同性愛者のFirefoxアプリ開発者がMozillaの新CEOに反対してボイコットした理由とは?
By Robyn Ramsay
Firefoxで知られるMozilla Foundationは2014年3月14日にブレンダン・アイク氏のCEO就任を発表しました。アイク氏がCEOに就任する前までMozilla Foundationの最高技術責任者を務めていたこともあり、ビジネスではなく技術の面から同社を発展させていくであろうと思われていましたが、Firefoxのアプリ開発者がアイク氏のCEO就任に反対してボイコットする、という異例の事態が発生しています。
Goodbye, Firefox Marketplace - rarebit
http://www.teamrarebit.com/blog/2014/03/24/goodbye_firefox_marketplace/
アイク氏がMozilla FoundationのCEOに就任したことを受けて、Firefox Marketplaceでアプリを公開しているRarebitのCEOであるハンプトン・キャトリン氏は公式サイトで「Dear Mozilla」と題したメッセージを公開。
メッセージには「同性愛者同士で結婚したカップルとして、Mozillaと共同で行っている全てのプロジェクトをボイコットすることにしました。我々は、今後Firefox向けのアプリの開発を一切行いません。Firefox Marketplaceで公開中であるアプリ『Color Puzzle』を削除し、公開予定だったアプリの開発もストップしました。我々はアイク氏がCEOから退くまでボイコットを継続する予定です」と記載されています。
キャトリン氏はボイコットの理由について「アイク氏が、結婚を男女間に限定し同性婚を禁ずる規定を盛り込んだカリフォルニア州憲法の修正案『提案8号(Proposition 8)』を支援する団体に1000ドル(約10万2000円)寄付したこと」としています。カリフォルニア州では2008年に行われた住民投票の末、提案8号が可決され、同性婚は禁止。その後、2組のカップルが提訴しカリフォルニア州では2013年に同性婚が再び解禁されています。
キャトリン氏自身が同性愛者同士で結婚したこともあり、自分の信じる道徳を非難する人物が全権を掌握する企業を支援することはできない、とのこと。また、Mozilla Educationを率いるクリスティー・コーラー氏もキャトリン氏と同様にアイク氏のCEO就任に関して失望の意を示しましたが、「今回の人事でMozillaのポリシーであるオープン性や発明性が変化することはない」と主張しています。
アイク氏は2012年に自身のブログに提案8号を支援する団体に寄付したことに関する記事を執筆。その記事には、寄付した理由について述べられていないものの、自身の行動を非難する人に対して「寄付は同性愛者に対する私の敵意を示すものではありません」と書かれており、理由を示さずにアイク氏の行動だけ見て否定する人たちを非難するものでした。
キャトリン氏がボイコットを開始した翌日、Mozillaは「多様性に関する声明文」と題うった記事を掲載し、同社や同社に属するコミュニティ・社員は同性愛同士のカップルを含む全ての男女に差のない均一なサービスの提供を約束し、文化・国によって生み出される多様性こそがMozillaのポリシーであることを強調しています。
By Francesco Lodolo
なお、RarebitのアプリColor Puzzleは記事執筆現在Firefox Marketplaceから削除されたままです。
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