Googleが自社でモバイル回線サービスを提供する可能性が報じられる

By VampzX_23

Googleは1Gbps(1000Mbps)の高速インターネット回線サービス「Googleファイバー」を提供中で、さらに10Gbpsの超高速回線の提供も視野に入れていますが、新たにモバイル回線通信網の整備に乗り出す可能性があることが判明しました。

Google Weighs a Plunge into Mobile Phone Services - The Information
https://www.theinformation.com/Google-Plots-Plunge-into-Mobile-Phone-Services

Google reportedly wants to launch its own wireless network | The Verge
http://www.theverge.com/2014/4/3/5578100/google-reportedly-mulling-its-own-wireless-network-in-fiber-cities

Google Wireless: Google Fiber cities could get mobile service, but to what end? | Ars Technica
http://arstechnica.com/gadgets/2014/04/google-wireless-google-fiber-cities-could-get-mobile-service-but-to-what-end/

The Informationは、Googleは独自のモバイル回線網の整備を検討中で、2014年初頭に通信会社VerizonとMVNOに関して交渉を行ったと伝えています。Googleはモバイル回線の整備に自社で電波塔を設置するのではなく、モバイル回線網を大手キャリアから借りることでMVNO事業者としてモバイル通信サービスを提供するものと見られており、2013年にもSoftBankに買収される前のSprint社とMVNOサービスに関して話し合いを持っていたとのこと。

Googleが自社で高速回線Googleファイバーを提供する目的は、高止まりするアメリカ国内の通信環境を改善することで、よりネットの利用を促進し、ひいてはGoogleの広告事業の収益をより増大させることにあると見られており、実際に、Googleファイバーサービスが開始することによって既存の通信会社に圧力がかかり、AT&Tなどが新たに高速回線サービスの提供を開始するなど通信環境が改善する傾向にあります。今回、Googleが新たにモバイル回線についてもサービスを始める目的は、固定回線と同様にモバイル回線環境をより高速かつ低廉にすることにあることは想像に難くありません。

By solerena

Googleはカンザスシティやミズーリなど、すでにGoogleファイバーで高速回線を提供済みの「ファイバー地域」でモバイル回線の提供をスタートすると考えられており、Googleファイバーネットワークに構築するWi-Fiスポットを活用し、Wi-Fiスポットでカバーできない地域について既存キャリアの回線網を補完的に利用するのではないかと予想されています。

Googleはモバイル回線サービスから直接利益を上げることを目的としていないことから、モバイル通信を圧倒的な低価格で提供すると見られるため、他のモバイル通信キャリアが警戒していることは確実です。また、Googleは既存のキャリアにNexus 5などのスマートフォンを提供する端末メーカーとしての側面も持つため、仮にGoogleが圧倒的な低価格でモバイル回線を提供するとなると、大手キャリアがAndroidスマートフォンではなく、iPhoneやWindows Phoneを押し出す戦略を採る可能性もあります。

これまでもさまざまなサービスで既存のサービス提供者を駆逐してきたGoogleなので、予想外のサービスを開始することがあったとしても不思議ではありません。Googleによるモバイル回線サービスは、スマートフォンOSのシェアにも大きな影響を与えかねないため、Googleの戦略から目が離せないことになりそうです。