で1冊の本が完成する中綴じ機能付きコピー機のコピー本製作ムービー - GIGAZINE

初期費用0円・在庫0冊で本が出版できる「中林製本所」 - GIGAZINE

「1冊から」「数百円で」本が出版できる「OneBooks」を使ってみました - GIGAZINE

特殊印刷&おもしろ製本が家でできるアイデアてんこもりな「特殊印刷・加工DIYブック」でスゴ技をいろいろ試してみました - GIGAZINE

339

in レビュー,   ハードウェア,   動画, Posted by logq_fa