ルンバの開発元が作った全自動でから拭き・水拭きできるフロアクリーニングロボット「iRobot Braava 380t」実機レビュー
嫌いな家事ランキングで常にトップに上げられる「掃除」の中でも、拭き掃除は面倒な上に意外と重労働なため、できることなら誰かにやってもらいたい作業No.1と言えます。そんな拭き掃除を全自動で行ってくれるマシンが、お掃除ロボット「Roomba(ルンバ)」を生み出したiRobotが開発したフロアクリーニングロボット「Braava(ブラーバ)」です。編集部に「Braava 380t」が到着したので、さっそく床をフキフキさせてみました。
iRobot Braava Floor Mopping Robot - Overview
http://www.irobot.com/us/learn/home/Braava.aspx
編集部に到着したのは、から拭きだけでなく水拭きもできるタイプの「Braava 380t」。
開封。
説明書は白い封筒に入れられています。
封筒には、英語の説明書と注意書きが入っていました。残念ながら、説明は英語とフランス語のみで日本語には対応していません。
中敷きをとるとBraavaがお目見え。
これがBraava本体。取り出してみた最初の印象は「思ったよりもずっと小さい」ということ。
重量は実測で1871g
ルンバシリーズよりもはるかに軽量で、持ち上げるのもそれほど苦にはなりません。
最新モデル「ルンバ 880」と並べてみるとその小ささがよく分かります。
中身をすべて取り出して並べるとこんな感じ。Braava本体の他に、急速充電ドック・NorthStarナビゲーションキューブ・マイクロファイバークリーニングクロス・クリーニングパッドなど、拭き掃除用キット一式が入っていました。
◆外観チェック
Braava 380tの本体はツヤありブラック。天面の中央に保護フィルムが貼り付けられた部分にナビゲーション信号受信用のセンサーがあります。
裏返すとこんな感じ。
堅めのスポンジでできたタイヤは表面が網目状になっています。
クリーニングパッドについている丸い部品はフロアの凹凸を判断するセンサー。
センサー部分は指で押すといとも簡単にへこみます。
天面にはコントロールボタンが3つ。左から順にから拭きモードボタン、電源ボタン、水拭きモードボタン。
先端にはインジケーターランプ。
前面には障害物との距離を測定するセンサーが備わっています。
バンパーの角には樹脂パーツ。
背面には持ち運び用の取っ手がついています。
これはNorthStarナビゲーションキューブというBraavaを誘導するセンサー。
手のひらサイズで軽量。
コーナーに電源ボタン。
裏側。
付属の電池を入れれば即使える状態です。
◆お掃除の準備
まずは天面のセンサーについている保護フィルムを剥がします。ペリペリめくると……
こんな感じ。ナビゲーションキューブから信号を受信することで部屋をくまなく掃除することが可能となっています。
さらに、テープを剥がして背面に刺さっている赤いロックタブを抜きます。
続いてナビゲーションキューブの保護フィルムをペリペリ剥がして……
乾電池を投入。
電源スイッチを押すと角のインジケーターランプが点滅しました。
最後にBraava本体を充電します。これは付属の急速充電ドック。
背面にあるコネクタジャックにACアダプタを挿入します。
あとはBraava本体をドックの上にセットすれば急速充電が可能。充電時間は約2時間です。
なお、Braava本体の裏面にあるACジャックにアダプタを接続しても充電は可能です。
◆から拭きモードを試してみた
それではBraavaで拭き掃除をしてみます。付属のクリーニングクロスを用意。
白色がから拭き用、青色が水拭き用となっています。
広げるとこんな感じ。
「iRobot」のタグ付き。
水拭き用は真ん中にモップのような毛足の長い素材が用いられています。
から拭き用のクリーニングパッドはあらかじめBraavaに装着済み。
クリーニングパッドはマグネット式なので簡単に脱着可能。指を入れてパカリと取り外します。
クリーニングパッドにはこのような水色のゴムの部品がついており、これでクリーニングクロスをセットできます。
ゴムをめくるとギザギザになっており、クリーニングクロスをがっちり挟み込む仕組み。
クリーニングクロスを装着するには、広げたクロスの上にクリーニングパッドをセットして……
クロスを折り返して……
このように指で押してゴムに挟み込みます。
挟み終えるとこんな感じ。
なお、クリーニングパッド中央にある凹み部分にクロスがかからないようにすることがポイントです。
クリーニングパッドをBraava本体に装着。
これでBraava本体の準備は完了。
最後にナビゲーションキューブを机など部屋の真ん中の地面よりも高い場所にセットして……
角にある電源ボタンをON。
青色のランプが点滅すれば準備は完了。
実際にBraavaで部屋をから拭きする様子は以下のムービーから。
iRobot Braava 380tで部屋をから拭きさせてみた - YouTube
Braavaは、前面センサーのおかげで壁が近づくと減速してうまく衝撃を小さくします。また、ナビゲーションキューブによって、部屋全体をくまなく拭き掃除を行い、全体を拭き終わると元の位置に戻って停止します。
前面センサーの感度はなかなか優秀で、障害物にぶつかると左右に旋回を繰り返して障害物の大きさや位置を判断し、絶妙に回避します。Braavaの賢い挙動は以下のムービーを見ればよく分かります。
iRobot Braava 380tが障害物をかき分けて前進してく様子はこんな感じ - YouTube
約20平方メートルの部屋を一通り拭き終わるまでにかかった時間は約35分。掃除が終わったクリーニングクロスにはしっかりと汚れがついていました。
◆水拭きモードを試してみた
続いて水拭きを試してみます。水拭きモードでは、付属のMulti-Purposeクリーニングパッドを使います。
フィルキャップを開けて、水をたっぷり注ぎ込み……
水が透明のケース2本分しっかり入ればOK。
クリーニングパッド表面のWickを押すと水が穴から吹き出ました。BraavaはこのWickを押すことで水をクロスに染みこませる仕組みのようです。
Multi-Purposeクリーニングパッドはマジックテープでクロスを固定します。
青色の水拭き専用クリーニングクロスを折り返してマジックテープで止めるだけ、と簡単にセッティング完了。
Braavaに装着。クロス中心部分がうっすら濡れていることが分かります。
水拭きモードでは、から拭きモードと違ってBraavaは前後に「扇型」を描くように動きます。
水拭きモードでのBraavaの動きは以下のムービーで確認できます。
iRobot Braava 380tで水拭きをしてみた - YouTube
一通り部屋を水拭きしたあとのクリーニングクロスはこんな感じ。
よくみると、汚れがついており、から拭きが終わった後でも床には汚れがあったこと分かり、水拭きの威力を実感。
◆総括
Braavaは、同じお掃除マシンであるルンバシリーズに比べると小型・軽量で取り回しも楽で、使用時に発生する騒音もルンバよりずっと小さくて実用的。掃除機をかけ終わった部屋でも「から拭きモード+水拭きモード」で拭き掃除することで部屋をより綺麗な状態に保つことができます。1回の充電で約2時間半の連続駆動が可能で、よほど広い部屋でない限り一部屋拭き掃除をするのに充電の必要性はなさそう。
Braava自身が持つ障害物認識センサーやナビゲーションキューブの誘導アルゴリズムも非常に優秀で、部屋中をくまなく掃除する性能はピカイチ。ただし、高さ方向の感知センサーは、微妙に出っ張った金具まで認識できないので、果敢に隙間へ挑戦させると傷がつくことも。
しかし、そのようなセンサーの性質をしっかり理解した上で、掃除の前に障害物を除けておいてやるというちょっとした配慮さえ行えば、Braavaは強力な掃除能力を発揮してくれます。ルンバと組み合わせれば、全自動お掃除システムが完成するため、ルンバシリーズを愛用している人には間違いなくオススメの商品と言えそうです。
なお、Braava 380tは日本未発売ですが、Amazon.co.jpで並行輸入品が約4万円で購入可能となっています。
・つづき
ルンバと同じ全自動床ふきロボ「ブラーバ380j」実機レビュー、約4ヶ月間使用してわかったこと - GIGAZINE
・関連記事
掃除嫌いでも部屋の隅まできれいにできる最新ロボット掃除機「ルンバ880」を実際に使ってみました - GIGAZINE
4万円台のロボット掃除機「ルンバ630」を自宅で使ってみたよレポート - GIGAZINE
自動掃除機ルンバの実力を検証する~ハイエンドモデル「ルンバ570」を使い倒す~ - GIGAZINE
ロボットビジネスの最前線、iRobotの米国本社に行って研究開発の現場を取材してきた - GIGAZINE
大破した軍用ロボットからルンバの始祖までiRobotの歴史が丸わかりの博物館&食堂を米国本社で見学してきた - GIGAZINE
軍事用偵察マシンに子どものおもちゃから「ルンバ」プロトタイプまで、iRobot社が作ったロボットが勢揃い - GIGAZINE
・関連コンテンツ