本棚をペラペラの平面にして中身はスマホなどで読めるようにする壁紙「Biblioteca Digitală Tapet」

AmazonのKindleをはじめとする電子書籍リーダーの登場により、じわじわと電子書籍の普及が進んでいますが、東ヨーロッパの国ルーマニアではまだまだ普及が進んでいないようです。そんな現状を打破するために進められたプロジェクトが、本棚をペラペラの2次元にしてしまおうという「Biblioteca digitală Tapet(デジタル・ライブラリ・ウォールペーパー)」です。

Vodafone - Biblioteca Digitala Tapet
http://tapet.bibliotecapemobil.ro/tapet.html

Wallpaper Places A Digital Library Full Of Books On Your Bedroom Walls [Video] - PSFK
http://www.psfk.com/2014/06/digital-library-wallpaper-qr-code-scan-books.html#!UgTwK

このプロジェクトが一体どのようなものなのか、以下のムービーで確認が可能です。

Vodafone Digital Wallpaper Campaign Case Study by McCann Bucharest - YouTube


女性が部屋の片隅にある本棚でなにやら本を選んでいる様子……

しかし実は、これは本棚の柄を印刷した壁紙を貼り付けただけの平面の本棚。

ベッドサイドの壁一面に広がる本棚も……

妙に奥行き感のある本棚も、すべて2次元に印刷された壁紙の本棚「Biblioteca digitală Tapet(デジタル・ライブラリ・ウォールペーパー)」なのでした。

この本棚ウォールペーパーの特徴は、それぞれの本の背表紙に記載されているQRコードをスマートフォンやタブレットに読み取らせると、本の中身をデジタルデータでダウンロードできるようになっていることです。

ふつう、本棚といえば奥行きや幅を取ってしまうものですが、この壁紙であれば事実上の占有スペースはゼロ。

手元に置いておきたい本をいつでも読むことができます。

誰かに貸したまま行方がわからなくなる、ということもなくなります。

いわば、電子書籍と実物の本棚が一緒になったような壁紙なのですが、このデザインプロジェクトはルーマニアのボーダフォンと家具小売店大手のmobexpertが手を組んで行ったもの。ルーマニアではモバイルデータの利用が他国とくらべて少ないという現状があったため、人々にデジタルデータを活用してもらうことを喚起する目的で進められたものとなっています。

この壁紙は特設サイトで実際に購入することも可能。

サイトの左には入手可能な本の一覧が表示されています。およそ200冊の書籍をラインナップ。

右側では、実際に本棚をプリントした際のイメージを確認できるようになっています。

左のリストで本を選び、マウスでドラッグして本棚の置きたい位置まで持っていくだけでチョイスが可能です。

本棚には書籍の表紙が表示されました。

リストの下に書かれている「ALEATORIU」は「ランダム」を意味します。このボタンをクリックすると、自動で本が選ばれて棚が全て埋まりました。

本棚のデザインは4種類から選ぶことが可能。

棚の中に飛行機や自動車のオブジェがある場合は、それぞれの色を変更することもできます。

書籍と本棚のチョイスが完了したら、「COMANDA」をクリックして決済を行います。

本棚一本分の壁紙の価格は、選んだ書籍の数には関係なく363ルーマニア・レイ(約1万1500円)。

デジタル技術を生かしているのかいないのか、ごっちゃになってしまってよくわからなくなっている感のあるサービスですが、デジタルデータ普及の試みとして興味深いプロジェクトとなっています。