セキュリティ

アメリカ軍がスマホやPCの広告識別子を無効化、位置情報データが監視・攻撃に利用されているとの報告を受け


アメリカ軍がスマートフォンやPCを追跡して最適な広告を配信するために利用される「広告識別子」を無効化したと、ロイターが報じています。これは中東在留のアメリカ軍関係者を監視・攻撃するために、市販の位置情報データが悪用されていたという報道を受けての措置です。

EXCLUSIVE: US military turns off ad trackers on devices amid Middle East targeting reports | Reuters
https://www.reuters.com/business/media-telecom/us-military-turns-off-ad-trackers-devices-amid-middle-east-targeting-reports-2026-09-04/

US military disabled ad tracking on troops' devices following reports of targeted attacks | TechCrunch
https://techcrunch.com/2026/09/04/us-military-disabled-ad-tracking-on-troops-devices-following-reports-of-targeted-attacks/

US military disables ad trackers amid concerns over troops’ safety
https://taskandpurpose.com/news/military-cybersecurity-ad-trackers-iran/

2026年9月4日にロン・ワイデン上院議員が公開した書簡や、同氏がロイターに寄せた声明から、アメリカ軍がスマートフォンやPCで広告識別子を無効化していることが明らかになりました。これは、中東に駐留するアメリカ軍を標的とするために、市販の位置情報データが利用されていたという報道を受けての措置です。

敵対勢力が広告用の位置情報データを購入してアメリカ軍関係者を追跡・監視していたことが判明 - GIGAZINE


ワイデン上院議員は数カ月にわたってこの問題への対応を国防総省に求めてきました。それを受け、アメリカ空軍はワイデン上院議員に対し、2026年7月頃からコンピューターとスマートフォンの広告識別子を無効化したことを説明。アメリカ陸軍と海軍も、ワイデン上院議員に書簡を送付し、軍用端末での広告識別子の無効化を説明していますが、この制限がいつ頃導入されたものかに関する説明はなかったそうです。アメリカ特殊作戦軍も、Windowsの広告識別子を無効化していることをワイデン上院議員に説明しています。

なお、アメリカ陸軍はモバイル端末に紐づけられた広告識別子を2026年初頭から無効化していると、ロイターに説明。Windows搭載PCでは「2021年より前から」広告識別子を遮断していたと説明していますが、Android端末とApple製モバイル端末で標準設定として広告識別子を無効化したのは「少なくとも2026年2月以降」だそうです。

ワイデン上院議員は端末が生成する位置情報の危険性について、アメリカ軍が適切に対処してきたかどうかを調査することを求める書簡を国防総省に送付しています。この書簡には軍用端末の広告識別子を無効化する取り組みに関する最新情報も盛り込まれているとのこと。ワイデン上院議員は書簡の中で、「(アメリカ軍のこれまでの取り組みは、)この脅威を無力化する上で効果を上げていない」と指摘しました。


広告識別子を無効化すると、端末に関する位置情報データが「他の広告識別子を無効化したユーザーのデータ」と混同されるため、個人を特定することがはるかに困難になるとTechCrunchは指摘。

Decryptadsの創業者であるザック・エドワーズ氏は、広告識別子の無効化に関する取り組みについて「間違いなく前向きな措置」と評価しています。軍用端末で広告識別子を無効化することで、「多数の業者が行っている大量のデータ販売に、軍関係者の位置情報が含まれることを実質的に防げることにつながります」と説明しました。ただし、「より複雑な手法を使えば、軍関係者がアプリを通じて引き続き追跡される可能性も十分にある」とエドワーズ氏は警告しています。


電子フロンティア財団(EFF)でサイバーセキュリティ担当ディレクターを務めるエヴァ・ガルペリン氏は、広告識別子を無効化することについて「抜け穴をふさぐための非常にシンプルで直接的な方法」と説明していますが、同時にデバイスを追跡する方法は広告識別子だけではないとも指摘。さらに、より問題なのは軍事施設や作戦区域内で依然として個人用デバイスが使用されている点だとして、個人用デバイスが位置情報流出の主な原因となっているかどうかを調査することを求めました。

なお、2026年3月にはフランス海軍の原子力空母シャルル・ド・ゴールの位置情報が、乗員の利用しているフィットネスアプリ「Strava」から明らかになるという事態が発生しました。

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in ネットサービス,   セキュリティ, Posted by logu_ii

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