児童ポルノの入ったUSBメモリやハードディスクをニオイで探し出す警察犬
アメリカのロードアイランド州警察では、ゴールデンレトリバーの警察犬ソローを使って「児童ポルノ(児童性虐待記録物)」所持犯を摘発しているようで、その方法というのは「児童ポルノが保存されたハードディスクやUSBメモリなどの記憶媒体」をソローがクンカクンカとニオイをかいで発見する、という不可思議なものになっています。
Hard-drive-sniffing dog, Thoreau, is cops’ latest weapon on child porn | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2014/07/hard-drive-sniffing-dog-thoreau-is-cops-latest-weapon-on-child-porn/
The dogs that sniff out COMPUTER DATA to crack down on paedophiles | Mail Online
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-2683319/The-dogs-sniff-COMPUTER-DATA-Canines-trained-detect-memory-sticks-crack-paedophiles.html
ロードアイランド州警察では警察犬がUSBメモリやハードディスクを探し当てられるよう訓練しているそうで、この訓練の結果、ソローは児童ポルノ摘発時にデータが保存された記憶媒体を発見する手助けとなっているとのことです。「もしも児童ポルノがメモリーカードの中に保存されているならば、ソローはこれをかぎつけることができるでしょう」と言うのは、ソローのパートナーを務めるAdam Houston刑事。
ソローが初めて児童ポルノが保存されたUSBメモリを発見したのは2014年6月のこと。家宅捜索中にソローが猛烈に机の辺りをかぎ回りはじめ、その机の上にある棚の中からジップロックに入ったハードディスクが発見されました。
ソローがかぎ分けられるのは記憶媒体に使用される「金属とコンポーネントのニオイ」とのことで、「児童ポルノのニオイ」が存在するというわけではありません。
犬は人間の100万倍敏感な嗅覚をもっており、さまざまな香りをかぎ分けできるように訓練を施すことが可能です。さらに訓練によっては光ディスクのニオイすらかぎ分け可能になるとのことで、実際にアメリカ映画協会は「著作権コンテンツが違法に保管されたり生産されたりしている場所」を特定するために、犬の優れた嗅覚を使ってDVDに使われているポリカーボネートを感知しようという試みに取り組んでいます。
ソローは22週間にわたってコネチカット州警察のトレーニングアカデミーにて記憶媒体を探知するためのトレーニングを受けることで記憶媒体のニオイをかぎつけることができるようになりました。訓練中には、フラッシュドライブやUSBメモリの位置もかぎ当て、どの棚に入っているかまで正確に当てることができるようになったとのことです。USBメモリやメモリーカード、コンパクトフラッシュなどは手のひらサイズなので、人目につかない場所に隠すのも非常に簡単ですが、ソローと同じ訓練を受けた警察犬が増えればミニサイズの記憶媒体でも容易に発見できるようになりそうです。
By Daniel Livingstone
犬がニオイのかぎ分けをできるように訓練する際は、犬のお気に入りのおもちゃをニオイがしなくなるまできれいに洗浄し、これの中にニオイをかぎつけてほしいもののニオイをしみこませたタオルなどを仕込むそうです。これにより、犬は自分のお気に入りのおもちゃのニオイを勘違いするようになるので、このおもちゃをさまざまな場所に隠し、これを発見できるように訓練し、目的のものが見つかった際には報酬としておもちゃ、もしくは食べ物のどちらかを与えることで、一人前の警察犬ができあがるとのことです。
・関連記事
ポルノ画像閲覧は短期記憶能力や意思決定能力の低下につながる - GIGAZINE
孫が水浴びしている写真をパソコンの中に保存したおじいさん、児童ポルノ単純所持の罪で警察に捕まり起訴される - GIGAZINE
Verizonはいかにして自社クラウド内の児童ポルノを発見しているのか? - GIGAZINE
身に覚えのない児童ポルノ所持の罪で家宅捜索される可能性 - GIGAZINE
Googleで児童ポルノやグロテスクなコンテンツがないか監視し続けた男性 - GIGAZINE
児童ポルノ画像がダウンロードできない偽リンクをクリックしただけで逮捕、有罪に - GIGAZINE
・関連コンテンツ