牛が神聖なインドでシャトーブリアンを食べてきた
インドでステーキが食べたくなったら、どうすればいいと言うのでしょう?牛を神聖なものとして崇拝するヒンドゥー教徒の多いインドを旅していると、牛肉を食べる機会はめったにありません。でも、食べたくなったら……。果たしてインドで牛肉ステーキを食べることはできるのでしょうか。
こんにちは!世界新聞特命記者の清谷啓仁です。海外放浪中のわたくし、現在インドのベンガルール(バンガロール)にいます。ベンガルールは赤い印の辺り。
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Wikipediaの「ベンガルール(バンガロール)」の項目によると、ベンガルールはIT産業の集積する南インド諸都市の中でも『インドのシリコンバレー』と呼ばれるようにインドのソフトウェア輸出に最大の貢献を果たしているインド第3位の経済都市です。
とはいえ、路地に入れば下町っぽさが漂います。
「インドといえば牛」というのは日本でも周知の事実ですが、それはヒンドゥー教の聖牛崇拝の考え方によるものです。車やバイクに混じって町を練り歩く牛さん。
Wikipediaのヒンドゥー教の項目には「聖牛崇拝」という小項目があり、以下のように記述されています。
ヒンドゥー社会において牛は崇拝の対象となっている。神話にもたびたび牛が登場し、たとえばシヴァ神の乗り物はナンディンという牡牛である。実社会でも牡牛は移動・運搬・農耕に用いられ、牝牛は乳を供し、乾燥させた牛糞は貴重な燃料となる。ただし、聖別されているのは主として瘤牛であり、水牛は崇拝の対象とはならない。
という訳で、人口の約80%がヒンドゥー教を信仰しているインドを旅していると、レストランに牛肉のメニューがあることはめったにありません。でもある日、僕は無性に牛肉ステーキが食べたくなってしまったのです。というわけで検索してみると、「べンガルール1」と評判のステーキレストランがあるじゃありませんか!
早速、激混みのバスに乗って繁華街のMGロードへ。
ここがMGロードです。ちなみにMGはマハトマ・ガンディの頭文字を取ったもの。
いろいろなお店が立ち並ぶ中……
30分ほど探しまわって、お目当てのステーキ屋さんを発見しました。ハァハァ……
「PORTLAND」に到着です!
おっと、看板に堂々と”STEAKHOUSE”と書かれてますね。日本語でも書かれているので、日本人御用達ということでしょうか。これは期待できそうです!
入店すると……
白を基調とした店内は、インドとは思えないような清潔感です(笑)
席につくと、お皿とナイフ&フォークが丁寧に並べられていました。
それではメニューを拝見。
通常のベジタリアンメニューの他に、
牛肉メニューが用意されていました。ステーキメニューは14種類もあって、価格は350ルピー〜600ルピー(595円〜1020円)。
レストランの人に話を聞いてみると、インドにはヒンドゥー教以外の宗教の人も大勢いますし、ベンガルールのような都会には海外からの駐在者などもいるので、ステーキを食べられるレストランは意外と簡単に見つけられるとのことです。
焼き方、ソース、サイドメニューも選べます。
最上級のステーキと呼ばれるシャトーブリアン350g(515ルピー:876円)を迷わず注文!焼き方はミディアムで、ソースはペッパーガーリック。他には、柑橘類と野菜のサラダ(175ルピー:298円)、パッションフルーツフィズ(150ルピー:255円)を注文。
待つこと10分……
驚くべき早さで前菜の「柑橘類と野菜のサラダ」が到着。こんな美味しそうなサラダを見たのは久しぶりです(泣)
柑橘類と書いていますが入っているのはミカンのみ。レタス、キュウリ、トマトのシンプルなサラダです。
アボカド&マヨネーズベースのドレッシングが濃厚ですが、いわゆる青臭い感じはしないです。ミカンのさっぱりとした酸味が絶妙に絡んで、野菜の味を引き立てています。
お次は「パッションフルーツフィズ」、つまりカクテルです。
ヒンドゥー教ではイスラム教ほど厳しくはないものの、アルコールは「好ましくないもの」とされています。基本的には飲まない人が多いのですが、かといってインドでアルコールが手に入らないかというとそうではありません。
インドで、しかもバックパッカーの身分でこんなオシャレなものを飲んでいいんでしょうか……。
炭酸が効いていて、パッションフルーツが口の中で弾けるような爽やかな口当たり。できれば海岸沿いで飲みたい気分ですが、気候ともマッチしていて美味しいです。
頃合いを見計らって……
シャトーブリアンが運ばれてきました!
ぎゅ、牛肉に間違いありません!
こんな新鮮な温野菜をインドで見たのは初めてです……。
味の決め手、ペッパーガーリックソース。
ブラックペッパーが確認できます。
ハァハァ……
ソースをまんべんなくかけて……
ご、ゴクリ……。
いただきます!!
……!?
う、うまーいぃぃ!!(脳内イメージ:インドの巨石が転がるハンピの風景)
牛肉に強いこだわりのある神戸育ちの僕ですが、あろうことかインドでこのレベルのステーキが食べれるとは思ってもみなかったです。正直舐めてました。これで1000円以下とはにわかに信じがたいです。
さすがのシャトーブリアン、むちゃくちゃ柔らかいです。
ソースと絡めて、
もう一口、肉汁が口の中をほとばしる!!
バックパッカーってこんな美味しいもの食べていいんでしたっけ……(笑)
多くの宗教が混在しているにもかかわらず、こんなにおいしいステーキが食べられるインドの寛容さに心から感謝しました。
文・取材:清谷啓仁
http://kiyotani.com
監修:世界新聞
http://sekaishinbun.net
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