FirefoxのWindows 8用Modern UI(旧Metro UI)バージョンが開発中止へ
ブラウザFirefoxを開発するMozilla財団は、Windows 8/8.1で使われているModern UI(旧Metro UI)バージョンのFirefoxの開発を中止することを発表しました。
Update on Metro | Future Releases
https://blog.mozilla.org/futurereleases/2014/03/14/metro/
Firefoxのジョナサン・ナイチンゲール副社長はMozillaのブログ上で、Windows 8/8.1で使われているModern UI(旧Metro UI)環境用のFirefoxの開発を中止すると発表しました。MetroスタイルのFirefoxは、2012年に開発がスタート。Microsoftが全面的に押し出す新しいインターフェースへの対応に、遅ればせながら参戦したMozillaは数少ない人員をMetro版のFirefoxに配置したとのこと。しかし、Windows 8/8.1の普及率が一向に上がらない状況の中、Metro版のFirefoxを利用するユーザーは1日当たりわずかに1000人程度にとどまり、これは、ベータ版Firefoxでさえ一日あたり何百万人もの利用者がいることに比べると散々たる結果だとナイチンゲール氏は述べています。
ナイチンゲール氏によると、ブラウザはリリースすればそれで開発が終了するわけではなく、ユーザーからのフィードバックを反映させてより安定的に動作するよう改良していくサポート開発が必須であるとのこと。わずかなユーザーしかいないブラウザの開発に多くの人員を割くことは、人的リソースに限りがあるMozillaにとっては負担が大きいものであり、それに対して得られるものが少ないため割の合わないものだと言えます。
これは、Metro版Firefoxの改善状況をまとめたもの。頻繁に変更・改良が行われていることがよく分かります。
Firefoxを開発するMozilla財団は「インターネットをすべての人々の利益になる方向へ発展させること」を理念として結成された世界的なコミュニティですが、運営資金の調達に難航していることがたびたび話題となることで有名です。Mozillaの掲げる壮大な目的を達成するために、不人気環境への投資をやめるという判断は、経営上仕方のないところ。もちろん、今後、急激にWindows 8/8.1の普及が進んだ場合には、Modern UI版のFirefoxの開発を中止したことで大きな損失が生まれるというリスクはありますが、現在の状況からは、そうはならないとMozillaは判断したようです。
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