「負圧」でお茶やコーヒーを素早くおいしく淹れられる「BKON Craft Brewer」


生豆から焙煎&ドリップしてコーヒーをいれたり、カプセル式のマシンで究極のお茶が楽しめるようにしたりと、おいしいコーヒーやお茶を楽しむためにさまざまなテクノロジーが開発されていますが、まったく新しい製法を使い、短時間でそれぞれの良さを最大限に引き出してお茶やコーヒーを抽出できるようにしたのが「BKON Craft Brewer」です。

The open source artisan | BKON
http://bkonbrew.com/the-brewer/

BKON: Bringing The Potential of Sous-Vide To Beverage Extraction
http://sprudge.com/bkon-bringing-the-potential-of-sous-vide-to-beverage-extraction.html

お茶を淹れている様子は以下のムービーから確認可能。

Bkon TX (Explaining brew process) - YouTube


Bkonのユニークな点は「負圧」を用いた独自の技術「RAIN」にあります。CEOであるDean Vastardisさんはテンプル大学で学士を取得後、自宅のガレージでシステムを開発したとのこと。例えばドライジンジャーが入っているハイビスカスティーなどは通常の作り方だと7分かかりますが、Bkonの場合は低温のお湯を使ってわずか90秒で完全に素材の香りや甘さを引き出すことが可能。コーヒーの文化やニュースを配信するSprudgeの記者は試飲した時の感想を「甘さが非常に印象的だった」と語っています。

これがBkon。


容器の中で茶葉を入れた水がぶくぶくと泡だっています。


負圧の生じていない状態。


操作は本体の横に取り付けられてあるタッチスクリーンで行う仕組み。


本体の下部にはbkonの文字。


ビーカーのようなサーバーに抽出したお茶やコーヒーが淹れられていきます。


どういう仕組みになっているのか?ということは以下の図を見るとよく分かります。まずは茶葉と水(低温のお湯)を容器の中に入れ、空気を吸い出します。こうすることで筒の中は外よりも圧力が低い「負圧」になり、茶葉が水面に浮かんできます。


さらに空気を吸い出すと負圧傾向が強くなり、水中や茶葉の中に含まれていた空気が放出されて、全体がぶくぶくと泡立ちます。


空気の吸い出しをやめると圧力は元の1気圧に戻ります。すると水は元通りになって、空気の抜けた茶葉の中に水分が浸透し、お茶の風味は水の中へ溶け出します。


こうして空気を吸い出したり戻したりするサイクルを内容物に合わせて何度も繰り返すことで、フレーバーの良さを最大限に引き出すことが可能になっています。


上記のプロセスを実機で行っている様子は以下のムービーから。

Bkon (Reverse Atmospheric Infusion™) - YouTube


Bkonは業界からも注目を集めており、お茶をメインにしたスターバックスのコンセプトストア「Teavana」などでも実験的に使われているとのこと。

シンプルに見えますが仕組みはかなり複雑で、3つのサーモブロックヒーターを搭載し、マシン全体の温度を制御することで厳密に温度が設定された水を使用でき、2つのバキュームポンプシステムが圧力を調整するするようになっています。

コーヒーやお茶だけでなくカクテルにまで応用可能で、色分けされた飲み物のフィルターに合わせて、色分けされたレシピをタッチスクリーンで選べば自分好みの飲み物が簡単に完成するというわけです。なお、レシピをCraft Cloud上にアップロードすることもできるので、ユーザー同士で情報をシェアすることも可能。短時間で抽出ができるので、1時間あたり約60杯の飲み物を作れ、さらにはセルフクリーン機能が備わっているので、飲み物の種類を変える度に容器を取り外して洗う必要はありません。


6月の第一販売に向けて現在は100台のBkonを製造中で、本格的な製造はこの秋から行われる予定。なお、価格は1台1万3000ドル(約130万円)です。

The open source artisan | BKON
http://bkonbrew.com/the-brewer/


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in ハードウェア,   動画,   , Posted by darkhorse_log

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