「進撃の巨人」で調査兵団が使う立体機動装置をアルミ削り出しで自作する猛者が登場
単行本累計発行部数3600万部を突破した大人気コミックス「進撃の巨人」の作中で、人類が自分たちよりも何倍も大きい巨人に白兵戦を挑むために開発したのが立体機動装置です。そんな立体機動装置をアルミニウムやステンレスなどを使って作り上げるべく、まずはとんでもないクオリティでブレード部分を完成させ、その製作工程を公開する猛者が現れました。
らってん技術研究室 フルメタル立体機動装置 完成(動画あり)
http://joshualawn.blog.fc2.com/blog-entry-90.html
これがアルミ削り出しで作られた立体機動装置のブレード部分。写真で見た感じだとまさに作中で巨人を倒すために調査兵団のみなさんが振り回していたブレードそのもの。
グリップ部分はアガチスという木でできており、その他の部分はアルミニウムとステンレスで構成されているとのこと。このグリップ近くにあるレバー・トリーガー・ハンマーパーツはそれぞれ動作可能となっています。
ブレード部分は簡単には抜けないようになっていますが……
手前のレバーを引くと……
刃の部分を取り外すことができます。これなら巨人を倒しまくって刃の切れ味が悪くなっても安心。
また、アニメ通りブレードの柄の部分にあるハンマーは引き下げるとロックがかかり……
人差し指の部分にくるトリガーを引くことでハンマーが落ちるようになっているようです。
ブレードの柄は2枚のアルミニウム板により構成されており、片面には各パーツの動作ギミックがみっちり詰まっているわけ。
内部にはバネが6つ、部品が12個、電気スイッチが3つ入っています。なお、電気スイッチは特に使用していないので、立体機動装置の本体部分を作成した際に使用するつもりか何かのようです。
ブレードの柄と刃は赤枠部分の金属がロックになって固定されます。
このロック部分はレバーとワイヤーでつながっており、レバーを引くとロックが外れるようになっているわけ。
かなり凝った作りになっているブレードですが、勢いをつければ巨人(大根)を一刀両断することも可能。
製作者のらってんさんが以前に「木」で作った木製立体機動装置と一緒に並べるとこんな感じ。撮影場所がベランダではなく石造りの壁の側か何かだと雰囲気抜群になりそうなところ。
さらに、このブレードを製作したらってんさんは製作工程をYouTubeやニコニコ動画にアップしており、アルミニウムの削り出しでこのクオリティのものを作るにはどれくらい大変な思いをしなければならないかが分かります。
立体機動装置をフルメタル化してみた 【剣編】 - YouTube
立体機動装置をフルメタル化してみた 【剣編】 - ニコニコ動画:GINZA
ブレードの柄部分はアニメのワンシーンをトレースして作成しています。
こんな感じで柄部分をトレースし……
図面が完成。
次に作成した図面をダンボールに貼り付け……
手にしっくりくるサイズを選択。
さらに最適な柄の厚みを調べるために、合成木材で模型まで作っています。
そんなこんなで適切なサイズ感の柄部分を導き出した後は、CADを使って柄のディテールを仕上げていきます。
かなりの細かい作業が続いた末……
二週間程で3Dモデルが完成した模様。
グリップ部分の木の装飾は、平面に溝を彫るだけではなく曲面にピラミッド型の凹凸を彫って作成するようで……
3Dモデルを作成するために突起1つ1つの形状を丁寧に仕上げていくという荒行です。
この部分を作成するのにかかった時間は約一週間。一体ブレードを2本作成するためにどれくらいの時間がかかっているのでしょうか……。
柄部分の外装が完成したところで、次は内部機構の案を考え中……
なんだかんだでこちらも完成した様子。
柄部分は2枚の金属板で構成されており、そのうちの1枚にこれらのギミックを彫り込むようです。
ついでに可動パーツの3Dモデルもサクッと作成。
ここまできたらようやくアルミニウム板からパーツを削り出していく作業に移ります。パーツの削り出しに使うのはCNCフライス盤。
これを使えばプログラム通りに材料を削り、部品を作ることが可能になります。ただし、ちょっとしたミスですぐに故障したり先端部分が破損したりする機器とのこと。
そして柄部分のCADモデルを切削するためのプログラムを作り、これをCNCフライス盤に読み込ませ、もろもろの設定を済ませれば切削スタートです。
あとはCNCフライス盤がアルミニウム板をざっくりカットしてくれます。なお、切削所要時間は約30時間。
ガリガリガリっと切削完了。この調子で他パーツも削り出します。
内部機構が入る側の面は両面を切削する必要アリ。
そんなこんなで削り出したパーツは複数の洗浄液で洗浄し……
こんな具合に完成しました。
こちらは本体パーツ。
こんな小さなパーツもあります。
各パーツは収まる場所よりも大きめに削り出しているそうで……
これらを棒ヤスリで延々とピッタリサイズになるまで削りに削っていくわけです。
また、CNCフライス盤は高い精度で穴を空けることができないので、これで空けられないような穴は別個にボール盤を使って空けていく模様。
他にも何かしら問題が生じる度に、あらゆる工具や機材を使用して対処していけばOK。
そしてレバー部分にワイヤーを仕込み……
スイッチもはめ込めばとりあえずの内部機構は完成です。
最後は本体にネジ穴を空け……
やわらかい研磨バフをつけたグラインダーで表面の切削跡をきれいにし……
そして金属研磨液で約1時間ひたすら磨き続ければ、柄部分の金属パーツはすべて出来上がり。
つづいて柄に取り付ける刃を作成。刃にはステンレス板を使用し、厚さは1ミリ・1.5ミリ・2ミリの三種類から、1ミリと1.5ミリのもので作成してみたようです。
こちらもガンガンカットしていきます。
そして事前に作成しておいたハバキを刃に取り付ければ完成。
最後にグリップ部分の木製パーツを仕上げます。このパーツもCNCフライス盤で約8日間(200時間近く)をかけて切削したようですが、切削跡がかなり粗かったようで、溝の部分を手作業で削りなおしています。
模様部分がこれくらいきれいになったら……
ニスとステインを混ぜた液体に長時間漬け込み、グリップに色をつけます。
そんなこんなでグリップはこんな感じになりました。
各工程で完成したパーツを組み合わせればこんな感じのブレードが完成するわけです。お疲れ様です。
製作者のらってんさんによると、これらの工程でフライス盤のエンドミル(1本約2500円)は30本以上折れ、度重なる失敗でアルミニウム板(12ミリ厚1枚約2300円)を21枚消費し、合計で約50万円もの金額が財布から消えていったそうです。さらに、水道局からの最終通告もあったようで、ムービーで見るだけでは伝わりきらない壮絶な戦いがあったことが予想できます。
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